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【Newcastle×Arsenal】ストライカー4人は空回り…逆転負けのアーセナルは7位転落寸前!

セインツ、ハダースフィールド、レスターと、直近のプレミアリーグ3連勝でTOP10に食い込んできたニューカッスル。27節には本拠地セント・ジェームズ・パークでマンチェスター・ユナイテッドに1-0で勝っており、アウェイで不振のアーセナルは油断できません。ミキ、ベジェリン、エジル、コシールニー、ラムジー、ウィルシャーを欠いたチームは、ビハインドを背負わされる展開は避けたいところです。主力を落としたヴェンゲル監督の11人を紹介しましょう。GKチェフ、DFチャンバース、ムスタフィ、ホールディング、モンレアル。エルネニー、ジャカがセンターに入り、2列めにはイオビ、ウイロックとプレミアリーグ7戦6発1アシストのオーバメヤン。最前線にはラカゼットという新しい布陣です。

キックオフからしばらくは、一進一退。5分、エルネニーの縦パスを受けたラカゼットがドリブルで仕掛け、右足で強引にシュートを放つと、うまく当たらず左に逸れていきます。速いアタックがなく、足元へのパスが目立つガナーズに対して、ニューカッスルはカウンター狙い。この状況が続けば、先制はホームチームではないかと不安を感じ始めた矢先に、ストライカーコンビが素晴らしいゴールを決めました。ムスタフィが自陣から出したロングフィードに、反応したのはオーバメヤン。柔らかいトラップでボックス左を上がった14番のクロスは絶品!ファーから走り込んだラカゼットは、完璧なスライディングボレーをゴール右に突き刺しました。

17分、チェフのキックからイオビが左のオーバメヤンに展開。中に斬り込み、切り返しを入れて右足を振り抜いたストライカーの一撃は、イグナシェヴィッチにヒットしてクロスバーを越えていきます。右からのロングスローをオーバメヤンが後ろに落とした21分のチャンスは、イオビのフィニッシュがGKの正面。快調だったガナーズは、29分にシェルヴィの正確なロングフィードから失点を喫してしまいます。最前線で収めたドワイト・ゲイルが右のイェドリンに流すと、快足SBはニアを狙って高速クロス。ムスタフィの前に入ったアヨゼ・ペレスのポストすれすれを抜くボレーにチェフは触れず、セント・ジェームズ・パークに大歓声が響き渡ります。

同点になった後、主導権を握るのはアーセナルです。38分、オーバメヤンのFKが壁に当たると、リバウンドを拾ったジャカがボックス左にロングフィード。ムスタフィがヘッドで逆サイドに流すと、チャンバースのスライディングシュートは右に外れます。41分のCKは、チャンバースのヘッドがクロスバーの上。最初の45分は1-1で終わり、セカンドハーフもアーセナルがボールを支配しています。ニューカッスルの攻撃は、縦1本のカウンター頼みですが、ガナーズ守備陣はシュートを打たせません。56分にチャンバースが上げた逆サイドへのクロスは、オーバメヤンが頭で折り返すもラカゼットに合いませんでした。

63分、ドワイト・ゲイルが下がってイスラム・スリマニ。レスターからローン移籍したストライカーは負傷に悩まされ、新チームでのプレミアリーグ出場はわずか15分に留まっています。66分のマット・リッチーのミドルは枠の上にアウト。ヴェンゲル監督は、68分にウィロックを下げてウェルベックを投入します。ニューカッスルの勝ち越しゴールは、この直後でした。左サイドにいたイスラム・スリマニがハイボールを頭で中に入れると、中央のアヨゼ・ペレスが巧みに裏に流し、走り込んだマット・リッチーがチェフの位置をみて左隅に決めました。ニューカッスルの11番は、今季プレミアリーグ3ゴールめ。ガナーズに残された時間は、20分を切っています。

75分、左サイドを突破したケネディがボックスに入って左足を振り抜くと、ムスタフィに当たったボールがポストに弾かれます。2分後、イスラム・スリマニがチャンバースを抜き去ると、グラウンダーを左足で打ったアヨゼ・ペレスのシュートはニアポストの外。ヴェンゲル監督がチャンバースをメートランド=ナイルズに代えると、ベニテス監督はアヨゼ・ペレスをホセルにスイッチします。83分、エルネニーのミドルは右にアウト。2分後、モンレアルのアーリークロスのクリアが高く上がり、GKドゥブラフカがファンブルしたボールをラカゼットがニアに打ちますが、角度が厳しく枠に飛びませんでした。

