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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Watford×Liverpool】エムレ・ジャンの超絶オーバーヘッドで、リヴァプールが貴重な勝ち点3をゲット!

リヴァプールのミッションはシンプルです。残り4試合を全勝ならチャンピオンズリーグ出場権獲得決定。日曜日のアーセナルVSマンチェスター・ユナイテッドが引き分けもしくはアーセナル勝利なら、ドローOKに条件が緩和されます。プレミアリーグ35節は、敵地ヴィカレージ・ロードでのワトフォード戦。マネとヘンダーソンこそいないものの、ララナがベンチに復帰しており、より戦える体制が整いつつあります。GKミニョレ、DFナサニエル・クライン、マティプ、デヤン・ロブレン、ミルナー。アンカーにルーカス・レイヴァ、インサイドにワイナルドゥムとエムレ・ジャン、前線はフィルミーノ、コウチーニョ、オリギ。3-5-2で戦うワトフォードは、カプェ、ディーニー、ニアンで速攻を仕掛けてくるでしょう。開始早々に足を痛めたコウチーニョは、5分を過ぎてもまだ走れません。前に人数を割いているワトフォードのプレスが厳しく、レッズはビルドアップに苦労しています。

ああ、コウチーニョはやはりNGです。13分、仕上がったララナがピッチへ。この直後、敵陣でのインターセプトからフィルミーノが左サイドを完全に崩し、GKゴメスにブロックされるシーンがあり、リヴァプールはようやくエンジンがかかってきたようです。17分、今度はワトフォードのブリトスが痛んでカバセレにチェンジ。プレミアリーグも最終盤となり、選手たちには疲労が蓄積しているのでしょうか。21分、右からのパスを受けたエムレ・ジャンが、コースが空いたのをみて左足のミドルシュート。ゴメスに弾かれたものの、いい判断でした。

レッズがなかなかフィニッシュに持ち込めないのは、速いパスワークによる崩しがなく、サイドで勝負しないからでしょう。オリギやミルナーのクロスは味方に合わず、静かに時間が過ぎていきます。41分、前半で2番めのハイライトは、CKからゴメスのパンチをダイレクトで捉えたララナのボレーでした。左足を振り抜いた一撃は美しい弧を描いて、しかしクロスバーを直撃してピッチに跳ね返ります。

さらに上をいく見事なシュートでレッズが先制したのは、46分。ララナとオリギが右サイドの隙を窺い、諦めてルーカスに戻したところまではゴールの気配はゼロ。ルーカスが前線にボールを浮かすと、いつの間にかエムレ・ジャンが上がっており、素晴らしいオーバーヘッドが左のサイドネットに突き刺さりました。決めたエムレ・ジャンが脇目も振らずにクロップ監督の元に走っていくのが、リヴァプールです。前半は0-1。プレミアリーグ3位のクラブが、このリードを守り切れるかどうかがチャンピオンズリーグ出場権の行方を左右します。

48分、フィルミーノが倒されて得たボックス角からのFKは、ミルナーが直接狙うもゴメスがセーブ。53分に縦パスを受けて左から上がったオリギは、カバセレをかわして右足で巻いたミドルを放ちますが、これもゴメスがセーフティにCKに逃れます。57分、ナサニエル・クラインのロングフィードで、今度は右からオリギが抜け出しますが、シュートコースを限定されて右足の一撃はゴメスの正面。最初の15分で追加点を奪えなかったリヴァプールのパスワークは、スローに落ちていきます。68分、目標なきプレミアリーグ13位が、突如牙を剥きました。アムラバトのシュートはDFにカットされますが、カプェの強烈なミドルはゴール右に一直線。ミニョレが指先でバーの上に弾き出すビッグセーブを見せ、レッズのリードは変わりません。残り20分、ニアンとディーニーはまだ眠っています。

73分、カプェが下がってアイザック・サクセス登場。ワトフォードは3-4-3にシフトチェンジでしょうか。76分、レッズが自陣から仕掛けたカウンターは4対3となり、エムレ・ジャンのラストパスがララナに通りますが、トラップが乱れて追いついたアムラバトがクリア。83分のヤンマートのシュートは、虚を突かれたミニョレの反応が遅れるも何とか右に弾きました。オリギをスタリッジ、休み明けのララナをクラヴァン。ヴィカレージ・ロードは、ピッチもスタンドも勝負を争う雰囲気はありません。88分、ワイナルドゥムとのパス交換でマティプが上がり、ボックス右でゴメスと1対1になると、角度を失ったシュートはGKがブロック。90分に中央からするすると抜け出したスタリッジのシュートも、ゴメスが手に当てて左に逸れていきます。

