【Tottenham×Chelsea】エリクセン&デル・アリのホットラインで、チェルシーの連勝はストップ!
最初のチャンスはチェルシーでした。5分、右サイドにいたマティッチが、アザールが空いているのをみて逆サイドにロングフィード。プレミアリーグ6アシストのレフティのボールは正確でしたが、トラップを入れてクロスに打ったアザールの左足ボレーは、ポストの右に逸れてしまいました。スパーズの最初のチャンスは10分、左からドリブルで斬り込んだのはデンベレ。チップキック気味に出した裏への短いパスは、ハリー・ケインの目前でクルトワに捕られてしまいます。スパーズは前線から厳しくプレスをかけて速攻をもくろみ、ブルーズは自陣に引いて縦1本のカウンター狙い。19分、左サイドから入れたエリクセンのクロスは危険なボールでしたが、チェルシー守備陣が落ち着いてさばきました。22分のチェルシーのカウンターは、ジエゴ・コスタとペドロの息が合わず。直後、敵陣でインターセプトに成功したワニャマはミドルを右に外し、エリクセンがドリブルで持ち込んだ23分のチャンスは、左隅を狙ったシュートがポストすれすれでした。
36分、左サイドに出たアザールからジエゴ・コスタにラストパス。ボックスの外とはいえ、プレミアリーグ得点王がフリーになったシーンに思わず息を飲みますが、フィニッシュは高く浮いてしまいます。39分、右からのFKをダニー・ローズがファーに上げ、エリック・ダイアーがヘッドで折り返すとクルトワがセーブ。前節のプレミアリーグで、ストークがクラウチにボールを集めて2点奪ったように、ハイクロスの落としを狙うのはチェルシーに対する有効な攻め方のひとつでしょう。46分、チェルシーの守備がわずかに綻びを見せました。エリクセンがクロスを上げた瞬間、ヴィクター・モーゼスがひとり残ってしまい、デル・アリがフリーでヘディングシュート。名手クルトワも、絶望的な弾道に手を伸ばすのが精一杯でした。両チーム通じて唯一の枠内シュートが決まり、前半は1-0。後半の興味は、マンチェスター・シティ相手に1-0から逆転したチェルシーの3トップが火を噴くかどうかです。
後半開始から、チェルシーが猛攻を仕掛けます。47分、ボックス手前で右足を振り抜いたジエゴ・コスタのシュートは、ロリスが右に飛んでセーブ。1分後、ジエゴ・コスタが競ったこぼれ球をマルコス・アロンソがヘッドで前線に送ると、飛び込んだアザールが頭でプッシュしたボールはぎりぎりで枠を外れます。53分のマティッチのロングシュートは、ロリスの頭上。ラストパスを通せず耐えていたスパーズは、55分に前半と同じコンビで追加点をもぎ取りました。右からのエリクセンのクロスは背筋がぞくっとする素晴らしいボール。ファーに入り込んだデル・アリのヘッドは、右のサイドネットに突き刺さる完璧な一撃でした。諦めずに攻めるチェルシー。59分のマルコス・アロンソのクロスは、ペドロのヘディングに力がありません。
ワニャマとデンベレを中心に、ペースをスローに落とし始めたトッテナム。65分、コンテ監督はマルコス・アロンソをウィリアンにスイッチ。ウィリアンはそのまま左のウイングバックに入るようです。チェルシーのクロスとシュートは、アルデルヴァイレルトとフェルトンゲンがコースに入ってことごとくはね返します。74分、ポチェッティーノ監督は、走り回ったデンベレに代えてハリー・ウィンクス。76分のエリクセンの直接FKは、左に切れてしまいます。残り10分、コンテ監督はカンテをセスクに代えて勝負です。さらに85分にはヴィクター・モーゼスをバチュアイ。ポチェッティーノ監督は、デル・アリを下げてシソコを投入し、前からのチェイシングを強化します。
