イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Bournemouth×MAN.UTD】最後はポグバ&10番!マン・ユナイテッドが劇的逆転勝利!

6勝2分2敗でプレミアリーグ6位のボーンマスと、5勝2分3敗で8位に沈むマンチェスター・ユナイテッドの「直接対決」。必勝のモウリーニョ監督は、マタ、アレクシス・サンチェス、マルシアルという思い切った3トップで臨みます。中盤にはフレッジ、マティッチ、ポグバ。GKデ・ヘアの前には、アシュリー・ヤング、リンデロフ、スモーリング、ルーク・ショーの4枚です。2分、右サイドからいかにもボーンマスらしい速攻。さらに4分には、右に出ていたカラム・ウィルソンのパスでライアン・フレイザーがラインの裏に抜け出し、左に持ち込んでシュートを放つと、デ・ヘアが足でブロックするビッグセーブで何とかしのぎました。ルカクがベンチ外のチームは、前線が動いてボーンマス守備陣を撹乱したいところですが、右サイドでフレッジのパスをもらうアレクシスは、単調なドリブルを止められてしまいます。

9分、ライアン・フレイザーの浮き球でGKの目前に飛び出したカラム・ウィルソンのシュートは、デ・ヘアがストップ。1分後には、ブルックスのスルーパスでアダム・スミスがボックス左を突破し、中央でノーマークだったスタニスラスにラストパスが出ますが、ボレーをミスしてルーク・ショーにぶつけてしまいます。ホームチームの先制点は、このCKからでした。クリアした後、ラインを上げたマン・ユナイテッドは、ルイス・クックにオフサイドラインをかいくぐるスルーパスを通され、スタニスラスのグラウンダーが出た瞬間、中で3人がフリーでした。カラム・ウィルソンのイージーなボレーには、さすがのデ・ヘアもお手上げです。

1-0となり、ボーンマスの攻勢は止まらず。14分にはルイス・クックのスルーパスでカラム・ウィルソンがボックス右に流れ、折り返しを阻んだスモーリングのクリアがブルックスの頭にヒット。デ・ヘアの頭上に飛んだボールは、バーを越えてくれて助かりました。19分、最終ラインのスティーヴ・クックからのロングフィードが左サイドのアダム・スミスに通り、中に斬り込んで放ったミドルはファーポストすれすれを抜けていきました。25分を過ぎて、ようやく落ち着いたマン・ユナイテッドは、32分に決定機を創ります。左サイドのマルシアルがドリブルで仕掛け、グラウンダーを受けたフレッジはノーマークでしたが、明らかなミスキックが左に外れ、DFにクリアされてしまいました。

2度めのチャンスは35分、アレクシス・サンチェスが中央で粘ってアシュリー・ヤングに展開すると、プレミアリーグ8位が同点に追いつきます。右SBが縦に流したボールでアレクシスがボックスに入ると、きれいなラストパスをまっすぐ叩いたマルシアルの左足ボレーがネットに刺さりました。好調の11番は、直近のプレミアリーグで3戦4発。39分にアシュリー・ヤングがロングフィードを前線に入れると、アレクシスがヘッドで後ろに落とし、トラップしたマタの左足シュートは惜しくも右に外れます。40分のボーンマスの速攻は、右からのボールを受けたライアン・フレイザーのニアへの一撃をデ・ヘアがセーブ。序盤があまりにもひどかっただけに、1-1の折り返しには奇跡的という大げさな表現を使いたくなります。

50分、ライアン・フレイザーが左サイドを完全に切り裂き、ニアへのグラウンダーをブルックスがボレー。決まったと目を覆った次の瞬間、信じられない反応を見せたデ・ヘアがボールを抱えていました。53分にフレッジのフィードで前線に抜けたマルシアルは、ボックスを飛び出したベゴヴィッチに止められ、ポグバの縦パスをさばいたマルシアルのヒールで左に抜けたルーク・ショーも、1対1を勇敢なGKにぶつけてしまいます。モウリーニョ監督は、56分にマタとフレッジを下げ、ラシュフォードとエレーラを投入しました。60分に縦に上がったFKをスモーリングが頭で折り返すと、アレクシスのヘディングはベゴヴィッチがセーブ。CKのクリアがポグバに渡ると、戻したボールに右足を振り抜いたエレーラのフィニッシュは、わずかに右に外れてしまいます。

