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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Chelsea×Liverpool】ヘンダーソン、スーパーミドル!リヴァプールがアウェイでチェルシーを撃破!

プレミアリーグもあっという間に5節です。この週末の目玉は、フライデーナイト開催となったスタンフォード・ブリッジのチェルシーVSリヴァプール。開幕3連勝と好スタートを切ったチェルシーに、バーンリーにつまずきながらも調子を上げてきたリヴァプ―ルが挑みます。コンテ監督は、メンバーをいじりません。GKクルトワ、DFイヴァノヴィッチ、ケーヒル、アスピリクエタはいつもの顔ぶれ。テリー負傷の穴はプレミアリーグ復帰を果たしたダヴィド・ルイスが埋めることになります。中盤の底にカンテが入り、その前にマティッチ、オスカル、ウィリアン、アザール。トップは絶好調のジエゴ・コスタです。

対するクロップ監督は、最前線にスタリッジを起用しました。左右にコウチーニョとサディオ・マネ、ララナとワイナルドゥムがインサイドMF。CBの前のスペースをケアするのはヘンダーソンです。最終ラインはナサニエル・クライン、マティプ、ミルナーに頭部のケガが癒えたデヤン・ロブレン。ロリス・カリウスのプレミアリーグデビューは今週もお預けで、GKはミニョレです。フィルミーノはお休みで、後半のオプションはオリギとなります。開始1分の最初のシュートは、ナサニエル・クラインのクロスに足を出したワイナルドゥム。2分にはスタリッジが右から斬り込み強烈なシュートを放つなど、立ち上がりはアウェイチームが攻勢です。

5分を過ぎると、チェルシーはサイドのアザールとウィリアンにロングボールを集め、レッズ守備陣をゴール前に釘づけにしますが、レッズは球離れのいいパスワークでゲームの主導権を取り戻します。右から幾度となく仕掛けているナサニエル・クラインがアスピリクエタの裏を取れれば、一気に決定機になるでしょう。スタリッジ、ヘンダーソンが遠めからシュートを連発した後の16分、先制はリヴァプールです。起点はシュートコーナーからの左サイド。縦にいこうとしたミルナーが後ろにいたコウチーニョに渡すと、10番は逆サイドに完璧なクロス。反応したのは、セットプレーの流れで残っていたデヤン・ロブレンでした。右足のボレーはクルトワの指先を抜けて、左隅へ。引き気味に戦っていたチェルシーは、前へ出ないといけません。

25分、カウンターに入ろうとしたチェルシーをミルナーが止め、速いスローインからスタリッジが独走。ゴールライン際からの鋭いクロスには誰も触れませんでした。コウチーニョは、自陣でカンテ相手に仕掛けてはいけません。インターセプトされたボールはウィリアンに渡り、角度のないところからの強烈なシュートは惜しくもサイドネットに吸い込まれます。33分にウィリアンが中に入れたFKは、ダヴィド・ルイスが肩で合わせるもミニョレがキャッチしました。

36分、レッズの2点めはスーパーゴールでした。左のスローインからのララナのアタックは無謀で、チェルシーが簡単にクリア。このボールをワントラップしてすかさず放ったヘンダーソンのミドルは、美しい弧を描いてゴールの右上に吸い込まれました。さすがのクルトワも、あれだけ隅に落とされては触れません。0-2とされたチェルシーは、再三のセットプレーでダヴィド・ルイスがヘディングシュートを放ち、ジエゴ・コスタとアザールが左右から突破を図るもレッズの最終ラインは決定的なラストパスを許しません。前半はこのまま終了。コンテ監督のベンチには、セスク、ペドロ、ヴィクター・モーゼス、バチュアイがいます。

レッズが前から厳しいプレスをかけてショートカウンターを狙うと、チェルシーは速い攻撃を仕掛け、51分には右に回ったアザールのクロスをカンテがヘッド。早い時間にホームチームが1点を返せば、勝負はどうなるかわかりません。ここからのチェルシーの猛攻は、レッズの守備陣がシュートを打たせずにしのぎました。57分、クロップ監督は運動量が落ちていたスタリッジに代わってオリギ。61分、アタックを続けていたチェルシーが待望のゴールを決めました。左からドリブルで上がったマティッチが、マティプとララナを次々とかわして軽く浮かすラストパス。ニアの狭いスペースに入って巧みにボレーを決めたのはやはりこの男、今季プレミアリーグで既に4ゴールと絶好調のジエゴ・コスタです。チェルシーのストライカーは、64分にもイヴァノヴィッチのロングフィードをオスカルが落としたところを左足で狙いますが、これはミニョレが冷静にキャッチ。残り時間は、まだ20分あります。

