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【Wolves×Chelsea】鮮やかウルヴス、お疲れ気味のチェルシーを屠った4分の逆転劇!

CBクリステンセンは今季プレミアリーグ初出場、中盤のセスクとロフタス=チークは初先発です。ウォルヴァーハンプトンのホーム、モリニュースタジアムに乗り込んだサッリ監督は、ジョルジーニョを温存して戦っています。GKケパ、リュディガー、マルコス・アロンソ、アスピリクエタ、カンテの5人はプレミアリーグ全試合出場を続けており、ハイレベルな3人のターンオーバーでチーム力が大きく下がるとは思えません。マンチェスター勢とアーセナルに引き分けているウルヴスは要注意ではあるものの、幸先よく先制したチェルシーが順当に勝つと高をくくっていたのですが…。上位キラーによる鮮やかなジャイアントキリングの顛末を振り返ってみましょう。

立ち上がりからいつものようにボールを支配し、ウルヴス守備陣を押し込んだチェルシー。7分にはカンテがボックス右に入ってファーにグラウンダーを通し、アザールのボレーをお膳立てします。12分、モラタがボックス手前でフェイントを入れながらシュートコースを作ると、左足のミドルは惜しくもクロスバーの上に抜けていきました。先制は18分。左からのパスを受けたロフタス=チークが中央に入って右足を振り抜くと、ヘッドでクリアしようとしたコーディーは、GKルイ・パトリシオの逆を突いてしまったボールを見てピッチに突っ伏しています。22歳のMFは、初めてのスタメンながら既にプレミアリーグ3ゴール。スケジュールがタイトになる年末年始以降は、出番が増えるのではないでしょうか。

0-1となった後も、チェルシーペースは変わりません。ポゼッション率は7割。セスクの縦パスは効果的で、アザールは決定的な仕事こそないものの、左サイドで脅威となっています。37分、モラタを囲んで奪ったウルヴスがカウンター。ジョッタがドリブルで仕掛け、左のヴィナーグレに預けると、ファーにクロスが上がり、ヘッドで折り返したボールに走り込んだのは18歳のモルガン・ギブス=ホワイト。セスクが先に触り、シュートは打てませんでしたが、可能性を感じさせるアタックでした。38分、アザールの素晴らしい浮き球でウィリアンがラインの裏に抜け出しますが、左足のシュートにベネットが飛び込み、追加点を許しません。

前半は0-1。チェルシーが中盤を支配していますが、時折見せるホームチームのカウンターは、対応を間違えると一気に決定機です。後半開始直後、チェルシーにビッグチャンスが到来。ロフタス=チークが左サイドのアザールを使ってボックス左に流れると、中に持ち込んだ10番が絶妙なタイミングで縦パスをフィード。ロフタス=チークのグラウンダーがファーに出ると、モラタがプッシュして決まりと思いきや、ボリが必死のスライディングで先に触ってCKに逃れます。1分後、アスピリクエタが右からアーリークロスを入れると、モラタはベネットのチェックに遭い、ヘディングシュートを打てず。この時間帯で決められなかったチェルシーは、59分からの4分間で鮮やかな逆転劇を目の当たりにすることになります。

アザールが横に流したパスからカンテが左隅を狙うと、ボールはポストぎりぎりを抜けていきます。ウルヴスの同点ゴールは、この直後でした。右からのパスを受け、セスクのプレスをかわしたのはモルガン・ギブス=ホワイト。ヒメネスに素晴らしい縦パスが出ると、クリステンセンのチェックは一瞬遅れました。右足のダイレクトショットがケパの脇を突き、1-1。4分後の逆転ゴールは、クリステンセンのミスパスをさらった逆襲でした。

ジョタが左サイドから持ち込み、ニアにパスを出すと、インターセプトに成功したウィリアンがジョアン・モウティーニョに奪い返され、ファールをアピールしてプレイをやめてしまいます。右サイドを走ったドハーティ―にパスが通ると、ファーに届いたきれいなグラウンダーをノーマークのジョッタがボレー!リュディガーはボールを見てしまい、外からの急襲に気づいていませんでした。

サッリ監督は、すかさずウィリアンとモラタを下げ、ジルーとペドロを投入。20分あれば、再逆転も充分可能です。逆転のきっかけを作った勝利の立役者、モルガン・ギブス=ホワイトは72分にエルデル・コスタにチェンジ。モリニュースタジアムに大きな拍手が響き渡ります。サッリ監督の最後のカードは、77分にカンテをコヴァチッチ。アザールの鋭いミドルは、ルイ・パトリシアのグローブの上に浮いてしまいます。背後に再三ロングフィードを入れられたマルコス・アロンソは、いかにも体が重そうで、10番が左サイドでキープしても追い越す動きがありません。82分にヒメネスが下がってデンドンケル。ポゼッションはチェルシーですが、ゲームをコントロールしているのはウルヴスです。

87分、右からのクロスがゴール前を横切ると、左から上がってきていたマルコス・アロンソがスリップしながらも中央に浮かし、クリアを叩いたセスクのシュートはクロスバーの上。チェルシーは後半のオンターゲットゼロでタイムアップを迎え、95分を通じてオンターゲット2本だったウルヴスが予想外の勝ち点3をゲットしました。メンタルの疲労が感じられたチェルシー。最も可能性が感じられたアザールと連携しようという動きがなく、クロスが上がった際にボックスの中が薄いのも気になりました。

後半は攻守ともに息切れ気味だったブルーズは、ガチガチに固定されていたレギュラーをうまく休ませながら、タイトな年末年始を切り抜けられるでしょうか。週末のマンチェスター・シティ戦に敗れれば、直近のプレミアリーグ4試合で3敗となり、優勝争いから完全に脱落します。ジョルジーニョとダヴィド・ルイスを使わなかった指揮官の気概が、結果に結びついてくれるといいのですが…。

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“【Wolves×Chelsea】鮮やかウルヴス、お疲れ気味のチェルシーを屠った4分の逆転劇!” への2件のフィードバック

  1. ペップの街 より:

    更新有難うございます。
    Makoto さんご指摘の通り、「ブルーズ」はメンバー固定による疲労蓄積がここに来てパフォーマンス低下として出て来てるようです。
    ビッグ6のチームとしては中堅以下のチームに取りこぼしが許されない状況でこの敗戦は手痛いですね。
    シティも本調子でなく、怪我人も出てます。週末の激突が待ち遠しいです。

  2. パチ より:

    前節はコバチッチが低いポジションをとることが多く左の攻撃がいまいちで、今節はチークが高いポジションでアザールらといい連係をしていたが右のウィリアンが中に入りすぎていて右の攻撃がいまいちって感じでした。
    左で上手く回せていただけに右でペドロみたいな斜めにカットインとかの動きがあればよかったかなと。

    あとモラタの一番の問題はやっぱりメンタルだなと痛感…。
    後半50分だったか接触で倒れてファールとってもらえないと地面を叩いて悔しがり、でイライラしてたんでしょうね…そのすぐ後にきたチャンスでは周りを全く見ずに3・4人DFいるところ強引に突っ込んでいってボールロスト、と。まわりにはアザール・ウィリアン・カンテがフリーでいたのに…。
    プレー自体は改善の兆候が見えてきてただけに台無しで残念。

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