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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Bournemouth×Liverpool】1-3からの大逆転!マネを失ったリヴァプールが16試合ぶりの敗戦!

勝てばTOP10に食い込めるボーンマスと、勝ってチェルシーの背中につきたい2位リヴァプール。プレミアリーグ14節のゲームに、マティプの姿がありません。アウェイチームのCBはルーカスとデヤン・ロブレン、SBにナサニエル・クラインとミルナー。中盤にヘンダーソン、ワイナルドゥム、エムレ・ジャンが並び、3トップにフィルミーノ、オリギ、マネ。コウチーニョ不在の前線に起用されたオリギは、プレミアリーグとEFLカップで貴重なゴールを連発しています。直近5試合を1勝1分3敗と停滞気味のボーンマスは、アーセナル戦の前半に見せたスピーディーなパスサッカーができれば、レッズを苦しめることができるでしょう。

キックオフから、さっそくリヴァプールペース。ナサニエル・クラインのアグレッシブな攻め上がりに、ボーンマスはゴール前に引かされています。11分、右SBのアーリークロスに飛び込んだオリギは、足に当てながらも左に逸らしてしまいました。ゴール前が厚いレッズの攻撃陣をひとたびフリーにすれば、容赦なく決定的なシュートを喰らうでしょう。16分にはエムレ・ジャンがヘッドで落としたところをフィルミーノがボレー。DFに当たり、GKボルツは体を張らずにすんだものの、ボーンマスの守備陣はパスの出どころを抑えなければやられてしまいそうです。

20分、攻め続けていたリヴァプールがあっさり先制しました。エムレ・ジャンが最前線に浮かしたボールをコントロールしたのはサディオ・マネ。ボルツの目の前で軽くタッチしてコースを変え、今季プレミアリーグ7ゴールめを流し込みます。レッズの勢いは止まらず、3分後に追加点。自陣でアーターからボールを奪ったマネがヘンダーソンに預けると、縦パスを受けたオリギがゴールマウスから飛び出したボルツをワンタッチで抜き去り、角度のないところから無人のゴールにシュート。絶好調のベルギー代表FWは、3戦連続のゴールを決めました。0-2となり、自陣に引いてボーンマスの攻撃を受ける時間が増えたレッズですが、マネとオリギのシンプルなカウンターは脅威です。

ボーンマスが決定機を創ったのは36分。ジャック・ウィルシャーが右から上がったスタニスラスにスルーパスを通すと、中に折り返したボールはロリス・カリウスが体に当ててCKに逃れます。前半は0-2。鮮やかにカウンターを決めたレッズがリードしているものの、2点めを獲ってから引いているのが気になります。マティプがいないなかで、ゴール前での攻防を増やさないほうがいいでしょう。最初の25分に見せた攻撃を続けるのが、ボーンマスを沈黙させる最良の手段なのではないでしょうか。

エディ・ハウ監督は、後半頭からジョーダン・アイブを投入します。元気を取り戻したボーンマスですが、攻めに転じた矢先の55分、スタニスラスの負傷リタイアというアクシデントに見舞われます。ところが、急遽呼ばれたライアン・フレイザーが、入ってすぐに素晴らしい仕事をしました。ルーズボールをミルナーと競った22歳のストライカーは、足を引っかけられてPKを獲得。カラム・ウィルソンがロリス・カリウスの逆を突き、ホームチームは1点差に迫ります。勝負はわからなくなりましたが、ボーンマスは左サイドの守備がネックです。62分にナサニエル・クラインにミドルを許したナタン・アケは、63分にもジョーダン・アイブと2人でマネを囲みながら翻弄されてしまい、落としを受けたエムレ・ジャンに強烈なダイレクトショットを決められてしまいます。

69分、ララナ復活!と、喜んではいられません。ピッチを去ったのは、足を痛めて倒れ込んでいたマネです。チームのリーディングスコアラーが次戦以降出られなくなれば、攻撃力は確実に落ちてしまうでしょう。この直後にジョーダン・アイブが左サイドを突破し、こぼれ球に走り込んだライアン・フレイザーのボレーはロリス・カリウスがセーブ。エディ・ハウ監督がゴズリングに代えてアフォベを入れると、76分にボーンマスがカウンターから2点めを奪います。ライアン・フレイザーのスルーパスで右サイドを疾走したカラム・ウィルソンが折り返すと、エムレ・ジャンもヘンダーソンもカットできず。冷静にトラップしてゴール右に蹴り込んだのは、これがプレミアリーグ初ゴールのライアン・フレイザーでした。その2分後、ボーンマス、同点!ウィルシャーのパスで右から上がったのはライアン・フレイザー。後ろに出たクロスを足先でトラップしたクックが反転して放ったシュートを、ロリス・カリウスは弾き出せませんでした。

