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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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再び輝きを取り戻せるか…!? 現地紙が報じる「ウォルコット獲得バトル」をチェック!

アーセナルで12年過ごしたサイドアタッカーが、ついにチームを離れることになるかもしれません。セオ・ウォルコット、28歳。サウサンプトンのユースからプロデビューし、2005-06シーズンの冬のマーケットでアーセナルに入団した早熟のFWは、プレミアリーグのピッチに登場する前にイングランド代表としてプレイするという異色のキャリアの持ち主です。2006年ワールドカップドイツ大会の直前、ハンガリーとのフレンドリーマッチに出場した際の17歳75日は、ウェイン・ルーニーより36日だけ早いイングランド代表史上最年少レコード。出場こそなかったものの、ドイツで戦った代表メンバーに選ばれており、快足アタッカーには輝かしい未来が待ち受けているものと思われていました。しかし…。

赤と白のシャツを着て過ごした13シーズンで、プレミアリーグ267試合出場65ゴール。ワールドクラスへの階段を順調に登れなかったのは、負傷が多かったからでもあるでしょう。シーズンを通じて活躍したといえるのは、プレミアリーグ35試合8ゴールという数字を残した2011-12のみ。キャリアハイの14ゴールを決めた2012-13シーズンも、10月までは先発出場が1試合しかありませんでした。惜しかったのは、2年続けて結果を出した直後、24歳だった2013年からの2シーズンです。度重なる負傷で満足にプレイできず、2013-14シーズンはプレミアリーグ11試合、2014-15は14試合の出場に留まりました。2015-16シーズンも本来のプレイを取り戻せず、2月以降のスタメンは1試合のみ。ウォルコットが彼らしさを取り戻したのは2016-17シーズン、早熟の天才はサッカー選手がピークを迎えるといわれる27歳になっていました。

プレミアリーグ16試合8ゴール、チャンピオンズリーグのグループステージは5試合3ゴール。今度こそ記憶にも記録にも残る最高のシーズンを送るかと思われたウォルコットは、年末年始に負傷で5試合を欠場すると、終盤戦で今までになかった事件が彼を襲います。アーセン・ヴェンゲル、3-4-2-1にシフト。縦への速さや得点力だけでなく、激しい上下動と守備力が求められるWBのファーストチョイスはチェンバレン、彼が左にまわればベジェリン。チェンバレンがリヴァプールに移籍すると、ベジェリンはアンタッチャブルな存在となり、2017-18シーズンのプレミアリーグは全試合フル出場と付け入る隙がありません。ひとつ前のポジションはメスト・エジルでこちらも鉄板のレギュラーです。プレミアリーグで5試合途中出場という記録しかないウォルコットのプレイ時間は50分に満たず、現在の立ち位置はカラバオカップ要員。ドンカスター・ローヴァーズと戦った3回戦の決勝ゴールが、今季唯一の目に見える結果です。

アーセナルで居場所を失ったサイドアタッカーに興味を示しているといわれているのは、古巣のサウサンプトン。「スカイスポーツ」が移籍金の額を書けないのは、プレミアリーグ17位に低迷するクラブがローン移籍をメインで考えているからでしょう。ファン・ダイクを7000万ポンド超という高額で売ったクラブが完全移籍に二の足を踏んでいるのは、週給12万ポンド(約1840万円)といわれる高いサラリーがネックになっているからだと思われます。ウェストハム、エヴァートン、ニューカッスルの参入で「ウォルコット・バトル」が繰り広げられると報じている「エクスプレス」は、はっきりローンと記載しています。いずれにしても、彼は出場機会を得られるクラブで再起を図ったほうがいいでしょう。このままアーセナルにいても、FAカップとヨーロッパリーグのクジ運がよかった際に使われるだけに終わる可能性が高そうです。

エミレーツでワトフォードに1-2で敗れ、チェルシー、リヴァプール、WBAにすべて1-3で完敗。チャンピオンズリーグのバイエルン戦では2試合連続の1-5惨敗。ヴェンゲル監督が3バックに舵を切ると適応しない選手が出場機会を失い、5位に終わった後のオフシーズンにアレクシス・サンチェス、エジル、チェンバレン、ジルーら主力が移籍を真剣に検討…。2017年1月からアーセナルがはまった「魔の2ヵ月」は、多くの選手の人生を変えるトリガーとなってしまったように思います。4月までは主力だったウォルコットもまた、そのひとりでしょう。せめてバイエルンとの2試合が1-2であれば、16位だったクリスタル・パレスに負けずにプレミアリーグ4位をキープしていればと、無数の「たら・れば」に思いを馳せてしまいますが…いや、過去にばかり目を向けるのはやめましょう。ウォルコットにおすすめのクラブは、右サイドならうまくはまりそうなニューカッスルか、テコ入れさえうまくいけば復活しそうなセインツだと思います。続報を待ちましょう。

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“再び輝きを取り戻せるか…!? 現地紙が報じる「ウォルコット獲得バトル」をチェック!” への2件のフィードバック

  1. だしまる より:

    更新ご苦労様です。

    正直に忌憚なく言わせて頂ければ遅すぎたと言うべきだと思います。スピードという明確かつ強力な武器を備えていながらそれを試合の中で効率的に生かす術を結局は見つけなれなかった・・・厳しい言い方をするならスピード以外の武器を身に着けることが出来なかった選手だということではないでしょうか?

    スピードを生かして裏を取った状況でもう少し落ち着きと工夫があれば彼こそがアンリの後継者だったでしょう。私が彼に対して『たら・れば』を考えるならば故障の多さやシステム変更ではなく・・・それに尽きると思っています。

    彼の年齢とアーセナルの現状を考えればローンであっても片道切符でしょうね。それが彼自身の為だとも思います。

    あくまで私見ですけど今冬にウォルコットとサンチェスがアーセナルを去っても止むを得ないと思っています。それよりもまずは守備の安定を図るべきですね。ジャカとラムゼイのコンビではなくジャカもしくはウィルシャーの頼れる相棒を
    獲得して欲しいですよ。ラムゼイはエジルとのコンビで2列目で起用することが最善の策だと私は思うのですが・・・

    —–
    あけましておめでとうございます。本年も愛情あふれる記事を楽しみにしております。

    かつて、スピードだけで頭がないと揶揄されただけの選手で終りそうで・・・ワールドクラスにはなれずじまい。怪我とサッカー脳の不足が彼の成長を妨げたのか。

    今にして思えば、ワールドカップに選ばれるのが早すぎたのかなと思ってしまいます。それによって注目&慢心&満足してしまい、ハングリーさに欠けたのか。若さゆえの過ちを取り戻したいのは誰よりもウォルコットだけに、もう一花咲かせて欲しいところ。選んだのはエリクソン氏でウォルコットのせいではありませんけどね。

  2. makoto より:

    tomoさん>
    今のスターリングのような選手になれればよかったんですけどね…。手を上げるチームがあるなら、出したほうがいいのではないかと思います。

    だしまるさん>
    今年もよろしくお願いします。ウォルコットは、クラブの居心地のよさに甘んじてしまった感があります。守備をがんばるか、得点力を上げるかどちらかがあればまた違ったのではないかと思いますが…。

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