【Watford×Arsenal】天晴れマルコ・シウヴァ!攻めまくったワトフォードが劇的逆転勝利!
7分、ベジェリンのスルーパスで右から抜け出したラカゼットは、クロスをエルネニーに合わせられません。12分には右サイドの仕掛けから波状攻撃。中央に戻ってきたボールをジャカが素晴らしい判断で左のコラシナツに合わせると、ダイレクトの落としは微妙にずれてしまい、ウェルベックの手前でカットされます。ワトフォードで要注意なのは、再三左から突破を図っているドゥクレです。19分に中に入れた速いクロスは、ロベルト・ペレイラがヘッドをコントロールできずに右に流れていきます。プレミアリーグ4ゴールのラカゼットは、ここまでシュートがありません。
24分、右からのクロスにリシャルリソンが飛び込んだシーンは、ヒヤリとさせられました。ボールをもらいにいく動きが減ったアーセナルは、縦へのボールを入れられず、前線でしきりに裏を狙っているラカゼットの呼ぶ声に反応する選手はいません。29分のエルネニーのミドルは、バーをかすめて上に外れていきます。34分、中に斬り込んで2人かわしたベジェリンが左のラカゼットにパスを通すと、3人を引きつけて浮かした9番の秀逸なラストパスは、ボレーの体勢に入ったウェルベックの前でホレバスがクリアします。
39分、先制はアーセナル。ジャカのCKに反応したのは、クレヴァリーを振り切ったメルテザッカーでした。今季プレミアリーグ初出場のCBの完璧なヘディングシュートに、GKゴメスは一歩も動けず。これで余裕を得たガナーズは、42分に美しい速攻で決定機をつかみます。ジャカがボックス左に入ったウェルベックにパスを通すと、リターンをダイレクトで叩いた一撃はゴメスがセーブ。このボールが再度ウェルベックに渡り、中央にいたベジェリンに速いグラウンダーが通りますが、左足のボレーは右ポストの脇に切れていきます。前半は0-1で終了。後半に入ると、ワトフォードのポゼッションが増え、アーセナルは速攻狙いにシフトしています。
リシャルリソンがベジェリンをかわして右隅を狙った52分のシュートは、チェフがアウトと見切りました。ラカゼットがドリブルで上がったカウンターは、並走していたイオビにラストパスが通りません。58分にエルネニーが裏に出した素晴らしい浮き球は、ウェルベックとホレバスが競り合いDFの勝ち。59分、左サイドのホレバスがファーに入ったドゥクレに柔らかいクロスを上げると、チェフが手前で触ってシュートを許しません。60分、ウェルベックが足を痛め、メスト・エジル登場。マルコ・シウヴァ監督は、マリアッパとアンドレ・グレイを下げてディーニーとカリージョを投入します。
63分、エジルの完璧なスルーパスで左からゴールに迫ったイオビは、右隅を狙ったシュートをゴメスのビッグセーブに阻まれます。68分にはラカゼットに代わってジルーがピッチへ。コラシナツがイオビに縦パスを通して始まったカウンターは、イオビのスルーパスでGKと1対1になったエジルが正直すぎるシュートをGKにぶつけてしまいました。その直後、ベジェリンがリシャルリソンを引っかけたという厳しいジャッジを受けてPK。ディーニーが落ち着いて右隅に決め、ホームチームが同点に追いつきました。
やっかいなリシャルリソンは、75分にも左サイドから持ち込み、ニアにきわどいシュート。マルコ・シルヴァ監督が80分に切った最後のカードは、ロベルト・ペレイラをカプェです。83分、リシャルリソンのドリブルをコシールニーがゴールライン際でカットすると、リバウンドをディーニーが落としてカプェがダイレクトショット。メルテザッカーに当たったボールはチェフの動きと逆に転がり、入ったかと思われましたがポストに阻まれます。押されているアーセナルは、エジルやジルーにボールが届きません。
同点の85分にコシールニーをホールディングという交代は、おそらくアクシデントでしょう。92分、一方的に攻めていたワトフォードが、ついに逆転に成功しました。ホレバスのミドルがDFに当たり、ゴール前に飛び込んだディーニーのシュートはチェフがセーブ。こぼれ球を拾ったリシャルリソンのシュートはメルテザッカーが胸でブロックしますが、3人めのクレヴァリーは止まりませんでした。ディーニー投入と4バックにシフトというマルコ・シウヴァ監督の采配がはまり、ワトフォードが劇的な逆転勝利を決めました。
