イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Liverpool×WBA】前半は完璧、後半はフォスターの壁を破れず…レッズは辛勝で何とか2位浮上!

5勝2分1敗、勝ち点17、プレミアリーグ4位。アーセナル、トッテナム、レスター、チェルシー、マンチェスター・ユナイテッドと序盤から上位対決が続いたリヴァプールにとって、首位と2差という今のポジションは悪くありません。本日、アンフィールドに迎えたのは、2勝4分2敗と粘り強く勝ち点を拾い、12位につけているWBA。負傷明けのワイナルドゥムがベンチにいる以外は、レッズは申し分ないメンバーです。GKはプレミアリーグになじみ始めたロリス・カリウス。ナサニエル・クライン、マティプ、デヤン・ロブレン、ミルナーはいつもの4人。ヘンダーソンが中盤の底を締め、ララナとエムレ・ジャンがインサイドMFでしょう。マネとコウチーニョが両サイド、トップには今やエースのフィルミーノです。リヴァプールに対してここ8試合負けなしで、昨季プレミアリーグでは2戦ともドローで終わらせているWBAは、簡単に勝てる相手ではありません。試合前の会見でピューリス監督のチームをリスペクトしていたクロップ監督は、慎重に入るように指示しているはずです。

キックオフから攻め立てるレッズは、コウチーニョが積極的にシュートを狙っています。WBAは引いて攻撃を受け止め、マット・フィリップス、シャドリ、サロモン・ロンドンの速攻に賭けるゲームプランでしょう。13分、アウェイチームが狙い通りのカウンターを仕掛けます。マット・フィリップスが右から突破したところまではよかったのですが、ボックスに入ってコースが空いていればシュートでしょう。サロモン・ロンドンに通そうとしたパスはマティプが読んでカットし、最初のチャンスは潰えます。20分、先制はリヴァプールでした。ミルナーが自陣から出したパスを、ハーフライン付近でスルーしたコウチーニョの判断が秀逸。エムレ・ジャンが受けた瞬間、一気に3対3になり、左からフィルミーノが逆サイドに上げたクロスは、マネの右足にぴったりです。左隅へのボレーは、好調のフォスターでもノーチャンス。WBAは、ただ引いているわけにはいかなくなりました。

27分、ナサニエル・クラインの高速アーリークロスは、飛び込んだエムレ・ジャンが数センチ足りませんでした。32分に仕掛けたレッズ2度めのカウンターは、フィルミーノから右のララナにラストパスが入るも、振り向きざまの左足シュートが浮いてしまいます。すると35分、GKフォスターがゴールキックを自陣高くに上げてしまい、レッズの追加点が決まります。ボールをおさめたマネが左に出すと、切り返しを入れたコウチーニョがニアポスト際に強烈なシュート。ここしかないというコースに打ち込まれた一撃に、フォスターは遅れて足を出しただけでした。前半は2-0。WBAの中盤が上がったときに背後に空くスペースをレッズの前線は見逃さず、鋭いカウンターで決定機を創っています。

ピューリス監督は、ハーフタイムにヤコブをブラントにチェンジ。状況を変えたかったアウェイチームは、開始間もなくレッズの速攻を喰らいます。縦パスをうまく処理したマネが左を走るコウチーニョにラストパスを出すと、中に切り返して放った10番のシュートは何とかDFがブロック。奪われてもすぐに取り返すレッズが、圧倒的なポゼッションでゲームを支配しています。56分、マネが右からドリブルで仕掛けたカウンター。中で空いていたコウチーニョに落とし、右に流れてきたフィルミーノに縦パスが通ると、決定的なシュートはフォスターが詰めて体に当てました。1分後、コウチーニョが右から蹴ったFKがデヤン・ロブレンの頭にぴったり合いますが、右にダイブしたフォスターがぎりぎりで弾くビッグセーブ。62分、右からのアタックのこぼれ球をボックスの外から叩いたエムレ・ジャンのミドルは、押さえが効かずにクロスバーを越えていきます。

