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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【MAN.CITY×Arsenal】ペップ、お見事!的確な采配で追いついたマン・シティが逆転勝利!

負ければチェルシーの背中が遠のくサバイバルマッチ。プレミアリーグ17節の最注目カードは、エティハドで開催されるマンチェスター・シティVSアーセナルです。アグエロとフェルナンジーニョを出場停止で欠いたホームチームは、トップにスターリング、中盤にはヤヤ・トゥレ、ダヴィド・シルヴァ、フェルナンド。左右に入ったデブライネとレロイ・サネは、サバレタやクリシーとともにサイドを攻略するのがミッションです。一方、アウェイのアーセナルは、ベジェリン、コシールニー、ガブリエウ、モンレアルと予想通りの最終ライン。ジャカとコクランの2センターに、ウォルコット、エジル、イオビが2列め。最前線にはプレミアリーグ12ゴールと得点王争いに顔を出しているアレクシス・サンチェスです。ここ2年は、アーセナルが2勝2分と負け知らずの対決ですが、カウンター狙いに徹してくるであろう相手を、ペップのチームはどう崩すのでしょうか。

マンチェスター・シティの圧倒的な攻勢でゲームはスタート。アーセナルは前からプレスをかけるものの、パスコースを切れずに一気にゴール前に戻らされます。しかし、5分に先制したのは速攻を仕掛けたガナーズでした。右サイドのベジェリンからパスを受けたのはアレクシス・サンチェス。7番を追い越して中央に走り込んだウォルコットへのラストパスは、オタメンディに触らせず味方に届く素晴らしいボールでした。目の前にはブラボだけ。サバレタのスライディングは間に合わず、ウォルコットは冷静に右足インサイドで流し込みます。好調なサイドアタッカーは早くも今季プレミアリーグ8ゴールめ。0-1となると、ホームチームがすかさず反撃に入ります。ヤヤ・トゥレ、クリシーとつながったボールがデブライネに渡ると、左足で浮かしたクロスにフリーで飛び込んだのはスターリング。同点かと思われたヘディングは、外に切れてしまいました。

10分のデブライネのFKは、ヤヤ・トゥレのヘッドが左にアウト。サイドを制圧するマンチェスター・シティが完全に試合を支配していますが、アーセナルの最終ラインは集中力が高く、フィニッシュの手前でチャンスの芽を摘んでいます。黄色いユニフォームが全員自陣に引きこもった22分、デブライネの右足ミドルはバーの上。攻め続けるマンチェスター・シティは、ラインの裏に通そうとするパスが決まらず、コシールニーやチェフにことごとくカットされます。31分、ガブリエウのクリアがベジェリンに当たって自らのゴールを襲いますが、チェフがダイビングキャッチ。アーセナルが久々に逆襲に入った36分、モンレアルのクロスをウォルコットがヘッドで合わせますが、惜しくも左のポストの外を抜けていきます。

38分にはまたもアーセナルのチャンス。ウォルコットが右から中にドリブルで進み、アレクシス・サンチェスに預けると、7番はすかさず左のイオビに展開。クロスをダイレクトで叩いたエジルのボレーがブロックされると、後ろからフォローしたベジェリンのシュートはブラボの頭上を越えていきます。攻め疲れたか、マン・シティ。42分、右サイドを突破したレロイ・サネがニアに入れた速いボールは、味方が触れません。デブライネのCKを叩いたヤヤ・トゥレのヘッドはチェフの正面。前半はこのまま0-1、狙い通りという言葉は、先制してカウンター狙いに徹したアーセナルにふさわしいでしょう。ハーフタイムにペップがサバレタをサニャにチェンジしたのは、負傷か、あるいはサイドのリスクを気にしたのか。後半開始早々の47分、一瞬の隙を突いたマンチェスター・シティが同点に追いつきます。

チェフのゴールキックをハーフラインで奪ったホームチームは、中央のダヴィド・シルヴァにボールをつなぐと、ラインの裏に走ったレロイ・サネに絶妙の浮き球が通ります。チェフと1対1となった20歳は左が空いているのを確認し、プレミアリーグ初ゴールを冷静に流し込みました。ここから先は、前半同様のマン・シティペース。デブライネが再三にわたって右サイドからアタックするも、ニアを締めるガナーズの守備にはね返されます。61分、ハーフラインを越えたあたりから始まったショートカウンターは、デブライネが縦に出したスルーパスがサネに通りますが、1対1は間合いを詰めたチェフが落ち着いてブロック。攻めて攻めて攻め続けるマン・シティを、ガナーズがこのまま完封できるとは思えません。