トッテナムの試合運びは完璧でした。混戦はあれど決定機はないまま、追加タイムが4分と示されました。ポチェッティーノ監督は走れと念を押すように、ハリー・ケインをソン・フンミンにチェンジ。ホワイト・ハート・レーンにチャントがこだまし、チェルシーのプレミアリーグ連勝記録が潰える瞬間と、プレミアリーグ最少失点チームが入れ替わる瞬間が同時にやってきました。3-4-3のミラー戦略も、ワニャマ+3CBで相手の3枚を抑える守備戦術も、左右のサイドの裏にロングボールを入れて拠点を作る攻め方も、エリクセンの正確なフィードも、デル・アリの前線への飛び出しも、ワニャマとデンベレの中盤の仕切りも、アルデルヴァイレルトとフェルトンゲンのポジショニングも見事でした。
チェルシーの攻撃は、決して悪くはなかったと思います。後半頭からの猛攻は、さすが首位チームとうならせる迫力でした。強いていえば、足りなかったのはクロスの精度でしょうか。いや、今日はスパーズの守備をまっすぐリスペクトするべきでしょう。マンマークに長けたCBたちに、あれだけ的確なポジションを取られれば、簡単に崩せるものではありません。一方で、守備には課題が残りました。ダニー・ローズのFKからエリック・ダイアーに折り返しを許し、エリクセンの絶品クロスでデル・アリが2回フリー。3-4-3を真似されるかどうかはわかりませんが、ハイクロスをトップに集める崩し方は、狙われるのではないでしょうか。この戦術に元より心得のあるWBAのピューリス監督や、アンディ・キャロルを擁するウェストハムのビリッチ監督、そしてもちろんズラタンを最前線に据えるモウリーニョ監督も、いいものを見せてもらったと喜んでいるのではないかと思われます。
ポチェッティーノ監督の大手柄で、今節負けなかったライバルクラブたちは一歩差を詰めました。チェルシーの次戦はイスラム・スリマニがいるレスター。月末からはリヴァプール、アーセナルとの連戦が待っています。プレミアリーグの優勝争いは、これからが本番です。
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今日のような試合をやってのけるスパーズにユナイテッドはよく勝ったなと
ポチェとスパーズはアスピの高さ不足、モーゼスの守備が上手いわけではないことを上手く利用しましたね~
非常に注目していた試合でした。
こんなにガッポリハマった戦術を見れて満足です!
見事に弱点を突かれました。。。
冬の補強はJTに変わる闘争心溢れる屈強なCBを一枚オプションとして手にしたいところです。
1対1に強く、運動量も豊富なデイブにモーゼスのポジションをやらせるのもはありなのではと個人的に期待しています。
ポチェが完璧に弱点を突いた素晴らしい試合でした。
ここの記事でも書かれていたようにストーク戦での失点パターンが
今回崩しの大きく参考になっていたのではないかと思います。
コンテがこの先どのような修正を加えていくかは楽しみですね
とにかくクラウチには感謝です。
エンゾンジの再上陸を望む さん>
右から左に狙ってボールを出してましたね。緻密でした。
おはむさん>
見事にはまりましたね。ポチェッティーノさんのサッカーは、やろうとしていることが伝わってきておもしろいですね。
アスピ(ryさん>
補強するなら誰ですかね。CBズマ、WBアスピリクエタをまずは見てみたいなと思いました。
すぱさぽぽさん>
そうですね。狙ってましたね。ダニー・ローズのFKで「いける」という手ごたえをつかんだのではないかと思います。
欲しいタイプとは若干違いますが、夏から移籍の噂のあったロマニョーリ。
ユナイテッドが狙っているファンダイク、ソクラテス、リュディガーあたりですかね?
ベンギブソンも悪くはないのですが少々値段が張るのであれば来期に戻るクリステンセンにかけたほうがいい気がします。
残念なことにJTが怪我なども含めて戦力外になってしまったので、デイブのポジション変更も含めてCBは補強したいです。
アスピ(ryさん>
なるほど。リュティガーはおもしろそうですね。ファン・ダイクを持っていかれたらお手上げです。クリステンセン、ドイツに残りますという話になったら残念ですね。プレミアリーグで観たいです。
非常に注目していた試合でした。
こんなにガッポリハマった戦術を見れて満足です!