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【Crystal Palace×Chelsea】波乱勃発!今季ノーゴールの最下位チームがチェルシーに2-1完勝!

昨季プレミアリーグ王者VS今季プレミアリーグ最下位。ブックメーカーで、開幕以来7試合ノーゴールで全敗のチームが勝つほうにベットしたのは一獲千金狙いの穴党だけだったのではないかと思います。ところが、いざ蓋を開けてみれば、ベンテケを欠いたチームがモラタとカンテがいないチームに2-1で勝ってしまいました。なぜ、チェルシーは敗れたのでしょうか。番狂わせの顛末を追いかけてみたいと思います。

クルトワ、アスピリクエタ、ダヴィド・ルイス、ケーヒル、セスク、バカヨコ、マルコス・アロンソ、ヴィクター・モーゼス、アザール、バチュアイ、ウィリアン。最終ラインにリュディガーがおらず、ペドロもベンチスタートなのは気になりますが、チェルシーの11人は決して悪いメンバーではありません。クリスタル・パレスはパンチュンが控えにまわり、アザールに負けないドリブルのスペシャリスト、ウィルフリード・ザハが復帰しています。

3分、いきなりクリスタル・パレスが決定機をつかみます。敵陣から出たボールをダヴィド・ルイスが取りにいくのを躊躇し、キープしたタウンゼントがドリブルで左サイドを突破。1対3では難しいかと思われましたが、ザハが中央から猛然とゴール前に走り込み、状況は一変しました。ゴールに背を向けてトラップしたザハは、振り向きながらケーヒルをかわして右足でシュート。これはクルトワが何とか足に当ててセーブしますが、ホームチームは手応えを感じたのではないでしょうか。6分には、ミリヴォイェヴィッチのスルーパスで左SBのファン・アーンホルトがゴールラインを抉り、グラウンダーを入れるも味方に通らず。8分にはハーフライン付近でインターセプトしたシュラップがタウンゼントを走らせ、中にいたザハがキャバイェに落としますが、タイミングが合わずにシュートに持ち込めません。

この勢いが、念願の今季プレミアリーグ初ゴールにつながったのは11分でした。右にいたマッカーサーが優しい縦パスでタウンゼントを走らせると、マイナスの折り返しは中央のキャバイェへ。先着したダヴィド・ルイスのクリアが7番の膝にヒットし、アスピリクエタに触ってコースが変わると、逆を突かれたクルトワは呆然と見送るしかありませんでした。まさかの1-0。リードされた後も攻めあぐんでいたチェルシーでしたが、18分のCKをフリーのバカヨコがヘッドで叩いて同点。これでプレミアリーグ王者のペースになると思いきや、今日のクリスタル・パレスはシンプルな速攻がうまく機能しています。22分には、マッカーサーからのパスを受けたザハが、ケーヒルの股間を通す強烈なシュート。CBの足に当たってポストの外に逸れてしたったものの、チェルシーサポーターが肝を冷やす一撃でした。

34分、バカヨコがヴィクター・モーゼスに展開し、ドリブルで縦に進んだWBがグラウンダーを入れると、マルコス・アロンソの決定的なボレーはウォードがつま先でカットしてCK。バチュアイのヘッドは浮いてしまい、チェルシーは追加点を奪えません。39分、ミリヴォイェヴィッチが中盤で粘り、タウンゼントに預けると、左足でカーブをかけたミドルシュートはバーをかすめ、10番は頭を抱えます。ヴィクター・モーゼスが足を痛め、右サイドにはザッパコスタ。セスクの浮き球をボレーで決めようとゴール前に迫ったアザールは、先に触られて不発に終わります。45分、クリスタル・パレスの今季初めての得点者として名を残したのは、ザハでした。お膳立ては、昨季プレミアリーグで残留の立役者となったママドゥ・サコ。ウィリアンに猛然と襲いかかり、敵陣で奪ったCBが目の前にいたザハに短いパスを送ると、11番はあっさりアスピリクエタを抜き去り、右隅に流し込みました。

46分、キャバイェの強烈なミドルはクルトワの正面。50分にミドルシュートがバーの上を叩いたセスクは、無念の表情を浮かべて天を仰ぎます。チェルシーのセントラルMFは、52分にもザッパコスタのクロスのこぼれ球に右足を振り抜きますが、ボールは枠に飛んでくれません。55分にタウンゼントとのコンビで右から突破したザハは、ニアでリターンを受けるも先に触れませんでした。コンテ監督は、57分にバチュアイを諦めてペドロ投入。CLとカラバオカップでは3試合6ゴールのバチュアイは、プレミアリーグでは未だノーゴールです。南米遠征疲れか、出来がよくなかったウィリアンが65分に下がってムソンダがピッチに入ると、直後のペドロの強烈なミドルはスペローニがセーブ。1年5ヵ月ぶりのプレミアリーグとなるGKは、クロスとミドルが多いチェルシーのアタックをうまくしのいでいます。