65分、ヴェンゲル監督はイオビに代えてチェンバレン。劣勢の左サイドを押し返したいのでしょう。69分にはデブライネの強烈なシュートをチェフがセーブ。すると71分、待望の勝ち越しゴールを演出したのは、左サイドから見事なサイドチェンジのボールをスターリングに通したデブライネでした。中に斬り込んだスターリングがモンレアルをかわして左足を振り抜くと、ここまで耐えていたチェフはニアを破られました。75分、ヴェンゲル監督はコクランをジルーに代えて同点をめざします。ペップはレロイ・サネをヘスス・ナバス。ダヴィド・シルヴァが入ったばかりのヘスス・ナバスをフリーにした76分のチャンスは、ニアに入ったデブライネが高速クロスに触りますが、惜しくもポストの外を叩きます。

エルネニーとチェンジしたのはチェンバレン…。直前にピッチを歩くだけになり、座り込んでしまった15番はプレイ続行不可能のようです。アーセナルは決定機を創れず、ジルーは2回ほどヘディングで競っただけ。82分にエジルの絶好のパスを受けたウォルコットがクロスをキックミスすると、その後はアウェイサポーターが沸くシーンはありませんでした。ペップらしいなと思ったのは、追加タイムの過ごし方です。前線からの強烈なプレス!確かにパスコースを抑えるのは効果的ではあるのですが、疲労が溜まった時間帯は引いてスペースを埋め、マイボールをキープするのが普通の監督の発想です。最後まで追いかけて時間をつぶしたペップのチームが、逆転で勝ち点3をゲットしました。

ペップが後半から右にいたレロイ・サネと左のデブライネを入れ替えたのは、徐々に脅威になりつつあったベジェリンにドリブルが冴えていたサネをぶつけたかったからと見ていたのですが、この采配が見事に的中しました。アーセナルは後半の入り方がまずく、戦い方が曖昧でした。ラインを上げるなら、ダヴィド・シルヴァとデブライネという危険なパスの出どころを抑えにいかなければならず、それをしないなら後方に引いてスペースをつぶすべきでした。

以前にコメント欄に書いたのですが、カウンター狙いに徹するなら、ジャカよりもエルネニーだったのではないかと思います。巧みなポジショニングでパスコースを切る動きができるセントラルMFが最初からいれば、アーセナルはもっと落ち着いて戦えたのではないでしょうか。いずれにしても、先制点の後の85分を枠内シュートゼロでは、この結果もやむをえません。スターリングのトップ起用、サイドでの駆け引きと、ペップの采配が光った一戦でした。

アーセナルは、2戦連続の逆転負けでプレミアリーグ4位に転落。チェルシーとの差は9に広がりました。同点ゴールのシーンでデブライネもサネもチェックしていなかったガブリエウを見るにつけ、入団以来無敗のムスタフィの不在がとにかく残念です。

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“【MAN.CITY×Arsenal】ペップ、お見事!的確な采配で追いついたマン・シティが逆転勝利!” への8件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    いつも楽しく読ませて頂いています。

    今回の敗戦は色んな意味でショックでした。
    もちろん、ムスタフィ不在は痛かったですが、それ以上に選手の質でも戦術面でも力負けしたことが痛い…。
    サンチェスのFW起用が当たったとはいえ、攻撃でも守備でも強烈な強みがないのは変わらずで、
    今後の首位争いにあまり光が見えてこないのが憂鬱になります。

  2. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    このゲームは楽しみにしていた一戦でした。
    前半早々ウォルコットのゴールでガナーズペースで行くと思いましたが、決めるべく時に決めないとやはりゲームはひっくり返されてしまいますね。
    ガナーズも連敗ですね。こうして見るとチェルシーの強さが際立ってきました、、、。

  3. 田仲 より:

    また失点しましたが勝てたことはとても大きいです
    下との勝ち点差が少なくて怖かったですから
    デブライネからスターリングのゴールは2人とも素晴らしいですね
    ヤヤトゥーレが予想以上に貢献していて驚きました
    これもペップのおかげなんですかね?

