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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Burnley×Arsenal】2発ゲットで得点王!天才オーバメヤンのゴール&ミスを徹底レポート!

32節にはプレミアリーグ3位だったアーセナルは、その後の6試合を1勝1分4敗という大クラッシュで5位に後退。最終節で4位トッテナムが敗れ、バーンリーとのアウェイゲームで3ポイントを乗せれば勝ち点で並びますが、得失点差8をゼロにする大量得点が必要です。奇跡的なTOP4フィニッシュを狙うのか、ビッグロンドンダービーとなったバクーのヨーロッパリーグ決勝にすべてを託すのか。エメリ監督のスタメンは、明らかに後者でした。

GKレノ、DFリヒトシュタイナー、パパスタソプーロス、マヴロパノス、モンレアル、MFエルネニー、グエンドゥジ、ムヒタリアン、ウィロック、イオビ。最前線にプレミアリーグ20発のオーバメヤンを置いたのは、「得点王を獲ってこい」ということでしょうか。ガナーズの指揮官の目論見は当たりました。この試合にタイトルをつけるとすれば、「よくも悪くもオーバメヤンショー」。2ゴールのストライカーの素晴らしさともどかしさを存分に堪能した一戦でした。

プレミアリーグを愛するみなさんや、ガチガチのグーナーと共有したいのは、「今季のオーバメヤンは36試合22ゴールでサラー、マネと並ぶ得点王という不本意な戦績に終わった」という事実です。アグエロやハリー・ケインよりゴールをゲットした選手に何てことを…と口を尖らす方もいらっしゃると思われますが、スピード・ドリブル・テクニック・クレバーさを兼ね揃えた彼のポテンシャルはこんなものじゃない!といいたいのです。ひとつ、証拠をお出ししましょう。

プレミアリーグ公式サイトのプレーヤースタッツのコーナーに、「Big Chances Missed」という項目があります。決定機を逃した回数のランキングが掲載されているのですが、22ゴールのオーバメヤンはリーグTOPの23発!ちなみにサラーは16、マネは11です。このうちの半分でも決めてくれていれば、オーバメヤンは30ゴール超えでぶっちぎりの得点王、チームはチェルシーの上でシーズンを終えていたはずです。最終節のバーンリー戦は、今季の彼のダイジェストを見せられているかのようでした。

開始5分に、さっそく1発かましてくれました。ニアに走り込んで右からのFKを左肩に当てると、ボールはバーを直撃。最も決めやすいエリアに的確なタイミングで入り、とっさに肩を出せる天性の勘のよさと瞬発力には惚れ惚れするのですが、ああ、天才はなぜ外してしまうのか。たまにしかチャンスが巡ってこないCBなら頭を抱えて悔しがるところですが、何でもないシーンを決定機に変えてしまう当代随一のマジシャンは、よくあることと達観しているのか、貫禄のノーリアクションなのであります。

ハーフタイムは0-0、サラーとの差は2ゴール、マネとは1ゴール。ショーの始まりは、51分でした。バックパスを受けたベン・ミーの背後に忍び寄ったストライカーは、トラップミスを予期していたかのようにスムーズに奪い、ヒートンの前までひとり旅。軽いタッチでGKの足の先を抜くと、ゴール裏のサポーターを煽ってイオビと喜びを分かち合いました。今季22ゴールめを決めたのは63分。左サイドからモンレアルが上がったときは中央にいたオーバメヤンは、イオビに渡る直前に左SBテイラーの後ろにポジションを変え、手を挙げてパスを要求しました。ノーステップの浮き球を得意のボレーでズドン。サラーと肩を並べたエースは、単独トップをめざしてチャンスを創り続けるのですが…。

1-2の73分、途中出場のエンケティアが右から上がったムヒタリアンに展開すると、ドルトムント時代にも相棒だった7番が「コレだろ?」といわんばかりの完璧なグラウンダー。瞬時にベン・ミーとロートンの間に入るあたりが天才たる所以で、誰もが決まったと腰を浮かしたビッグチャンスでしたが、枠に入れればいいだけだったスライディングボレーは右に外れてしまいました。天を仰ぐ相棒。さすがにこれはショックだったようで、体育座りでうつむいた14番は、しばらく立ち上がりません。肩に手を置いて励ましていたロートンは、消化試合でなければ「早く立て」と腕を引っ張っていたはずです。