86分、イオビが下がりエンケティア登場。ストライカー4人というスクランブルに戦術はなく、誰もシュートを打てないままタイムアップを迎えました。覚悟の敗戦?いや、勝ち点ゼロに終わればプレミアリーグ7位のバーンリーと2ポイント差になる試合で、それはないでしょう。ネルソンとコラシナツがベンチにいたにも関わらず、3人でも機能していなかったストライカーを4人に膨らませたヴェンゲル采配は不可解でした。中盤と最終ラインの距離をコンパクトに保ち、ラカゼットやオーバメヤンにプレイする時間を与えなかったベニテス戦術の勝利。今季プレミアリーグのアウェイゲームで9敗めを喫したガナーズは、アトレティコ・マドリードに敗れれば、来季のヨーロッパリーグの出場権すら失うかもしれません。

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“【Newcastle×Arsenal】ストライカー4人は空回り…逆転負けのアーセナルは7位転落寸前!” への4件のフィードバック

  1. むん より:

    更新ご苦労様です。

    まぁこれが初めてではないので今さら驚きはしないのですが、最後の采配は何でしょう?

    ただ後ろと中盤を削ってFWの選手を並べるだけ。こんなことしてるからベンゲルアウトと言われるのだと思います。

    残り5分でエンケティアが出てきた時は、もう試合を諦めたんだと思いました苦笑

    他チームから見れば滑稽なのでは?

    サウサンプトンがFA勝たなければリーグ戦7位にELが与えられるらしいので、それに期待するしかないかな、と。やれやれずいぶんとセコい考えになってしまいました。

    まぁ今の状況を今だけだと思って開き直って楽しむしかないですね!

  2. グーナーです より:

    「ELが最優先」というのは共通認識で構わないと思うのですが、かと言ってリーグ戦は負けてもいいわけでは全くないのですが。。なんだか気の抜けたゲームで不安になりました。
    こういう試合でこそ、いつも控えの選手に「俺を見てくれ!」とガンガン営業をかけてくるプレーを見せて欲しいのですが、ファイトしていたのはニューカッスルの方だけだったような気がします。
    ニューカッスルは最近好調とのことですが、それもあってか選手もファンもパワフルに感じました。
    その気合いを、上位相手やアウェイ戦でも発揮できるようにならないと来期もしんどそうですが。。。
    うーーん。

    四の五の言っても仕方ない!
    EL最優先というならそれを証明してもらうだけです!

  3. 通りすがりのグーナー より:

    フォワード4枚が意味不明というのは逆に疑問です。そういうのが結果論というのではないですかね。あれで1点入ってたら執念が実った!でしょ?

    少なくとも最後の15分でどうすべきだったのかを詳しい人たちに教えてほしいものです。答えは出ないのでしょうが。

    前のメンバーはあれでも1点先制できるんですよね。本当に守備ですよ。何をやってもうまくいかない感じ。悪循環がツェフとムスタフィの信頼関係にまで及んでるように思います。1点目は驚きました。あれを打たせるCBとニアを抜かれるGK。2点目のムス・モンのヘディングピンポンもしかり。ここまで守備が悪いと攻撃のリズムも作れないでしょ。

    シメオネにホーム&アウェーで勝てる道理はありません。

    —–
    もちろん2失点目の守備もそうなのですが、直接の敗着は4枚ストライカーです。
    点を狙いに行く状況でストライカーを増やすのは単純すぎる考えで、ストライカーを増やしてもボールが彼らにわたなければ意味ないのです。よって、負けている状況で増やすべきはむしろ守備陣と前線を繋ぐリンクマンたる中盤でしょう。
    もしくはパワープレイ気味に放り込むプランもありますが、アーセナルはそういうチームではないですし、そこに比較優位はないです。CBもジャカも前線にロングボール出さずちまちま組み立てていたので、誰もそこからストライカーに繋げる意思と能力を持っていなかったのが印象的でした。
    こういう采配は5年前くらいでは日常茶飯事でしたが、最近見なくなって安心していたにもかかわらずで残念です。こういうことしていると6位も怪しくなってきますね。

  4. イレブン より:

    強いニューカッスルが還ってきた感じがしたゲームでした。セントジェームズパークは最高!ですねー、スタジアムは立派だしサポーターが強力にチームを後押ししていますよ。これまで多くの強豪があと一歩及ばず涙を飲んでますから。
    来シーズンも更に強い黒と白のユニフォームが観られますよう期待しています。

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