64分、アシュリー・ヤングのFKがポストを叩くと、跳ね返りを叩いたラシュフォードはナタン・アケにブロックされ、ポグバのプッシュもゴールライン上でブルックスがクリアします。ポグバが丁寧に中に転がしたパスを左足で狙ったエレーラは、ポストをかすめたボールを見て頭を抱えています。エディ・ハウ監督は、68分にルイス・クックに代えてゴズリングを入れると、74分にはライアン・フレイザーを諦めてジョーダン・アイブ。消えていたアレクシスは、78分にリンガードにスイッチしました。80分にショートパス3発で左のブルックスが強烈なシュートを放つと、デ・ヘアが冷静にパンチで逃れました。

89分、ラシュフォードのポストプレーから右でフリーになったリンガードの決定的なダイレクトショットは、ベゴヴィッチが足でセーブ。マンチェスター・ユナイテッドは、92分に執念の決勝ゴールをゲットしました。左サイドから上がったポグバがふわりとしたクロスを上げると、トラップを失敗したラシュフォードにアダム・スミスのクリアが当たり、10番が冷静にプッシュ。1-2のまま、タイムアップ。最悪の立ち上がりだったモウリーニョ監督のチームが、劇的な逆転勝利で勝ち点を20に伸ばしました。

シュート数18対18の攻め合いを制した最大のポイントは、プレミアリーグNo.1守護神が2点めを許さなかったことでしょう。マルシアルが決める前に2発めを喰らっていれば、大敗もあったのではないかと思います。指揮官の評価を高めているマルシアルは、彼らしいトリッキーなプレイでサイモン・フランシスを翻弄。モウリーニョ監督の後半の采配は的中し、前線と中盤の運動量を担保できたことが、ポグバのエクセレントなクロスにつながりました。勝ち点3を素直に喜びたい夜は、最終ラインの綻びについては「ユーヴェ戦の前に修正していただければ」に留めておきましょう。

プレミアリーグらしいスリリングな展開を堪能した一戦。積極的な姿勢で戦い抜いたボーンマスに拍手を送りたいと思います。カラム・ウィルソン、ルイス・クック、ライアン・フレイザー、ジュニア・スタニスラス、デヴィッド・ブルックスらが織りなす見事なパスワークと速攻は、今の順位にふさわしいクオリティでした。月末のアーセナルも、きわどい勝負に持ち込むのではないかと期待しています。素晴らしい!

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“【Bournemouth×MAN.UTD】最後はポグバ&10番!マン・ユナイテッドが劇的逆転勝利!” への3件のフィードバック

  1. Scholes より:

    前半ユナイテッドの守備の緩さにはひやひやさせられました。複数失点していてもおかしくない流れでしたが、デヘア流石!ラッシュフォード逆転弾のシーンではゴール後に観客席まで突っ込んでいったのが、数年前のハルシティ戦の決勝弾を思い出しました。あれもイエローカードの対象なんですかね。
    ボーンマスのブルックス選手は21歳ですか!カラムウィルソンやスタニスラスらおなじみの選手たちとうまく噛み合って面白いですね。

  2. 赤い悪魔 より:

    デヘアが契約延長しないのも理解できる守備でした。モウリーニョのチームとは思えないほど失点しますね。セットプレーの対処の練習ちゃんとしているんでしょうか。
    マティッチはパスミスとロストがひどいしラッシュフォードも最後に点決めたからいいものの流し込むだけのシュート外すし。
    後半からパフォーマンス上がるのはいいとしても、もう少し前半の集中のなさはなんとかしてほしいところです。

  3. おきもの より:

    マタとヤングを同時に右サイドで使うのはあまりにも危険すぎましたね。
    更にはマティッチが完全絶不調でここ一ヶ月以上中盤のフィルターが機能していないわけですし。
    モウリーニョとマティッチの師弟関係がそうさせているのかもしれませんが、冬の市場でCB以上にアンカー獲得に動かないと駄目な気がします。

コメントを残す