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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Tottenham×West Ham】シュート数28対3、しかし1-1…ハマーズを圧倒したスパーズ、無念のドロー!

ウェンブリーで開催されるロンドンダービー、プレミアリーグ21節延期試合のトッテナムVSウェストハムは、年明けのドローのなかでも楽しみな一戦でしたが、負傷者が多いハマーズ。勝てば4位リヴァプールに勝ち点1差に迫り、敗れれば6位アーセナルと1差しかなくなるスパーズは、現在のベストといっていい顔ぶれです。ロリス、セルジュ・オーリエ、ダヴィンソン・サンチェス、フェルトンゲン、ベン・デイヴィス、エリック・ダイアー、シソコ、エリクセン、デル・アリ、ソン・フンミン、ハリー・ケイン。フットボールの聖地に詰めかけたサポーターの後押しを受けた白いシャツは、序盤から完全にゲームを支配しています。モイーズ監督就任後のプレミアリーグ10試合を3勝3分4敗と復調気配のハマーズは、ワントップに2ヵ月の先発となるチチャリートを据えています。アルナウトヴィッチとマイケル・アントニオは不在で、アンディ・キャロルとアイェウはベンチスタート。攻撃の軸を失ったアウェイチームは、10分を過ぎてもほとんど攻めに出ることはありません。

13分、セルジュ・オーリエのクロスをニアでもらったハリー・ケインは反転して打ったシュートをDFに止められ、2分後にやはり右からのシュートでウィンストン・リードのオウンゴールを誘発したシーンはオフサイド。25分に縦パスで左サイドを突破したデル・アリは、中央のエースにラストパスを通せません。27分、ボックスのコーナーでデル・アリのパスを受けたのはハリー・ケイン。今季プレミアリーグで20戦18発のストライカーは、右隅を狙った一撃をアドリアンに弾かれてしまいます。直後、左からドリブルで突破したソン・フンミンの左足シュートもGKがセーブ。ハリー・ケインのポストプレーから右足で狙ったエリクセンのきれいなシュートは、わずかに右に外れます。スコアレスながら完全なるワンサイドゲーム。時折存在が確認できるチチャリートは、首をかしげたり肩を落としたりする姿が目立ちます。

デル・アリとのパス交換で中央から上がったエリクセンのシュートは、オグボンナに当たってバーを越えてしまい、前半は0-0。ハーフタイムをはさんでも流れは変わらず、トッテナムがハーフコートマッチを展開しています。ハリー・ケインのミドルしかなかったホームチームがチャンスを迎えたのは58分。右からゴールラインをえぐったデル・アリが空いていたソン・フンミンに折り返すと、強烈なボレーはオグボンナがブロック。60分、右サイドでオーリエの落としを受けたデル・アリが中に入れるとオグボンナがクリアし、リバウンドを叩いたエリクセンのボレーはウィンストン・リードが体を張ってストップします。65分、モイーズ監督はチチャリートを下げてアイェウ投入。プレミアリーグ4ゴールのメキシコ代表ストライカーは、今日は何もできませんでした。

70分、先制したのはここまでノーチャンスだったハマーズ。マスアクからパスをもらい、中を窺ったオビアングが軽く持った瞬間は、あれほど強烈なスーパーショットが放たれるとは思いませんでした。ダヴィンソン・サンチェスのチェックが緩いとみたオビアングは、すかさず右足一閃。ゴール左上を襲った素晴らしい一撃に、プレミアリーグ有数のショットスットッパー・ロリスも弾けませんでした。ポチェッティーノ監督は、74分にエリック・ダイアーとシソコを下げ、ワニャマとラメラ。82分にはベン・デイヴィスをジョレンテに代えて同点をめざします。すると2分後、押していたスパーズがようやくゴールを奪いました。ラメラのパスから右足のミドルを的確に決めたのは、ソン・フンミン。1-1としたスパーズは、勝ち点1では満足できません。

85分、モイーズ監督の最後のカードは、ランシーニをキャロル。直後、ハマーズが決定機をつかみます。マスアクのパスでボックスに入ったアイェウがダヴィンソン・サンチェスを抜き去り、ロリスと1対1。ここはGKの寄せが速く、アタッカーは左足シュートをブロックされてしまいました。この後スパーズが最後まで攻めましたが、追加タイムのミドル4連打はすべてDFにぶつけてしまい、勝ち越しはならず。タイムアップの瞬間、下を向いてしゃがみこんだソン・フンミンの姿が、この結果の意味を物語っています。

シュート数は28対3。終始攻めたスパーズは、中央を固めたハマーズ守備陣を崩しきれませんでした。彼らのアタックは、打つタイミングがわかりやすいミドルと単調なグラウンダーが多く、アウェイチームは見た目よりも守りやすいと感じていたのではないでしょうか。二次元でうまくいかなければ、ジョレンテ投入後に高さというバリエーションを意図的に増やし、競ったこぼれ球に殺到するといったオプションがあれば違う結果で終われたかもしれません。昨季プレミアリーグではホームで17勝2分だったチームは、ウェンブリーを間借りした今季は6勝4分1敗と苦戦中。月末のホームゲームでマンチェスター・ユナイテッドに敗れれば、2018-19シーズンのチャンピオンズリーグへのストレートインは一気に厳しくなりそうです。(ペドロ・オビアング 写真著作者/Egghead06)

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