73分、セスクのCKに合わせたマルコス・アロンソヘディングはスペローニがビッグセーブ。ザッパコスタのグラウンダーに足を出したアザールは、一歩足りません。疲れが見え始めたシュラップは、75分にパンチュンに後を譲ります。チェルシーの攻撃は、ラインの裏へのロングフィードとミドルシュートがほとんどで、アザールやペドロの速さを活かす形が創れません。ホジソン監督がこのまま勝つと宣言したのは85分。キャバイェとマッカーサーを下げ、フォス=メンサーとリーデヴァルトで後ろを固めました。86分には、タウンゼントのミドルシュートをクルトワが弾き、リバウンドをファン・アーンホルトがフリーで叩く絶好のチャンスがありましたが、焦った左SBのシュートはポストの脇を抜けていきます。追加タイムには何も起こらず、2-1のままタイムアップ。ザハ、タウンゼント、サコ、キャバイェといった実力者たちが、持ち味を出し切った一戦でした。

カンテのカバーリングを欠いたため、CBがザハやタウンゼントと真っ向勝負となってしまう場面が目立ちました。ウィリアンは明らかにいつもの彼ではありませんでした。リュディガーがいれば、後ろはもっと落ち着いたのではないかと思われましたが、彼とペドロをベンチに置いたコンテ監督は、4日後のローマ戦を見ていたのかもしれません。チェルシーは集中力を欠き、アザールやセスクを中心としたアタックは淡泊でした。負傷者とコンディション不良の選手が多かったことが、プレミアリーグ最下位に敗れた最大の理由だったのではないでしょうか。ローマ戦の次の相手は、アーセナルを食ったワトフォードです。スタンフォードブリッジでのゲームとはいえ、チャンピオンズリーグ出場権内にジャンプアップした伏兵相手に今日のサッカーを繰り返せば、昨季は一度もなかった3連敗を喫することになるでしょう。首位とは9差。昨季王者は、ここが踏ん張りどころです。

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“【Crystal Palace×Chelsea】波乱勃発!今季ノーゴールの最下位チームがチェルシーに2-1完勝!” への6件のフィードバック

  1. 雨好 より:

    更新ありがとうございます。
    コンディションは厳しいとはいえ、今シーズンワーストの試合だったなと思います。特に書かれている様にタフさが相手よりもなく、球際の集中力も欠けていました。怪我人も新しく出てしまう等厳しい状況は変わらないですが、なんとか乗り切って貰いたいですね。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    チェルシーはラインコントロールから抜け出しでオフサイドじゃなかったのに 2-3回あの女性審判に誤審されてましたね
    正しければ1対1の場面だったんですけどね
    ちょっと線審のレベルが。。。残念ですね

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    チェルシーはやはり層の薄さが露呈する結果になってしまいましたね。
    ジエゴコスタ残留の上でのモラタ獲得、またはジョレンテが獲れていればこの結果にはならなかったと思います。

    バチュアイが悪いFWとはいいませんが優勝争いをするチームの第2FWとしては役不足感が否めません。

    次はCLのローマ戦ですがモラタとカンテを欠いたままなので厳しい感じがしますね。

  4. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    今シーズンずっと気になっていたパレスのゴールに初勝利。チェルシー戦ではなし得ないと勝手に思ってましたが、初ゴールが泥臭く決まり、追加点はザハが見事に決める。これがあるからサッカーは面白いですね。サコの奮闘はレッズサポとしては嬉しい限りです。パレスやっと1勝ですが次のニューカッスル戦これまたかつてのレッズ監督対決ですが、連勝出来るか大事なゲームですね。

  5. グッチ より:

    更新お疲れ様です。プレミアが手抜き不可能だと思い知らされました。CL見据えてTOすると最下位にだってやられかねない、恐ろしい限りです…コンテ監督はこのリーグの本当の難しさ、「国内と欧州の両立」について考えさせられるかもしれません。少数精鋭のスタンスなだけに重くのしかかるでしょう。

  6. makoto より:

    雨好さん>
    コンディションが悪そうでしたね。ここで置いていかれないようにしないといけませんえ。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    微妙なジャッジではありました。とはいえ、2点獲られてはいけない試合だったと思います。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    役不足ではなく力不足のほうですね?バチュアイはカップ戦では固め獲りしており、見限るのは早いのではないかなと思います。

    Macki さん>
    がんがん勝っちゃうかも?と思ったりします。

    グッチさん>
    負傷者が出ると一気に厳しくなりますね。ロフタス=チークかチャロバーは残した方がよかったと思います。

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