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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Fulham×Tottenham】満身創痍のスパーズが、追加タイムの決勝ゴールで貴重な勝ち点3!

ハリー・ケインとソン・フンミンを欠いた最初のゲームがプレミアリーグ19位のフラム戦だったのは、トッテナムにとって幸運でした。クレイヴン・コテージで開催されたロンドンダービー。さっそくポチェッティーノ監督の11人を見てみましょう。最前線のジョレンテの後ろにデル・アリとラメラ、セントラルMFにエリクセンとハリー・ウィンクス。アウトサイドにトリッピアーとダニー・ローズを配し、フェルトンゲン、ダヴィンソン・サンチェス、アルデルヴァイレルトの3バックとGKロリスという布陣です。ラニエリ監督就任後もプレミアリーグ10試合2勝3分5敗と低迷が続くフラムは、先にゴールを決めて粘る展開に持ち込みたいところです。

5分にラメラのパスを左で受けたエリクセンが、左足でシュートを放つもニアにアウト。フラムの最初の決定機は11分でした。左サイドから抜け出したのは、冬のマーケットで獲得したばかりの元オランダ代表FWライアン・バベル。ボックスに侵入した32歳のアタッカーは、必死に戻ったダヴィンソン・サンチェスを押さえて左足で狙いますが、狭いニアに飛んだシュートはロリスが右に弾き出します。14分のホームチームのCKは、中央で競り勝ったル・マルシャンのボレーがダヴィンソン・サンチェスにヒット。先制ゴールは、3分後のCKでした。ニアに入ってきたボールの落下点にいたジョレンテはボールをコントロールできず、膝に当てたボールをニアのサイドネットに転がしてしまいました。ハリー・ケインの代役がまさかの自陣へのゴール。早く追いつきたいスパーズですが、フラムの5バックを崩すのに苦労しています。

21分にデル・アリが仕掛けたカウンターは、右から上がったラメラがラストパスをジョレンテに出すも、タイミングが合わず。23分、フェルトンゲンのロングフィードがジョレンテの頭に届きますが、強烈なフィニッシュはGKリコの正面です。思うように攻められず、フラムの逆襲を喰らうスパーズ。40分にクリスティが丁寧に入れたアーリークロスは、バベルのヘッドがバーの上に浮きました。1分後、左のバベルがファーにクロスを入れると、シュールレのきれいなボレーはロリスがセーブ。リバウンドを頭で押し込んだミトロヴィッチがオフサイドを取られ、スパーズは命拾いしました。43分に左からグラウンダーが入り、チャンバースのヒールキックでゴール前のバベルが一瞬空きますが、フェルトンゲンが的確なスライディングでCKに逃れます。前半は1-0、完全なるフラムのペース。プレミアリーグ屈指のストライカーを欠いたアウェイチームは、想定内の苦戦を強いられています。

最初の45分で決定機を創れなかったスパーズは、51分に追いつきました。アルデルヴァイレルトのロングフィードのクリアを拾ったのはエリクセン。左のポスト際に浮かしたクロスは完璧でした。走り込んだデル・アリが頭でネットに突き刺し1-1。53分にバベルの速いクロスをシュールレがゴール前に落とすと、ミトロヴィッチはロリスの素早い飛び出しに阻まれました。攻勢のスパーズは、55分にも決定的なチャンスを迎えます。ダニー・ローズのクロスをリコがゴール前に空いたスペースに弾いてしまい、エリクセンが狙いすましたボレー。ル・マルシャンが足元に飛び込んで難を逃れましたが、危険なシーンでした。

60分、ラメラのサイドチェンジを受けたダニー・ローズがボックスのコーナーに斬り込み、右足で狙ったシュートはクロスバーを直撃。64分にボックスに侵入したダニー・ローズがクリスティと接触して転倒しますが、ペナルティを示す笛は鳴りませんでした。スパーズが勝ち越すのは時間の問題に思われましたが、いい形でフィニッシュに持ち込めません。ポチェッティーノ監督は、79分にラメラに代えてエリック・ダイアーを投入。82分に左から蹴ったダニー・ローズのFKがジョレンテの頭に合いますが、オウンゴールを献上したストライカーはヘディングを右に逸らしてしまい、頭を抱えて悔しがっています。86分、デル・アリがハムストリングを痛めてしまい、左サイドにエンクドゥ。今季プレミアリーグ初出場の23歳は、これだけ負傷者が続出しなければ出番はなかったでしょう。

プレミアリーグ16勝6敗とドローがなかったスパーズは、初の勝ち点1が濃厚でした。しかし93分、ダニー・ローズにラストパスを促されたエンクドゥが、右足で上げたピンポイントのクロスでヒーローになります。押し込んだのは、オドイの前に入って頭を突き出したハリー・ウィンクス!今季プレミアリーグ初ゴールは、優勝争いに残るために絶対に必要だった起死回生の一撃でした。悲しそうに首を振るラニエリ監督。スパーズがロンドンダービーを制し、リヴァプールとの9ポイント差をキープしました。

夏の補強はゼロ、先頃デンベレの広州富力移籍が決まって冬はマイナス1。ハリー・ケイン、シソコ、ワニャマ、ルーカス・モウラを負傷で欠き、ソン・フンミンをアジアカップに持っていかれたうえに、終盤にはデル・アリまでがリタイア。壮絶な引き算の末に手に入れた勝ち点3には、貴重の2文字しか思い浮かびません。ハリー・ケインの得点力と周囲を使う力が恋しくなった一戦でしたが、若い選手たちがよくぞ結果を出してくれました。

カラバオカップとFAカップで勝ち進んでいるスパーズは、首位リヴァプールより1月の試合が3つも多いタイトなスケジュール。不幸中の幸いは、この先1ヵ月はロンドンから動かなくて済むことぐらいです。ポチェッティーノ監督は、この厳しい状況をどうやって切り抜けるのでしょうか。解任されてもなお、「クラブからのサポートがなかった」などといっているモウリーニョさんには、ポチェッティーノ監督に対する評価も聞いてみたいものです。混戦のシーズンなら優勝チームのペースで勝ち点を積み上げている若き指揮官を、心からリスペクトしたくなる一戦でした。

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