次の見せ場は92分。イオビのパスを受けた瞬間、ゴールを背にしていたオーバメヤンは、ベン・ミーをフェイントで外して振り向きざまにシュート。ゴール右上を狙った一撃は、イメージよりも高く飛んでしまいました。ラストチャンスは95分。エンケティアがボックス左で縦に仕掛けたのをみて、テイラーの前にするりと入った14番にパスが出れば…。今季プレミアリーグでノーゴールだった19歳は、角度のないところからヒートンの股間を抜き、先輩ストライカーは祝福する側にまわることになりました。

かくしてオーバメヤンは、アフリカトリオ&クロップつながりトリオで得点王に輝きました。数々のチャンス逃しのなかで、最も激痛だったのはノースロンドンダービーにおける終了間際の決勝PK失敗ですが、ヨーロッパリーグのファイナルで大暴れしていただければチャラということでいかがでしょうか。ファーストレグを3-1で落とした後、3-0で逆転したラウンド16のレンヌ戦で決めた2発と、バレンシアとのホーム&アウェイにおけるトータル4発で既に返してもらっているような気もしますが、バクーでチェルシーを絶望に追い込む一撃をゲットしていただければ文句なしです。

ヨーロッパリーグで2度めのハットトリックを達成すれば、ジルーをかわして欧州でも得点王。30メートル走ならウサイン・ボルトよりも速い男の底知れぬポテンシャルを思い出せば、あっさり実現しても何の不思議もないのであります。

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“【Burnley×Arsenal】2発ゲットで得点王!天才オーバメヤンのゴール&ミスを徹底レポート!” への5件のフィードバック

  1. えめりんご より:

    オバメのビッグチャンス外しはかなりメンタルにきますが、オバメだからこそビッグチャンスになったのかなと思うことで誤魔化してますね…オバメじゃなければシュートまで持っていけなかったぞみたいな…
    そうでも無ければやってられないですw
    まぁなにはともあれゴールデンブーツおめでとう!!

  2. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    ゲームを観ていないのですが、このブログを読むと彼のシーンがよくわかります。ポテンシャルは文句ないので来シーズンも得点王の有力候補ですね。
    何はともあれゴールデンブーツおめでとうございます!

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    勝ったのか。オバメヤンおめ。フルシーズン1年目、5位のチームで得点王。すばらしい。君がチームにいてくれてよかった。
    スパーズ戦のPK、確かに今シーズン最大のタラレバポイントだけど、チームの体たらく(top4逃し)は彼のせいではない。重要なゴールだっていくつもあった。

    ドルトムント時代はよく知らないけど性格に難ありな印象があったのに。とんでもない。チーム内では常にポジティブな態度。今回タイトルを分け合ったリバプールのアフリカン二人を兄弟と呼んで称えていた。人柄含め本当にいい選手だと思います。

    色んな競技で言えることだけど選手の寿命は延びてる。一流選手は特に。スピードを売りにする選手も例外ではない。ふさわしいチームかどうかは疑わしいけどあと4,5年一線で活躍してもらってガナーズのジャージで引退してほしい。レジェンドとして。

    相手は強いけどあと一試合、頑張ってくれ。

    —–
    ノーロンでPKを外したことがどうしても話題にのぼっていますが、個人的にはあまり気にしていません。
    というのも、その次の試合でラカゼットがPKを獲得した際、迷わずオーバメヤンにPKを譲るシーンがあったからです。
    「今度は決めろ、必ずやれる」というあのシーン。
    あのシーンを見た時に「ああ、この二人なら心から応援できる」と思ったのです。
    来年こそ、文句なしの一発をスパーズから奪ってくれたらと思います。

  4. ルーニー より:

    オーバメヤンとラカゼット、二人とも本当にいい選手ですね。
    これで来年ペペがRWGに入ったら、いよいよ手がつけられなくなりそうです。

  5. サンドバッグ より:

    オーバ&ラカゼットの2トップは
    サッカー史上に残る最強コンビになる
    可能性を感じさせますね。

    来期のアーセナルは
    優勝候補の一角になるような気がします。

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