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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Bournemouth×Chelsea】ストライカー不在、CBリタイア…チェルシーが0-3で敗れた理由。

「今夜の試合でチェルシーが復調ボーンマスに足をすくわれるようなことがあれば、リヴァプールはプレミアリーグ3位に復帰」…30日に行われたハダースフィールドVSリヴァプールの観戦記で、最後にこう書いたのは、昨季プレミアリーグ王者が本拠地スタンフォード・ブリッジで敗れるという結末を予感していたからです。結果としては的中したわけですが、0-3という一方的なスコアは想像できませんでした。年明けのプレミアリーグ5試合は平均2ゴール数だったボーンマスが、複数ゴールを決めるイメージはあったのですが、11試合連続で失点中だっただけにクリーンシートは意外でした。チェルシーは、なぜ敗れたのか。まずは番狂わせの一戦を振り返ってみるとしましょう。

GKクルトワ、DFアスピリクエタ、クリステンセン、ケーヒル、MFカンテ、バカヨコ、ザッパコスタ、マルコス・アロンソ、ロス・バークリー、FWペドロ、アザール。スペインに帰ったモラタと移籍が噂されていたバチュアイが不在で、ヴィクター・モーゼスはベンチスタート。ベストとはいえない布陣ではありますが、最終ラインは主力が揃っています。開始早々から敵陣でプレッシャーをかけるチェルシー。5分にボックス左でフェイントをしかけ、逆サイドにきわどい浮き球を上げたアザールの動きは冴えています。14分にクックを抜いたアザールが、カンテとのワンツーでボックスに入ったシーンは先制かと思われましたが、ラストパスがずれてしまいました。25分、自陣からの速い縦パスを受けたジョーダン・アイブがドリブルでクリステンセンを翻弄し、ボックス手前で左足を振り抜きますが、コースが甘くクルトワが余裕をもってキャッチしました。

チェルシーにアクシデントが発生したのは26分。腿の裏を痛めて座り込んだクリステンセンは、19分にジョーダン・アイブに引っ掛けられたときからおかしかったのでしょう。急遽呼ばれたのはリュディガー。30分にCKをニアで叩いたケーヒルのヘッドは、バーすれすれを越えていきます。33分に右サイドから入ったボールを中央で受けたロス・バークリーは、振り向きざまに左足で狙うもサイモン・フランシスの足に当ててしまいます。ザッパコスタのクロスに合わせたマルコス・アロンソのヘディングシュートは、ファーポストの外。徐々にラストパスが味方に合うようになってきたチェルシーは、ゴールを奪えずにハーフタイムを迎えたものの、いつもの彼らにしか見えませんでした。

50分、マルコス・アロンソの直接FKは狙い通りに落とせず。直後、ボーンマスが初めての決定機を活かします。カラム・ウィルソンが敵陣でバカヨコから奪ってジョーダン・アイブに預けると、完璧なスルーパスがチェルシー守備陣のど真ん中を切り裂きます。クルトワと1対1になったカラム・ウイルソンは、自信たっぷりにGKの脇を抜きました。不振のジョシュア・キングからポジションを奪った25歳のストライカーは、年明けのプレミアリーグで4戦3発と絶好調です。54分、コンテ監督はロス・バークリーを諦めセスクを投入。2点ほしいホームチームには、30分以上の時間が残されています。

しかし64分、ボーンマスが2点めをゲット。左サイドでカラム・ウィルソンとワンツーを仕掛け、そのまま縦に走ったのはスタニスラス。アスピリクエタがファールをアピールしてマークにつかず、ケーヒルがボールにつられて裏を取られると、スタニスラスはひとり旅となり一気にクルトワの前に躍り出ます。タイミングを外して放った右足アウトのフィニッシュに、クルトワは股間を抜かれてしまいました。コンテ監督がザッパコスタをオドイに代えた直後、チェルシーは絶望的な3点めを喫してしまいます。67分のCK。シュートのこぼれ球を拾ったカラム・ウィルソンがスタニスラスに戻すと、中に持って右足で放った19番の一撃は明らかに枠を外れていました。ところが、ラインの裏にすっと飛び出したナタン・アケが右足でサイドネットにプッシュ。本職のストライカー不在のチェルシーに見られない動きでゴールを決めたのは、半年前にクラブが売ったCBでした。スタンフォード・ブリッジでコンテ監督がこれほど渋い表情を見せたのは、初めてではないでしょうか。

