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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Crystal Palace×Tottenham】天才エリクセンのスーパーミドルで、スパーズはプレミアリーグ8連勝!

スパーズにとって、チェルシー、アーセナル、リヴァプールを次々と叩いたクリスタル・パレスは、ノースロンドンダービーやマンチェスター・ユナイテッドよりもやりにくいのではないでしょうか。チェルシーが勝ち点3を奪った直後、敗れればプレミアリーグ優勝が遠のくゲームとなれば、余計にプレッシャーがかかります。ポチェッティーノ監督は、ベストに近いメンバーを揃えてきました。GKロリス、最終ラインはエリック・ダイアー、アルデルヴァイレルト、フェルトンゲン。カイル・ウォーカーとベン・デイヴィスがサイドに張り、ワニャマとデンベレがセントラル。デル・アリとエリクセンの前にプレミアリーグ20ゴールのハリー・ケインという布陣です。対するアラダイス監督のチームは、ベンテケをターゲットにしてザハ、パンチュン、タウンゼントがサイドから仕掛けるサッカーを展開してくるはずです。きわどい勝負になったときの両者の切り札は、ソン・フンミンとヨアン・キャバイェです。

両者とも、立ち上がりから攻める姿勢を鮮明にしています。2分のスパーズのCKはハリー・ケインのシュートがDFの壁に阻まれ、7分に左から狙ったベンテケはオフサイド。8分にエリクセンからの浮き球を受けた10番は、ボックス手前からのミドルシュートを右に外します。14分に見せた攻撃が、クリスタル・パレスの狙いです。ヘネシーのロングパントにベンテケが競り勝ち、すぐ後ろにいたタウンゼントが中に持ち込むと、右に回り込んだベンテケにラストパス。右足のシュートは弱く、GKロリスが確実にキャッチしますが、空中戦でことごとく負けるようならプレミアリーグ最少失点チームも苦戦必至です。23分、左サイドに流れたエリクセンがベン・デイヴィスに落とすと、クロスに先着したママドゥ・サコのクリアを直接叩いたカイル・ウォーカーのボレーは大きくアウト。クリスタル・パレスが前線に出すロングボールにスパーズ守備陣は落ち着いて対応しており、ホームチームが先にゴールを奪う雰囲気はありません。

29分にエリクセンとのワンツーでボックス右に飛び出したのはカイル・ウォーカー。クロスがサコにカットされると、こぼれたボールを拾ったエリクセンのシュートはミリボイェヴィッチに足を出され、戻ったボールを直接打った2発めはヘネシーの正面です。セットプレー頼みのクリスタル・パレスは、ベンテケが競り勝ってもセカンドボールをキープできず、ザハのスピードを活かす形を創れません。38分、サコの速い縦パスを受けたタウンゼントは、ミドルを打ち上げてしまいます。前半は0-0ながら、完全なるスパーズペース。ハーフタイムにポチェッティーノ監督がワニャマとデンベレを下げ、ソン・フンミンとシソコ投入という勝負に出たのは、負ける心配よりもドローに終わる懸念のほうが強かったからでしょうか。

左にまわってきた危険なザハは、カイル・ウォーカーが体を張って止めています。後半もトッテナムが攻め、クリスタル・パレスは耐えてワンチャンスに賭ける展開。53分にハリー・ケインと競って足を痛めたサコのリタイアは、アラダイス監督にとっても相当痛かったでしょう。代わって入ったのはデラニー。ホームチームがスパーズの猛攻をしのぐ時間は、40分も残されています。

57分、エリクセンが左に展開したロングボールがソン・フンミンに届き、デル・アリとのワンツーで7番がゴールライン際に抜けると、ニアに戻したボールを打ったエリクセンのシュートはマッカーサーがブロック。右にまわったボールを中央に持ち込んだハリー・ケインの左足シュートはデラニーに止められ、カイル・ウォーカーの速いクロスに飛び込んだデル・アリのボレーは惜しくも右に切れていきます。62分、エリック・ダイアーがハリー・ケインを楔にしてエリクセンに落としたアタックは、左でパスをもらったデル・アリのシュートをヘネシーがキャッチ。2分後のカイル・ウォーカーのミドルも右に外れます。アラダイス監督は、マッカーサーに代えてキャバイェを投入しますが、試合の流れを変えるには至りませんでした。