ワトフォードが同点のチャンスをつかんだのは、終了直前の94分。クレヴァリーの右からのクロスをヤンマートが直接叩くとうまく当たらず、こぼれたボールはファーにいたプリョードルへ。渾身のボレーは抑えが効いたいいキックでしたが、クロスバーにヒットしてゴールはなりませんでした。0-1、会心の勝利とはいえませんが、ミッションコンプリート。リヴァプールがプレミアリーグ4位以内フィニッシュに向けて、1歩前進しました。

後半開始直後、あるいは70分過ぎからのカウンターで追加点を奪えていれば完勝でしたが、最後はヒヤヒヤの展開となりました。レッズの収穫は、エムレ・ジャンの好調、ララナの復帰、ミニョレの安定、そしてもちろん勝ち点3です。ロングクロスとカウンターしかなかったチームにおつき合いして、レッズらしからぬローテンションな試合をしてしまったものの、今日は結果オーライ。コウチーニョの軽傷を祈りつつ、アンフィールドのセインツ戦では怒涛のアタックを期待しましょう。

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“【Watford×Liverpool】エムレ・ジャンの超絶オーバーヘッドで、リヴァプールが貴重な勝ち点3をゲット!” への4件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    早朝のゲームにあのテンポでは前半は眠さの戦いでしたが、チャンのゴールで目が覚めました(苦笑)
    ルーカスのアシストがいつか思い出せないくらい新鮮でした。コウチーニョですが、本人のインスタ上では大丈夫宣言しているようなので、まずは安心しました。ポジティブな点はララーナの試運転がうまく行ったことと、最近ミニョレが安定していることです。アウェイで勝ち点3大きいです。

  2. makoto より:

    Mackiさん>
    ルーカスとエムレ・ジャン、どちらも素晴らしかったですね。ララナはこのチームに不可欠だとあらためて思いました。

  3. グッチ より:

    コウチーニョの怪我以外は中々に収穫のある試合でした。ルーカスのパスセンスが向上した気がして個人的に驚きです。

    プスカシュ狙えるでしょうか?

  4. nyonsuke より:

    更新お疲れ様です。

    大きな勝点3です。
    WBA同様、相手選手のモチベーションに助けられた試合かとも思いますが、レッズも満身創痍です。
    パレス戦同様、前線からのプレスがはまらず、引いた相手を崩せるパスワークができないのはララーナ、マネ、ヘンドの不在か、コンディションによるものか…。
    しかし、パレス戦と違いスパーゴールの1点を守りきれたのはよかったです。
    ここにきてのミニョレの安定には助けられます。
    この際、内容は悪くともCL権が取れれば御の字です。

    話は変りますが、ワトフォードのラフプレーには少し苦言を言いたいです。
    フェライニ、ジャカの記事でコメントできませんでしたが、プレーの数字云々ではなく私は自身のフラストレーションを相手選手に向けるプレーは見ていて悲しくなります。
    プレーの激しさがPLの醍醐味なのは否定しませんが、リスペクトに欠けるファイトは暴力以外の何者でもありません。
    リプレーでしか判断できませんでしたが、ディーニーのミニョレに対する足出しは紛れもない暴力行為で怪我がなかったからいいものの一歩間違えばミニョレは負傷していました。
    ここでフェライニの話題を蒸し返してファンの方には申し訳ないのですが、フェライニは試合の流れに関係なく、自身のフラストレーションでディーニーと同じように不必要なエルボー、タックル等をすることがあります。
    レッズファンであるから目につくのかもしれませんが、我がチームにもスアレスやジェラードなどフラストレーションをプレーにぶつけるタイプがいました。
    そこは擁護しませんしファンでありながら見ていてかなり悲しくなりました。
    ジェラード同様に彼も味方を鼓舞するファイターと仰る方もいるかもしれませんが、相手に怪我をさせる行為ではなく、正当なプレーでチームを鼓舞し、その結果数字と記憶に残る選手となってほしいと思います。
    この終盤、優勝争い、CL権争いをキープレーヤー抜きで観戦するのはあまりにも寂しく、日程等の議論もされていますが、ワトフォード戦をみてあまりにリスペクトに欠けるプレーが多く、悲しくなった次第です。
    長文失礼しました。

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