ライアン・フレイザーの登場とマネの負傷で、世界は変わりました。右サイドを制圧できなくなったレッズは左右のサイドとも押され、アフォベやカラム・ウィルソンの突進にもうまく対応できていません。81分にアフォベが2人をかわしてゴール前に持ち込んだピンチは、ロリス・カリウスがビッグセーブ。91分のCKで、デヤン・ロブレンが競り勝ったボールを狙ったオリギのボレーが枠にいっていれば、レッズが勝っていたでしょう。しかし、最後に待っていたのは逆のドラマでした。93分、ロングスローのクリアをジョーダン・アイブがクックに落とすと、ゴールを決めてテンションが上がっていた3番が、思い切りのいいロングシュート。ロリス・カリウス痛恨のファンブル、詰めたのはナタン・アケ!ボーンマスが大逆転でリヴァプールを下し、プレミアリーグ10位に浮上しました。

こんな試合はなかなか観られるものではありません。ホームチームが2-3としてからの20分は、レッズが圧倒していた前半とは別なゲームになってしまいました。カードを2枚も残していたクロップ監督は、一気に2点獲られて追いつかれてしまったために、クラヴァンやアルベルト・モレノで後ろを固める手を使えなくなってしまったようです。プレミアリーグでいちばん走るチームであるリヴァプールは、最後までプレスをかけ続けたボーンマスに走り負けており、敗戦の予感が色濃く漂っていました。マネがいてくれれば、ジョーダン・アイブとナタン・アケに攻め込まれることはなかったでしょう。リヴァプールは、16試合ぶりの敗戦で3位に転落。攻撃の軸となる右ウイングのリタイアと勝ち点ゼロは、ダブルで激痛です。

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“【Bournemouth×Liverpool】1-3からの大逆転!マネを失ったリヴァプールが16試合ぶりの敗戦!” への4件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    前後半違ったチームになってしまいました。ハウ監督からの激がとんだであろうボーンマスの後半は素晴らしかったです。やはりこのチームは侮れません。さて、レッズはPKで一度おかしくなった流れをチャンのゴールで引き寄せましたが、マネがいなくなるとこうも変わってしまうものなんですね、、、。今回は自滅でしょうかね、、、。いい勉強になったと思います。マティプやマネの状態が心配ですが、チームは下を向く事なく次節に臨んで欲しいです。

  2. COYS より:

    ロスタイム5分の表示を見たときのハウとクロップの対照的な表情が終盤でのそれぞれのチームの勢いや心理状況を物語っているようで印象的でした。
    ボーンマスはフレイザー投入後、縦へのボールを多用し早い攻撃を仕掛けるようになりましたが、フレイザーの走力を生かす戦術変更がピタリとはまりましたね。
    アクシデントによるスクランブルの選手交代だったと思いますが、投入する選手の特徴に合わせて戦術を切り替えたハウとそれを忠実に実行したピッチ上の選手たちは素晴らしかったと思います。
    リヴァプールはリードを守るべくセーフティに試合を進めるのかさらに追加点を狙って試合を終わらせにくのかはっきりしないうちにボーンマスの勢いに飲まれてしまいましたね。

  3. シティふぁん より:

    ボーンマスは楽しませてくれますね。
    アーセナル戦でも怖かったですし、このまま
    強くなっていけば面白いです。ウィルシャーも
    頑張ってくれているみたいだし、一皮むけて
    アーセナルに帰ってきてほしいです。

    —–
    リバプールの試合で退屈することがほとんどないですね
    安定感があれば優勝できると思いますが
    良い調子が続く思うと今日のような試合結果になることがありますよね

  4. ヤンガナ大好き! より:

    ウィルシャーの調子はどうかなあ、と思い観戦しました。前半終了時点で0-2となり、ウィルシャーの元気な姿を確認できたし、試合は決まったと思い床につきました! 
     朝、起きてから結果をみて驚きマコトさんの記事とハイライトを観ましたが、ボーンマス、本当に素晴らしい粘りで逆転しましたね!よく考えてみると、レッズは守備の要マティブと攻撃の起点となるコウチーニョがアウト、更にベンチメンバーが若手主体だったことも大きかったかなと思いました。

    ウィルシャーのプレーを改めてみると攻守に生き生きとプレーしており、視野もかなり広がった印象です。あんなに楽しそうにプレーするウィルシャーを観るのは本当に久しぶりな気がします。ハウマジックで小さな街の小さなスタジアムが最高に盛り上がってましたね。

    これで今シーズンのプレミアは戦国時代に突入の予感です!もう少し粘ってライブ観るべきでしたあ!

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