どうしてもゴールがほしいスパーズは、77分にアルデルヴァイレルトが中央から突進。右サイドから入れたカイル・ウォーカーのクロスは左に流れ、ベン・デイヴィスが浮かしたボールを捉えたハリー・ケインのヘッドもGKの守備範囲です。この1分後、サイドからは崩しきれなかったトッテナムが、スーパーゴール1発でようやく先制します。ハリー・ケインからボールをもらったエリクセンからゴールまでは、25メートル近くあったのではないでしょうか。天才プレーメイカーが迷いなく右足を振り抜くと、ヘネシーが伸ばした右手の下でバウンドする絶妙の弾道を描いた一撃が、左のサイドネットに突き刺さりました。プレミアリーグ8ゴール12アシストというエリクセンの数字は、ライバルクラブのメスト・エジルを大きく上回っています。

マーティン・ケリーとデラニーを次々と抜いた82分のハリー・ケインは、最後のひとりに止められます。85分のCKは、クリアされたボールをベン・デイヴィスがヘッドで前線に送ると、残っていたアルデルヴァイレルトの左足ボレーは右にアウト。デル・アリをトリッピアーに代え、7分11秒という長い追加タイムをやり過ごしたポチェッティーノ監督のチームが勝負強さを発揮し、プレミアリーグ8連勝を決めました。

いやー、強い。トッテナムのスピーディーな攻撃に翻弄されていたクリスタル・パレスが負けるべくして負けた一戦でした。チェルシー&トッテナムと3位以下との最大の差は、連携のクオリティだと思います。味方に合わないラストパスが目立っていたアーセナルと、きわどいシーンを創り続けていたトッテナムを同じ日に観て、あらためてその思いを強くしました。35節のノースロンドンダービーは、試合後にスパーズ完勝のDVDが出まわるのではないかと予想しています。4月30日は、得失点差で大きく上回るトッテナムが、アーセナルの上でシーズンを終えることが事実上決まる記念すべき日になるのでしょうか。逆境に強いアーセナルが簡単に負けないような気もしつつ…。

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“【Crystal Palace×Tottenham】天才エリクセンのスーパーミドルで、スパーズはプレミアリーグ8連勝!” への3件のフィードバック

  1. シェンムー より:

    FA敗退、相手がパレスで例年のスパーズであれば躓いてる状況ですので不安でしたが杞憂に終わってひと安心!
    今のチームは昨季を教訓にして集中力を切らせず遂行していて、ファンとして成長を感じ取れるのがとても嬉しいです。

    そしてダイアーのマルチロールさには頭が下がります、彼が居るから3バックと4バックの戦術変更もスムーズにスイッチできますね…
    ですがダイアーは中盤で輝くと思いますがどうでしょう?
    ホワイトハートレーン最後のNLD、ぜひとも良い試合、結果を期待したいです。

  2. すぱさぽぽ より:

    好調パレスに対し挫折直後のスパーズということで不安でしたが不要な心配であったようです。
    これでプレミア以降でスパーズは最多勝ち点と勝利数を達成したようです。
    ポチェは間違いなくスパーズの歴史に名を残しました

  3. NORI より:

    難しい相手でしたが、さすがはリーグ最強DF、パレス攻撃陣を寄せ付けませんでした。

    エリクセンのゴールは非常にエレガントな一撃でしたね。
    威力、コースが完璧な上に、トラップからシュートまで無駄な動作がなく、ヘネシーの反応が遅れたのも無理はないと思いました。
    毎週エリクセンのスーパープレーが見られるのはとても幸せです(笑)

    状態的にはスパーズが明らかに有利ですが、ノースロンドンダービーは何が起きるか予想できないので今から楽しみです!

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