偏愛的プレミアリーグ見聞録

前節のマンチェスター・ユナイテッド戦に敗れて、プレミアリーグ4位に落ちたリヴァプール。後ろのチェルシーが勝ち点4差に迫っており、アンフィールドのワトフォード戦で負けるわけにはいきません。クロップ監督の11人を見てみましょう。GKロリス・カリウス、DFジョー・ゴメス、マティプ、ファン・ダイク、ロバートソン。中盤にエムレ・ジャン、ヘンダーソン、ワイナルドゥムが入り、前の3人はフィルミーノ、サラー、マネです。4分、リヴァプールが最初の決定機を活かします。マネのパスを右サイドで受けたモー・サラーがドリブルでボックスに侵入。切り返し一発でブリトスを抜いたエースは、冷静に右足でGKカルレジスの脇を抜きました。今季プレミアリーグ25ゴールめは、難敵相手の貴重な先制点。エジプト代表FWは、7分にもヘンダーソンのスルーパスでラインの裏に飛び出しますが、GKカルレジスが先着して2点めを許しません。

フィルミーノとサラーにボールが集まり、いい形にはなるものの、ラストパスの精度が低くシュートがないリヴァプール。リシャルリソンやディーニーのドリブルをきっちり止め、圧倒的にボールを支配しているものの、攻めあぐむ時間が続きます。エムレ・ジャンは腰を痛めたのでしょうか。27分という早い時間に、クロップ監督はミルナーを投入せざるをえなくなりました。31分、ヘンダーソンがミスパスをさらわれ、右サイドでパスを受けたロベルト・ペレイラにマネが抜かれたピンチは、クロスをニアでカットして事なきをえます。37分、ロベルト・ペレイラの高いクロスにリシャルリソンが競り勝ちますが、ヘディングシュートはロリス・カリウスの正面です。

39分、自陣にいたミルナーがアウトにかけた縦パスが左にまわったサラーに通り、カウンターがスタート。快足ウインガーは早いタイミングで逆サイドのフィルミーノにラストパスを通し、切り返しを入れた9番が左足で強烈なシュートを放つと、ぎりぎりまでボールを見たカルレジスが素晴らしい反応で右に弾き出します。43分のレッズの2点めは、ロバートソンのパスを中で受けたマネの絶妙なリターンがきっかけでした。ハル・シティから加わった左SBの最大の魅力は、キレのいい高速クロスです。逆サイドからゴール前に入ったサラーが、完璧なボールを右足ボレーで叩き込み、レッズは0-2で折り返しました。

雪が舞うアンフィールド。46分のフィルミーノのヘッドはGKの正面。3分後、ロングフィードをもらったサラーがブリトスを振り切ってクロスを入れると、中に走り込んだフィルミーノがヒールでコースを変える美しいフィニッシュを決めて3点めをゲットします。52分、ロベルト・ペレイラのFKは、クロスバーの上を叩いてゴールならず。厳しいプレスで相手のパスコースを切り、中盤でボールを回収しているレッズは、マティプとファン・ダイクの仕事がほとんどありません。64分にマネとサラーが仕掛けたカウンターは、カルレジスがボックスを飛び出してクリア。直後、リシャルリソンに代わったのは、プレミアリーグ7試合2ゴールと頭角を現した22歳のウィル・ヒューズです。

70分にディーニーがオカカに代わると、クロップ監督はワイナルドゥムをチェンバレン。サラーがカットされたこぼれ球を思い切りよく叩いたチェンバレンのミドルは、カルネジスが落ち着いてキャッチします。77分、右サイドからドリブルで上がったマネがボックスのなかにいたサラーに預けると、11番は細かいタッチでドゥクレ、マリアッパ、プリョードルを翻弄。うまくタイミングを外した左足シュートに足を出したカルネジスは触れず、サラーはハットトリック達成です。

この直後にフィルミーノに代わったダニー・イングスは、83分にマネの浮き球で裏に抜けるもシュートをGKに阻まれてしまいます。さらに2分後、ミルナーが中央から上がって右のサラーにパスを通すと、ダイレクトのスルーパスを受けたダニー・イングスが右足でシュート。キャッチしたかに見えたカルネジスがボールをこぼしてしまい、目の前にいたサラーがプッシュして本日4点めです。レッズ、5-0圧勝！ファン・ダイクをビルドアップ以外で見ることがないぐらいのワンサイドゲーム。4ゴール1アシストのサラーは圧巻でしたが、プレスとスペースを創る動きで貢献したフィルミーノ、激しい上下動でワトフォードのサイドアタックを封じたロバートソン、中盤に下がりながらのパスが効果的で3ゴールをお膳立てしたマネも見事でした。このチームがCLでマン・シティと戦うのだと思うと、否応なくテンションが上がります。クロップらしさ満喫の90分。今日はパーフェクトでした！