「イオビとエジルのいずれかが決めていれば、勝者はアーセナルだった」というのが一般的な戦評なのかもしれません。しかし、私が最も気になったのは、同点に追いつかれた後のアーセナルが完全に足が止まり、効果的な仕掛けがなくなってしまったことです。ジルーを活かせないという戦術的な問題もさることながら、CLで強豪クラブに押しまくられているかのように消極的になってしまったメンタルが最大の敗因に感じられました。攻めあぐんでいた80分前後の時間帯で、イオビをジャック・ウィルシャーにチェンジする策はなかったでしょうか。ベンチにいた選手のなかで、何かやってくれるという期待値がいちばん高かったのは、最近調子を上げている10番だったのではないかと思います。
ともあれ、同点で満足せず最後まで勝ち点3を奪いにいったマルコ・シウヴァ監督の姿勢と采配は天晴れでした。前線で体を張って攻撃に厚みをもたらしたディーニー、引いた相手のバイタルエリアで危険な存在となっていたカプェには拍手を送りたいと思います。アーセナルとプレミアリーグ首位との勝ち点差は9。厳しいギャップとなりましたが、次のエヴァートン戦でアウェイ初勝利を挙げ、ひとつひとつ勝利を積み上げていくしかありません。
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正直CFはラカゼットよりジルーのほうがいいと思うのですが。
ラカゼットじゃボールが収まりません。
ベンゲルはいつまで3バックをやり続けるのでしょうかね。
去年はうまくいきましたがチェルシーやスパーズの3バックと比較して完成度が低いのは否めませんし、4バックにしたほうがまだ安定すると思いますが。
更新ご苦労様です。
最後まで諦めず攻撃をする姿勢は観ていて面白く熱くなりました。このチームは案外この先厄介な存在のなるかもですね。
ホールディングをベジェリンの横に置き、メンタルズタボロのサンチェスとラムジーを出して前半で0-2にされると思ってました。自分の希望と実際のスタメンがほぼ一致したのはいつ以来でしょうか。
中下位チーム相手なので引き分けなんて半端な結果より負けてくれた方がよかったです。
それにしてもエジル・・・。あれはない。イウォビのはあっぱれゴーリーでしたけど、エジルのあれは。
ベジェリンも本当にDFとしての能力が低いです。ダイブとまでは言わないまでも見え見えのPK狙いにまんまと乗せられて。2年前の彼はもう戻って来ないかもしれないですね。
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runrunさん>
ラカゼットは、連携を取ろうとしている最中であり、プレミアリーグに慣れていないゆえ、というところもあるのではないかと思います。3バックについては、元々3枚で戦うためのチームづくりをしていない(CB獲得なしやチェンバレン放出など)ため、負傷者が出るととたんに厳しくなりますね。3と4を柔軟に使うなどの工夫があったほうがいいと思います。
Mackiさん>
ワトフォードは素晴らしかったですね。ドゥクレとリシャルリソンに熱くなりました。
トマシュさん>
決めていれば、逆の結果に持ち込めていた可能性大でしたね。ベジェリンのPKは厳しいジャッジだったなと思いました。
ホールディングをベジェリンの横に置き、メンタルズタボロのサンチェスとラムジーを出して前半で0-2にされると思ってました。自分の希望と実際のスタメンがほぼ一致したのはいつ以来でしょうか。
中下位チーム相手なので引き分けなんて半端な結果より負けてくれた方がよかったです。
それにしてもエジル・・・。あれはない。イウォビのはあっぱれゴーリーでしたけど、エジルのあれは。
ベジェリンも本当にDFとしての能力が低いです。ダイブとまでは言わないまでも見え見えのPK狙いにまんまと乗せられて。2年前の彼はもう戻って来ないかもしれないですね。
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いつも更新ありがとう、わかりやすい解説で読みやすいです
アーセナルの敗因は選手の疲労
代表戦の後、ベストメンバーが組めないなかで勝敗を分けるのは監督の戦術やモチベートする能力だと思うのですが…。3バックに変更した柔軟さをまた見せてほしいです。
トマシュさん>
エジルは工夫がなかったですね。ベジェリンは、4バックなら輝くのではないかと思ったりします。
はつるさん>
ありがとうございます。疲れてましたよね。
Davinciさん>
作戦負け、コンディション負けしてましたね。エヴァートン戦は必勝です。