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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Liverpool×Arsenal】圧倒的な前半、巧みに戦った後半。リヴァプールが不振のアーセナルに完勝!

エジル欠場、アレクシス・サンチェスはベンチ。2人ともいないアーセナルをプレミアリーグで観るのは久しぶりです。アンフィールドでガナーズを迎え撃つリヴァプールは、ヘンダーソンとデヤン・ロブレンを欠くものの、まずまずのスタメンでしょう。ナサニエル・クライン、マティプ、クラヴァン、ミルナーの最終ライン、アンカーにエムレジャン、左右にワイナルドゥムとララナ。3トップはマネ、フィルミーノ、コウチーニョです。アーセナルも後ろは盤石。GKチェフとベジェリン、コシールニー、ムスタフィ、モンレアル。ジャカとコクランが並んでチェンバレン、イオビ、ウェルベック。最前線にはオリヴィエ・ジルーが入っています。4分のガナーズの攻撃は、今日の狙いのひとつではないかと思いました。自陣からの速攻、チェンバレンがドリブルでまっずぐ上がって右に流したボールを、快足を飛ばしたベジェリンが縦に持ってファーを狙うクロス。ジルーの手前でカットされたものの、形は悪くありません。

しかし9分、先制はレッズでした。ミニョレのキックをコウチーニョがララナに落とすと、すかさず右に展開したボールを受けたマネが、高速グラウンダーをフィード。コウチーニョがスルーした裏でフィルミーノがノーマークになり、強烈なシュートにベジェリンのスライディングは及びません。1-0となると、完全なるリヴァプールペース。中盤の寄せが速いホームチームに対して、アーセナルは余裕がないパスミスが目立ち、サイドでの攻防に持ち込めません。20分、右サイドで粘ったチェンバレンが左足でファーにクロスを上げると、ジルーと競ったミニョレがパンチを空振りしますが、ボールはゴールの外に流れていきます。28分、右からのボールにワイナルドゥムが体を張って左のコウチーニョに渡すと、左足のミドルはチェフがビッグセーブ。35分に縦に速い仕掛けから、ボックスの角にいたマネが左足で狙いますが、力のないシュートは左に逸れていきます。

レッズの2点めは40分。左のミルナーからワイナルドゥム、フィルミーノとボールがまわると、マークがずれたガナーズ守備陣は、いちばん外にいた危険な男をフリーにしてしまいました。右足を振り抜いたのはサディオ・マネ!攻撃が機能していない今日のガナーズに、2点のビハインドはとてつもなく重く感じられます。44分、ララナのパスがカットされて宙を舞い、最終ラインの裏に落ちると、ムスタフィに競り勝ったコウチーニョが柔らかいトラップからシュートを放つも、チェフの正面にいってしまいました。前半は2-0。ヴェンゲル監督が何らかの手を打たなければ、点差が開くことはあっても追いつくことはないでしょう。後半のピッチには、プレミアリーグ得点王争いのトップにいるアレクシス・サンチェスの姿があります。コクランを下げたチームは、サイドで優位に立つことができるでしょうか。

48分、モンレアルのクロスがジルーの頭にピタリと合いますが、ミニョレが弾いたボールはクロスバーで跳ねて、チャンスは潰えます。50分、ボックス右でマネのパスを受けたフィルミーノは、見事な反転でシュートコースを開けますが、クロスに打った一撃は間に合ったモンレアルにブロックされてチェフがキャッチ。コウチーニョのFKが壁に当たり、こぼれ球を狙ったワイナルドゥムのシュートもアーセナルの守護神が確実に懐に収めます。レッズが押していたゲームは、57分に動きました。アーセナルの速攻。アレクシス・サンチェスの縦パスでラインの裏に抜けたのはウェルベック。ミニョレの飛び出しを見て浮かした左足のシュートは、最高の判断。2-1、これで勝負はまったくわからなくなりました。アーセナルが前がかりになると、マネとコウチーニョの怖さが際立ちます。縦に速いアタックは、ラストパスの精度が上がれば即、ゴールです。

74分、中央をしつこくこじ開けにいったレッズは、フィルミーノのシュートがバーの上に消えていきます。残り時間が15分になると、ヴェンゲル監督が勝負に出ます。ルーカス・ぺレスとウォルコットを入れ、ジルーとウェルベックがアウト。コウチーニョのFKに合わせたマティプのヘッドは、ボールをよく見たチェフが確実にキャッチしました。79分にクロップ監督がコウチーニョをオリギに代えると、その4分後のFKに反応したベルギー代表FWは、巧みなヘディングシュートを右のポストにぶち当てます。アーセナルは、いかんせんチャンスメイクの回数が少なすぎました。追加タイムに入り、アレクシス・サンチェスのサイドチェンジが右のベジェリンに通ると、グラウンダーをイオビが落としてアレクシスがシュート。これを防いだレッズが、カウンターから決定的な3点めを奪います。