3点リードしているのにラインを高く保ち、しばしばペドロやアザールに裏を取られていたボーンマスの守備は決して堅いとはいえなかったものの、焦るチェルシーはトラップやシュートに力みが生じ、チャンスを活かすことができません。かくして、0-3完敗。失点とノーゴールにつながった事実をひとつずつ挙げれば、「ケーヒルが2度にわたってボールを見てしまい、マークすべきアタッカーに裏に入られた」「クロスが入る際に中央が薄かった」。ストライカーの不在とクリステンセンのリタイアにより、望まない布陣を強いられたコンテ監督に打てる手は多くありませんでした。年明け以降のプレミアリーグ4試合を1勝2分1敗と不振のチェルシーは、今こそ踏ん張りどころ。直近12戦1勝の停滞ワトフォード、23戦1勝の絶不調WBAと続く恵まれた日程を活かして勝利の感覚を思い出し、マンチェスター勢との連戦に臨みたいところです。(ジュニア・スタニスラス 写真著作者/A@cfcunofficial (Chelsea Debs) London)

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“【Bournemouth×Chelsea】ストライカー不在、CBリタイア…チェルシーが0-3で敗れた理由。” への5件のフィードバック

  1. ちぇるちぇる より:

    更新お疲れ様です
    ケーヒル真ん中はあかんて…
    クリステンセンの怪我が痛く月末からのバルサ、マンチェスター勢、クリスタルパレスとの連戦に向けて頭がいたいです。アザールだけはいつも通り一人で相手を剥がしていけていたのと、オドイ君が割と良かったのだけがポジ要素です…

  2. ランプス より:

    いつも拝見させて頂いてます
    やはりアザールはウイングか2列目 CFではないんだな ポストプレイの出来るCFが必要だな
    やはりケーヒルにはCBのど真ん中は無理なんだな
    と改めて確認出来た試合でした
    バークリーは。。ボールタッチにセンスは感じますが大人しいというか。。。個性を出しきれてないというか。。これからですかねー ?
    途中からジルーが使えてたらと思う一戦でした。
    くるくるボールはまわるけど決定力が無さすぎでしたね 早くモラタジルーのツインタワーが見たいです(^^)

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    モラタは出れず、バチュアイはドイツへ行き、ジルーは準備が出来てない…
    最悪のタイミングで行われたボーンマス戦、文字通りストライカーが不在だったので無得点は覚悟していましたが、クリステンセンが負傷離脱してここまで失点するとは思いませんでした。
    やっぱりプレミアリーグ最少失点(試合前)は全てクリステンセンが最終ラインの舵を取ってくれていたお陰なんだなと。
    兎にも角にも2位から5位までの差が5ptしかなく、どのチームも安全とはいえない状況なので、コンテ監督には早急になんとかして欲しいですね。あとジルーが待ち遠しいです

  4. パチ より:

    とりあえず今のチェルシーの問題は攻撃が単調、って点ですかね…。

    アザールCFもフリック上手いし、反転してドリブルも上手いしで面白いんだけど、そこばかりに集中してちゃ相手が慣れてくるし、集中させといてWBを裏に走らせたりとかも出来るのにパスが出ないんじゃ走れないしで、結局ボランチにゲームメークする人がいないのが問題かなと。ルイスがいればまた多少違ってきますけど、いないんで余計にボランチから多様なボールが出てこないってのは問題かなと。

    正直中盤3枚でのバカヨコはありだけどカンテとのダブルボランチでいいと思ったことがないので、バカヨコ使いたいのなら4バックにするとかした何か変えた方がいいんじゃないかなって気がします。
    結局今のチェルシーってピルロ・ボヌッチのいないユーべって感じなんですよね…。

    守備はケーヒルが相変わらず…。いつものごとく前に守備で出るとき一歩遅れてるよなって感じですね。

  5. makoto より:

    ちぇるちぇるさん>
    ケーヒル、厳しかったですね。アザールとマルコス・アロンソはさすがでしたが。

    ランプスさん>
    ジルーははまるかもしれませんね。ロス・バークリーはこれからでしょう。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    クリステンセンの重要さをあらためて感じさせられました。まずは不振の下位に連勝しなければなりませんね。

    パチさん>
    セスクが好調なら、また違ったのかもしれませんね。

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