65分には、またもレッズのカウンター。ミルナーの素晴らしいパスが左のコウチーニョを一発で捉え、ドリブルでボックスまで運んだ10番がエムレ・ジャンに落とすと、右足のボレーはオルソンがコースに入って太腿でブロックします。69分、WBAに久々のチャンス。CKのこぼれ球を右隅に狙ったシャドリは、うまくミートできずに右に外してしまいました。75分、モリソンのパスを受けたサロモン・ロンドンが、右に流れてシュートチャンスを迎えますが、追いついたマティプがコースを塞ぎ、リバウンドをダイレクトで打ったモリソンは右に曲げてしまいました。

残り時間は10分強。クロップ監督はララナを下げて、ワイナルドゥムを投入します。ここまでセットプレーにしか活路を見出せなかったWBAは、ブラントを入れたピューリス監督の思惑がようやく形になります。80分、左からのブラントのCKが中央の危険なエリアへ。競り合いで落ちてきたボールにレッズ守備陣は反応できず、マコーリーがプッシュして1点を返します。84分にレッズが仕掛けた速攻は、中央からのパスを受けた右のフィルミーノのシュートをフォスターがセーブ。直後のコウチーニョのミドルもGKの正面に入ってしまい、レッズは追加点を奪えません。88分にコウチーニョをルーカス・レイヴァ、追加タイムにはマネをオリギ。最後にワイナルドゥムがレッズ移籍後のプレミアリーグ初ゴールに迫りますが、右隅に放ったコントロールショットはぎりぎりでポストの外に消えました。内容的には圧倒していたレッズは、結局2-1でフィニッシュ。守護神フォスターの奮闘がなければ、60分で決着がついていたゲームでした。

中盤より前はシュートの精度以外は文句なし、最終ラインはセットプレー対応に課題あり。リヴァプールのストロングポイントと弱さが、同時に出た一戦だったのではないでしょうか。フィルミーノはシュートこそ決められなかったものの、運動量と局面打開力が素晴らしく、今日のプレイを見せられればスタリッジの出る幕はありません。コウチーニョとマネもまた、定位置がどこかわからなくなるぐらいの神出鬼没なポジショニングで、決定的なシーンを創っていました。一方、今季プレミアリーグでクリーンシートが1回しかない守備陣は、横からボールが入ったときの守り方について確認しなければなりません。ここまで、バーンリー戦以外に取りこぼしはないものの、ハイボールに対する弱さは、1点を守りきらなければならないゲームで命取りとなる可能性大です。10節の相手は、クロスボールの本数がプレミアリーグNo.1のクリスタル・パレス。夏にチームを離れたベンテケに勝ち点を持っていかれないよう、クロップ監督と守備陣には明確な改善が求められます。(ベン・フォスター 写真著作者/Dl 94)

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“【Liverpool×WBA】前半は完璧、後半はフォスターの壁を破れず…レッズは辛勝で何とか2位浮上!” への6件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    2-0までは完ぺきだったのに、セットプレイでの失点が余計。
    でもこれまでのレッズならドタバタで同点にされていた気がします。
    課題が浮き彫りになったと捉えて改善していってほしいです。

  2. K より:

    みんな上手くてとても強かった!ララナが抜ける78分までは。いつでも点取れると完全に遊んでシュート外しすぎでしたけど、失点して最後は真剣にプレーして勝ちきったので満足です

    レギュラーで唯一チームに馴染めてなかったGKのカリウスもパスは改善されましたね。判断スピードはまだ不安ですが

    しかし自分たちのCKで跳ね返されたボールをヘンドがこの試合初めてのトラップミスで失い、取られたFKでカリウスのハイボール処理ミスでCKを取られて失点。気が緩んでましたね

