イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【MAN.CITY×Arsenal】決めるべき4人の競演。マン・シティは痛恨、アーセナルは納得のドロー!

開始早々からラッシュをかけるマンチェスター・シティは、レアル・マドリード相手に勝ちたい気持ちを表現できなかった水曜日とは、別なチームのようです。プレミアリーグ37節、マンチェスター・シティVSアーセナル。アグエロとイヘアナチョが前に入り、デブライネとヘスス・ナバスがサイドを切り裂こうとするマン・シティに対して、ガブリエウ、コシールニー、ベジェリン、モンレアルが並んだガナーズの最終ラインは防戦一方です。8分、一方的な展開のまま、マン・シティが先制。右からのパスを受け、トラップでエルネニーをかわしたアグエロが左足を振り抜き、今季プレミアリーグ24ゴールめが右隅に突き刺さります。ところがこの直後、クリシーがヘディングでのバックパスをミスしてポストに当てると、CKをヘッドで叩き込んだのはオリヴィエ・ジルー。4ヵ月ぶりの一発は、貴重な同点ゴールです。エジルを負傷で欠き、ウェルベック、イオビ、アレクシス・サンチェスが2列めに入ったチームは、これで落ち着くでしょうか。

レアル・マドリード戦で沈黙したアグエロは、今日は絶好調のようです。16分、左からペナルティエリアに侵入したフェルナンドがラムジーを股抜きであしらってエースに落とすと、強烈な右足のシュートは、ガブリエウが何とか足に当ててバーの上。ピンチ続きのアーセナルに、アクシデントです。足を痛めたウェルベックがロッカールームに向かい、25分に投入されたのはジャック・ウィルシャー。27分には、マンチェスター・シティにまたもチャンス。中盤でボールを奪ったフェルナンドがスルーパスでアグエロを走らせると、チェフが飛び出しクリア。フォローしたヘスス・ナバスのシュートが枠を外れ、アウェイチームは命拾いします。

引いてカウンターか、中盤でリズムを創って押し返すのか。これだけ時間が経過しても、まだ戦い方が定まらないアーセナル。マンチェスター・シティの攻撃が、サイドからの強引な高速グラウンダーしかないことに助けられているだけで、このまま戦っても勝ち点3には届かないでしょう。最後の5分は、全員が自陣に引きこもってハーフタイム。ヴェンゲル監督は、勝ちたければ手を打たなければなりません。

後半に入っても、試合の流れは変わりません。49分にはフェルナンジーニョが右から飛び出し、シュートはチェフの頭上。アレクシス・サンチェスもジルーも、彼らの仕事ができる機会をもらえません。50分、勝ち越しゴールはデブライネです。ベジェリンをかわし、エルネニーも抜き去り、ガブリエウを翻弄して右足を振り抜いたシュートの弾道は完璧でした。アーセナルは、2度めのビハインドをはね返せるでしょうか。53分、イヘアナチョがドリブルで突き進んだ3対2のチャンスは、自分で打つという判断が失敗に終わりました。

ヴェンゲル監督は、58分にイオビをウォルコット。その2分後、アーセナルが久しぶりにゴールに迫ります。右からのボールが流れてきたところをモンレアルが折り返すと、ボレーの態勢に入ったジルーの手前で、オタメンディが飛んでクリア。これをきっかけに、アーセナルが完全に目覚めます。67分にはジルー、エルネニー、ジルーとつながった右サイドの崩しから、ウォルコットがジョー・ハートと1対1になりますが、GKを気にした14番が打ち上げてしまい、ゴールならず。しかしその1分後、アレクシス・サンチェスがジルーをポストに使うと、絶妙の落としでフリーになり、逆をケアしたジョー・ハートの左をきれいに抜きます。2-2となると、3度めのマン・シティペース。デブライネの強烈なFKは、チェフがセーブ。ペジェグリーニ監督は、イヘアナチョをスターリングに代えてサイドから勝負です。74分には、アグエロからのパスを受けたデブライネが絶妙な浮き球をエースに戻すと、アグエロは迷わず逆サイドの隅を狙った左足のシュート。ボールがポストをかすめると、エティハドはため息に包まれます。

エルネニーをコクランで敗戦回避するヴェンゲル監督に対して、ペジェグリーニ監督は、ヘスス・ナバスをボニーで勝ち点3狙い。フェルナンドに代わってヤヤ・トゥレまで登場したホームチームは、最後の猛攻を仕掛けます。87分に右から抜け出しかけたデブライネは、コシールニーが追いついてカット。1分後、右からのクロスに合わせたボニーのボレーは、クロスバーを叩いてピッチに戻されます。戦う姿勢を見せていたマン・シティは、気負いが目立ち、パスの精度を失っていました。追加タイムはジルーに頑張られて攻めはとぎれ、タイムアップ。2-2のドローは、最終節がヴィラ戦のアーセナルにとってはまずまず。ミッドウィークにマンチェスター・ユナイテッドがウェストハムに勝てば、プレミアリーグ5位に転落するマンチェスター・シティにとっては痛恨です。