後半のレッズは持ちすぎが目立つようになり、ボールを奪うラインが後ろに下がりました。しかしチェルシーは息切れしたのか、徐々にレッズの時間が増えています。コンテ監督がラスト15分まで選手を代えないのはいつものことですが、そろそろ変化が必要でしょう。79分、ナサニエル・クラインのクロスのこぼれ球をコウチーニョが狙うと、強烈なシュートはDFに当たってアウト。81分にはコウチーニョのスルーパスで左サイドのミルナーがフリーとなり、クロスを頭で叩きつけたオリギの一撃はクルトワがスーパーセーブ!足元へのヘディングを手で止められるGKは、そうそういません。クロップ監督がコウチーニョをルーカスにスイッチすると、コンテ監督が動いたのは84分。ウィリアン、マティッチ、オスカルをペドロ、セスク、モーゼスと、何と3枚代えです。

攻め立てるチェルシー、ゴール前にこもるレッズ。88分のセスクのFKは壁に遮られます。89分には足がつったワイナルドゥムが下がり、スチュワートが後ろを締めます。さすがに交代が遅かったか…チェルシーは届きませんでした。プレミアリーグ開幕以来、無敗だったチームはここでストップ。アウェイ勝利に上機嫌のクロップ監督は、次々に後ろから選手たちに抱きつきハグをかわすと、殊勲のヘンダーソンをどついています。キャプテンの2点めは素晴らしかったのですが、今日のMVPはデヤン・ロブレンでしょう。いい守備を見せていた相棒のマティプはマティッチに一発やられてしまいましたが、6番はよく耐え抜きました。激しい上下動で攻守を支えていたワイナルドゥムとララナも、チェルシーの猛攻を1点に抑えた縁の下の力持ちだったと思います。

コンテ監督の動き時は、攻め疲れが見えた残り15分だったのではないでしょうか。直後にリヴァプールの逆襲を許してしまい、オリギの決定的なシュートをクルトワが止めなければ、指揮官の采配はより咎められたのではないかと思います。ペドロは効果的だったとはいえず、フレッシュな3人のエンジンが温まる前に試合は終わってしまいました。プレミアリーグ10位に終わった前年よりも破壊力は格段に上がっており、最後は完全にゲームを支配していただけに、悔いの残る敗戦でした。とはいえ、終わったことに拘泥している時間はありません。火曜日にはEFLカップでレスター、来週末のプレミアリーグはエミレーツでアーセナル。新監督と選手たちにとっては、ここが最初の踏ん張りどころです。

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“【Chelsea×Liverpool】ヘンダーソン、スーパーミドル!リヴァプールがアウェイでチェルシーを撃破!” への10件のフィードバック

  1. シティふぁん より:

    面白かったです
    リバプールは精力的な動きが目立ちましたね
    クロップらしいチームですね
    リバプールがすでにスパーズ、アーセナル、チェルシー、昨季チャンピオンのレスターとかなり厳しい日程でこの順位は素晴らしいでしょう
    下位チームにも勝ち点を落とさなければ優勝もあるでしょうが・・・

  2. K より:

    本気のハイプレス時は全て圧勝でした。明らかに運動量を落としたサッカーでは相変わらずの失点も勝ちきったのは大きく、選手の質が5,6年前からチェルシーと完全に立場が逆転した事も最高に嬉しかったですね

    ララナのインサイドハーフとミルナーの左SBコンバート案は去年からここにも書いてましたが、補強に加えてヘンドの復活が大きいです

    スペースがない今日はパスが活きませんでしたが、パスのようなスーパーゴールに危険なエリアのフォロー。後ろに目はないのでコケたララナのカバーが出来なかったのは仕方ないですね

    ララナの運動量任せの軽い守備に落ち着きを与えるワイナルダムのフィジカルとバランスを取るヘンドの3人の連携が良くなりました!選手層は薄いですが、トップ4はかなり期待できるシーズンになりそうです

  3. nyonsuke より:

    更新お疲れ様です。

    ヨーロッパの試合がない同士でのこの勝利は大きいです。
    チェルシー相手に苦しい時間を守りきり、勝ちきった全員のハードワークは素晴らしく、全員にMOMをあげたい気持ちです。
    去年は攻めきるしか勝ちパターンがなかったですが、好調チェルシー相手に守りきれたのは自信になると思います。
    フィルミーノのベンチ外は驚き状況が心配ですが、フィルミーノなしでのこのパフォーマンスも自信になります。

    またヘンドのスーパーミドルには奮えました。
    弾道は違えど、キャプテンのスーパーミドル・・・、まさにジェラードのパフォーマンスとだぶってみえたシーンでした。
    レッズにはやはりこんなキャプテンが必要なんです。
    ヘンドとミルナーが、ジェラードとキャラガーのように映るような時がようやく訪れたのかもしれません。
    そのようなチームができれば今季のレッズは本物だと思います。

    あとは、下位チームでの取りこぼしを失くしたいですよね 笑。
    まずはマンチェスター勢に当たるまでこの順位をキープしたいです。

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    リバプールの日程すごいですね笑

  5. プレミア万歳 より:

    更新お疲れ様です
    確かに一見 リバプールは良かったように見えましたが 点の取り方はチェルシーのディフェンスを崩したわけでもなく ただの一発なわけで kさんの言うように とても昔のチェルシーと立場が逆転したとか言える状況ではないと思いますよ このクロップのやり方は前期は元気なので大丈夫ですが 後期は地獄を見るかも知れませんね

  6. プレミア万歳 より:

    ドイツの頃のように冬休みがないのわかったのに まだゲーゲン続けるんですかね デジャブだ

  7. 雨好 より:

    更新お疲れ様です。

    今回はハイライトしか見れなかった為、非常にわかりやすく助かりました。これまで戦ってきた中堅のプレスと強豪プレスの質の違いもあり、今回のリバプール戦は仮想シティとしても見れたと思いますがやはり難しい結果に…。マティッチも大分頑張っていますが冬までカンテの相方探しに苦労するのではないかなと思います。とりあえず出来ることを増やしてる段階だと思うので心配はあまりないですが、1点目のような失点はなるべく減らさないとこの先厳しいですね。まずそこからです。

  8. what a hit より:

    nyonsukeさんと同様、ヘンドのスーパーミドルにスティービーGの姿を重ねて身震いしました。あのシュートが撃てる選手だと思ってるので、今後プレー、精神面ともにレッズを牽引するプレーヤーになって欲しいです。ロヴレンのゴールも見事でした。クロップのもとで輝いてますね。
    ビッグマッチ続きの開幕スケジュールを上々の成績で終えれてびっくりしてます。ただビッグマッチは半分くらい時の運的に観ているので、下位チームとの対戦でスイッチを切ってしまうレッズを長年観てきたファンとしては、チェルシーのように下位チーム相手にしっかり勝てるかどうかが試されるシーズンですね。

  9. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    手に汗握るゲームでした。ドローを予想していたのですが、嬉しい勝利です。序盤5連戦3勝1分1敗は良いスタートがきれたかと思います。CBのマティプとロブレンいいコンビになりそうな気配です。あとはスタリッジのゴールとクリーンシートが欲しいですね。

  10. レッズサポ的にはたまらない試合になりました!!!
    確かに得点はプレミア万歳さんが仰るとおり、セットプレー絡み&スーパーミドルなので守備を崩したものではありませんでしたが、共に押し込み続けた中でのものなので、十分「崩した」と言えると思います。
    特にコウチがクロスを入れた瞬間のブルーズの守備の乱れ具合を見ても、ブルーズ守備陣の焦りが十二分に伺われます。

    主様も指摘されているとおり、前半からのハイプレスの疲労で厳しい時間帯はあったものの、そこを一点で凌げたのも、今後の自信になると思います。
    得点後はカウンター対策として、徹底してサイド攻撃を繰り返していたのも効果的だったと思います。
    サポ的にはもう少し早い段階でスチュワートを入れて、中盤の守備を安定させれば楽な展開になったかと安易に考えています。

    これで年内のビックマッチはマンチェスター勢だけなので、トップ4は行けるんじゃないかと。

    敵ながらマティッチのパス精度には驚かされました(°∀°)
    コスタはお疲れだったのか静かでしたね(笑)

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