    カリウスは今回のブラント、前回のシグルドソンと大きな弧を描く軌道で落下点を大きく見誤ってかなり後ろの着地点に対して完全に前へ進んでいます
    ミニョレも同じミスを繰り返しているのでハイボール処理練習でGKコーチが蹴る軌道が現実離れしてるんでしょうか? 練習は非公開で分からず誰を責めるわけにもいきませんけど気になりますね…

  3. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    前半はほぼ完璧で、後半は最後10分は苦しみましたね。
    後半も決めていればもっと楽に行けたと思いますが、フォースターが当たってましたね。流石です。
    しかしセットプレーは完全にウィークポイントですね。
    ゾーンでもマンツーマンでもどちらも失点しまうのが悩ましい所です。次節の鬼門セルハーストパークはベンテケが待ってますね。いや〜怖い、、、苦笑。

  4. YVG より:

    80分まではウェストブロムが枠外シュートを撃つ度に"we managed to shot♪"のアウェイチャントが響き渡りほのぼのしい雰囲気に包まれていたアンフィールドでしたが、ラスト10分はなんとも危なっかしい試合でした。今日のチャンを見る限り、本来のポジションではないにしろまだまだワイナルドゥムとの差を感じましたね。スタリッジはいよいよ余剰戦力と言うか、昨シーズンのベンテケのようなポジションになってしまっているような気がします。素晴らしい選手であるのは確かなのですが…

  5. プレミアリーグ大好き! より:

    更新お疲れ様です。

    皆様のおっしゃる通り、レッズのいい所と悪い所が非常にわかりやすい試合でした 笑。
    しかし昨季までならこういうWBAのような相手に0-1やドローだったんです。
    勝ちきれるようになったことと、わくわくする攻撃的なプレーを続けられるチームになったのだと実感もできる試合でした。
    スタメンは安定しているので、ここにジャン、オリギ、グルイッチあたりが底上げしてくれると本当にタイトルを争えると夢想してしまいますね。
    セットプレーのディフェンスは課題ですが、流れの中では攻撃陣の守備への貢献が半端ないので今節もユナイテッド戦もけっこう安心してみれていました。
    フォースターの活躍には脱帽ですが、トドメの3点目をきっちりとれる決定力にベクトルを向けるほうが前半戦はよさげだとも思います。
    前線のプレスをかいくぐるようなチームのほうが怖いのでカップ戦のスパーズ戦は楽しみです。
    しかしPLの次節はパレスでした 怖。
    ベンテケこわい…、ベンテケこわい…。

    —–
    本領発揮できてないのではなんて言ったのが恥ずかしいくらいコウチーニョ良かったですね。僕の中で今一番きてる男、フィルミーノを含め全員が失点場面と3点目を決めきれなかった以外素晴らしかったです。ジャンも決定機を決めたり作ったりをしていけば自信がでてくると思います。今季のレッズは面白いし強くて本当に楽しいです。

    しかし、出場時間15分足らずで2度も決定機を作ったワイナルドゥム、ヤツの凄さがじわじわわかってきました。

  6. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    ロリス・カリウスとCBの連携がまだ不安定ですね。しばらくは、破壊力がある攻撃陣にセーフティリードを創っていただきつつ、ですね。

    Kさん>
    フィルミーノ、コウチーニョ、マネ、ミルナーが素晴らしかったです。強いですね…。

    Mackiさん>
    ベンテケは、相当モチベーションが高いのではないでしょうか。相手は「昨季・今季のプレミアリーグのクロス数No.1」ですので、サイドでコースを切りたいところです。

    YVGさん>
    スタリッジは、いずれ量産体制に入ると信じています。昨季も出場試合数は少ないながらも得点率が高かった選手ですので。

    nyonsukeさん>
    「トドメの3点目をきっちりとれる決定力にベクトルを向ける」→同感です。「ベンテケ保険」で、3発ぐらい先に決めておきたいですね(笑)

    プレミアリーグ大好き!さん>
    ワイナルドゥム、私もとてもいいと思います。守備やポジショニングを含めた総合的なサッカーセンスでは、コウチーニョを凌駕するのでは?と思ったりします。

コメントを残す