アグエロ、ジルー、デブライネ、アレクシス・サンチェス。決めるべき4人が決めた試合で、ゴールシーンはどれも美しかったのですが、今ひとつ爽快感がないのは、リードすると守りに入ってしまうチームと、同点に追いつくと攻めるのをやめてしまうチームとの戦いだったからでしょう。セントラルMFの出来が悪く、個人力だけで攻めていた今日のアーセナルには、マンチェスター・シティは勝たなければいけませんでした。ヘスス・ナバスは脅威だっただけに、負けも引き分けも変わらないペジェグリーニ監督が、サイドアタッカーを残して「クリシーをボニー」とするような勇気と覚悟があれば、違う結果もあったかもしれません。

ホーム最終戦、試合後のセレモニーはガラガラでした。今季プレミアリーグにおけるTOP5対決で3分5敗と一度も勝てなかったチームに、サポーターは落胆したのでしょう。初年度からプレミアリーグ優勝を勝ち取ったペジェグリーニ監督の最後のエティハドは、寂しさが漂う幕切れとなりました。指揮官のラストゲームは、リバティでスウォンジー。ウェストハムが今節で彼らに負けたために、グイドリン監督のチームには、「勝てばTOP10フィニッシュの可能性あり」と、目標ができてしまいました。4試合勝利なしのチームは、マンチェスター・ユナイテッドの追撃をしのげるでしょうか。セント・メアリーズやマドリードで見せたような勝ちたい気持ちが感じられない戦いを、このうえ繰り返すわけにはいきません。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“【MAN.CITY×Arsenal】決めるべき4人の競演。マン・シティは痛恨、アーセナルは納得のドロー!” への5件のフィードバック

  1. シティふぁん より:

    アグエロ、デブライネのゴールが素晴らしいだけにとても残念です
    上位陣に本当に勝てませんでした
    ユナイテッドの取りこぼしを期待するしかないです
    まさかCL権を逃しそうとはシーズン前には考えられませんでした

  2. ヤンガナ大好き より:

    シティに勝ってもらいたかった試合ですねー。
    なぜなら、不甲斐ない試合をしてしまったせいで勝ち点を3失いCLを逃したからです。

    マンユーとの試合、おそらくアントニオがまたRBを務めるでしょう、ビリッチがなぜアントニオのRBに固執するのか理解できません
    もし、ビリッチがアントニオのRBに固執するのであれば、マンユーに勝つのは困難です。

    アントニオとモーゼスが守る右サイドは酷いなんてもんじゃなかったです。
    今まで長年と様々なチームの試合を見てきましたが、
    初めて見ましたあそこまで酷い守備は。。。

    —–
    3位の座をかけた勝負にしては中盤がだらだら、守備陣がゆるゆるのゲームでかなり、がっかりでした。また、シルバ、エジルがいないピッチはタクトのいないゲームのようで創造性にかけていました。ガナーズとしては勝ち点1が取れたこと、ウィルシャーの突貫小僧ぶりが見られたのが良かった点でしょうか。また、アグエロ、デブライネはキレキレでしたね!よく二点でおさまりました。

    それにしても両チームともセンターバックにかなり問題ありです。シティは既に手をつけ始めめているようですが、ガナーズも最優先の補強ポイントかと思います。

    エミレーツも今年はスタンドが微妙な空気でしたが、エティハドがホーム最終戦にも関わらず余りにも静かなのに驚きました!両チームとも来シーズンはホームで熱いゲームで魅了し、スタンドとサポーターをわかせて欲しいです!ペジグリーニさんにはとにかくお疲れ様でしたと言いたいです。

  3. makoto より:

    シティふぁんさん>
    5連勝でしたからね。「メンバーが変わるたびに混乱する」「好不調の波が激しすぎる」という印象でした。

    おハムさん>
    CLとELの出場権がかかっている戦いなので、お互い引けませんね。いい試合になればと期待しています。

    ヤンガナ大好きさん>
    エティハドは、元々他クラブに比べて静かなのですが、昨日は一段とおとなしかったです。ガナーズについて、得点の次に印象的だったのは、ガブリエウが今ひとつだったこと、ジルーのチェイシングが素晴らしかったこと、ウィルシャーのスライディングが危なかったこと(やりすぎると赤いカードが…)でした。

  4. ヤンガナ大好き より:

    makotoさん>
    コメントありがとうございます。確かにガブリエルが特に冴えなかったですね。両チームのセンターバックが緩く感じたのは、同日に行われたスパーズ対サウサンプトン戦での両チームセンターバックのレベルが高く、体を張ったブロックや的確なよみ、正確なフィードを先に観てしまったからかもしれません。この両チームのセンターバックは今やプレミアを代表するコンビですね!羨ましい限りです。

  5. makoto より:

    ヤンガナ大好きさん>
    確かに。ファン・ダイク、攻撃力もあってセインツにははまりましたね。

コメントを残す