センターサークル手前で見事なターンを披露し、右足アウトにかけたスルーパスをオリギに通したララナが秀逸。オリギのアーリークロスは、長い距離を走ってきたワイナルドゥムにぴったりでした。オランダ代表MFのダイレクトショットが、右のサイドネットに刺さって3-1。上位対決で無敗のリヴァプールがアーセナルに完勝しました。

前半走り回ったリヴァプールが終盤になって足を止めても、アーセナルは試合を支配することができず、思うようにシュートを打てませんでした。両者のいちばんの差は、コンディションだったのではないでしょうか。ヴェンゲル監督のスタメンに異を唱える方がいらっしゃるかもしれませんが、後半に登場したアレクシス・サンチェスも好調時の切れ味を欠いており、違うメンバーで戦ったも結果はさほど変わらなかったのではないかと思います。素晴らしいプレッシングサッカーで前半のうちに2点をゲットして主導権を握り、後半はうまく時間を遣いながら最後にカウンターを決めたレッズの完勝でした。豊富な運動量で中盤を支え、ゴールに絡んだララナとワイナルドゥムにとりわけ大きな拍手を送りたいと思います。1月末から2勝4敗と崩れたアーセナルは、心身ともにコンディションが悪そうなのが気がかりです。気持ちを切り替え、グーナーがスタンドを埋めるエミレーツでのバイエルン戦で、次につながるサッカーを披露していただければと思います。

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“【Liverpool×Arsenal】圧倒的な前半、巧みに戦った後半。リヴァプールが不振のアーセナルに完勝!” への5件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    またしても上位対決に素晴らしい結果を残しました。
    やはり前回のレスター戦が効いているかもですね。
    私はこのゲームチャンの出来が良かったことをあげたいと思います。ここまで出るゲームは悪い印象ばかりが目立つチャンでしたが、このゲームは違ってました。まだまだ昨シーズンの状態からすると物足りない点はありますが、このガナ戦は気持ち入ってましたね。こんなゲームを待ってました。
    ただ次節は難敵バーンリー。ビッグマッチロスのようなゲームにならない事を願います。

  2. K より:

    最近は上位相手の方がリラックスしてみれます。

    —–
    アンフィールドの綺麗な芝だと本当にみんな上手くトラップやパスの技術で完勝。今日の集中力が続くことを祈ります

    もっと大差をつけられると2-0から殴り続けてカウンター食らって失点した瞬間や
    ミルナーが何度も裏を取られた以外は全般的に内容で圧倒出来たのは良かったです

    チャンは久しぶりに良かっただけに2枚目のイエロー貰いかねない無駄で危険なタックルが…
    それまでの疑問だった判定が全部どうでもよくなるくらいあの判定は大きかったです

  3. nyonsuke より:

    更新お疲れ様です。

    ヘンドの穴は前線の5人で埋めればいいと言わんばかりの前半でしたが、後半足を止めた時はやはりヘンドがいればと思ってしまいました。
    しかしなんとか乗り切れたのは皆様のおっしゃる通りジャンが少しよくなったことと、私はララーナとジニの貢献だと思いました。
    特にララーナは献身的な走りとタックル、そしていつも声を出してチームを鼓舞している姿がMOMに値すると思いました。
    ヘンドの存在感を今日のように何人かの選手で埋めることができれば終盤戦期待が持てそうです。
    トップ6との対戦はシティ戦のみなので、課題である下位チームとの成績がCLか否かが決まります。
    次節のバーンリー戦が一つの試金石となりそうです。

  4. makoto より:

    Mackiさん>
    ですね。エムレ・ジャンをはじめ、レッズの選手が気持ちが入っていたので、ガナーズがナーバスな感覚が余計に強まりました。

    レッズサポさん>
    上位相手だと、最強モードにギアが入りますね。

    Kさん>
    ヘンダーソンというアンタッチャブルな選手の穴を埋めたというのは、余計に価値が高いですね。

    nyonsukeさん>
    まったく同感です。ララナが周囲を鼓舞してくれるのと、ワイナルドゥムが走るのを厭わないのは大きいですよね。アシストのひとつ前のパスなので目立ちませんが、ララナは先制とダメ押しで貴重な役割を果たしてましたね。

  5. シャーザー より:

    サンチェスは練習中チームメイトと口論して途中で練習をボイコットしたせいで先発じゃなかった可能性あるみたいですね
    報じてるところも信頼性が高いところなのでおそらく事実なのでしょう
    FA以外優勝できる可能性がない今のチーム状況にベンゲルやサンチェスの去就云々などを先の事考えると憂鬱になります

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