    —–
    この試合は監督の采配の差が出ました。
    試合中の戦術やフォーメーション変更が主流になりつつあるのに対して、ヴェンゲルは選手任せのワンパターン交代。毎年同じことを繰り返している辺りにタイトルが取れない大きな要因な気がします。

  4. ひろと より:

    チェフが素晴らしい、ムスタフィが素晴らしいのは間違いないのですが。。結果と現状が矛盾していた点として、なんだかんだアーセナルは公式戦10戦以上クリーンシートが無いんですよね。。。それが修正できないと、チェルシーの背中が遠ざかってしまいそうで。
    リードしている時の試合運びがもう少しどうにかならないものかと思います。
    (とはいえ、いつでも前がかりなアーセナルこそに魅力があるんですよねえ。悩ましい。。)

  5. 和貴 より:

    いつもブログ拝読楽しく拝読しています。エジルがバテバテに見えました。エジルoutジルーinのサンチェスとの2トップも機能しそうなんですけど、頑なにシステム変えないですね。この残念な連敗を見て11月が舞い戻ってきた感覚になりました。

  6. トマシュ より:

    ガナーズ、この二連敗は痛いです。何れも昨年まで得意にしていた相手にやられましたあ。おっしゃるようにジャカの立ち位置、役割が曖昧で、しかも左足を完全に狙われてましたね。おっしゃるように引いて守るなら、三人のボランチの中で一番足元が上手いエルネニーの方がよかったかも知れません。後半はまともにフィード出来てませんでしたあ。

    強豪との一戦はマッハベジェリンの突破力に活路を見出だしたかったのですが、後半は完璧に抑えられてました。ペップさんは相手の弱点をついてくるのが本当に上手いですね。

    それにしても後半の入り方、また、後半の闘い方、完全に失敗したと思います。シティのゼロトップフォーメーションにガブリエルが完全に振り回され、やりたいサッカーを逆にやられた感が強いです。

    ホームに戻って出直すしかないですね!ロングフィードが出来て、危機察知能力の高いムスタフィが早く戻ってくるまで、建て直しと適格なローテーションが必要だと思います!

    —–
    ムスタフィの不在と連敗は無関係ではないでしょうね。
    2試合とも負けにふさわしい内容でした。

    上背と体格、展開力と強烈なミドルを見てしまうとジャカには期待したくなるのですが、守備での貢献が全く見られません。なんとかならんかな・・・。

    それとここにきての怪我人。ここ数年改善傾向にはありますが、負の連鎖が怖いです。

    やはりチェルシーとの差はここでしょう。チェルシーが主力の怪我でタイトルを逃がした記憶がありません。主力固定といいますが、むしろCLなし日程ですからコンディションを維持するのに丁度いいんじゃないでしょうか。ただでさえあそこのフィジオ優秀なのに・・・。コスタやアザールが肝心なところで離脱するイメージがわきません。

  7. makoto より:

    いつもありがとうございます。

    アーセナルは前半は良かったのに後半ボールロストが多すぎましたね。疲れなのかミスが多くリズムに乗り切れない感じでした。
    シティは運動量が勝ってましたね。
    中央のヤヤが効いてましたし。
    デブルイネの決勝点のサイドチェンジのクオリティにはしびれました。

    これで優勝はなんとなく3チームに絞られた感じですかね〜。まだ早いか。

    —–
    プレミアリーグ大好き!さん>
    引くならきちんと引いたほうがよかったですね。エジルが機能していないのが気になりました。

    Mackiさん>
    「1超5強」ムードになってきました。チェルシーはどこが止めるでしょうね。

    シティふぁんさん>
    ヤヤのモチベーションが高いですね。ペップが相当ポジティブなことをささやいているのではないでしょうか。

    田仲さん>
    よく見ると、試合中にフォーメーション変えてるんですけどね…。後ろの枚数が変わらないので、他クラブほどのインパクトはないですが。

    ひろとさん>
    失点が減らないですね。前でしっかりプレスをかけられなくなっていること、奪われた直後に奪いにいけなくなっていることが気になりました。

  8. makoto より:

    和貴さん>
    エジル、残念でしたね。こういう展開では、2トップはありですよね。

    ヤンガナ大好き!さん>
    同感です。ペップはさすがでしたね。ムスタフィの早期復帰を祈りたいですね。

    トマシュさん>
    おっしゃるとおり、チェルシーのメディカルは監督が誰でも負傷者を出さないですよね。CLが再開してハンデ戦となる前に、チェルシーには追いついておきたいところです。

    フットマンさん>
    後半のマン・シティの運動量にびっくりしました。まだ「4強」といってもいいんじゃないですかね?

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