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【MAN.UTD×West Ham】無策だった指揮官…勝利も主力の休養も成せなかった最悪のドロー!

ウェストハム戦で引き分け以上なら、レスターをかわしてTOP4に進出するマンチェスター・ユナイテッド。プレミアリーグ15位との一戦のミッションは、大量得点で最終節のアドバンテージを得ることです。3点差勝利なら、レスターに1点差で敗れても4位以内でフィニッシュ。5点差なら、2-0や3-1で負けても順位はひっくり返りません。スールシャール監督は、ワン=ビサカを休ませましたが、中盤と前線はベストメンバー。GKデ・ヘア、DFフォス=メンサー、リンデロフ、マグワイア、ブランドン・ウィリアムズ。MFマティッチ、ポグバ、ブルーノ・フェルナンデス、3トップはグリーンウッド、マルシアル、ラシュフォードという並びです。

立ち上がりの2分、ブルーノ・フェルナンデスの縦パスでマルシアルがボックス右に侵入すると、右足のシュートはファビアンスキが右に飛んで外に弾き出します。さらに4分、ポグバ、ブルーノ・フェルナンデスと縦につながり、右から絞ってきたグリーンウッドが左足でシュート。ボールはGKの守備範囲にいってしまいましたが、ホームチームのアタックは順調です。11分に左から蹴ったクレスウェルのFKは、GKと最終ラインの間の危険なエリアを横切って右にアウト。14分には、ラシュフォードがニアに速いボールを入れますが、フリーになったブルーノ・フェルナンデスがトラップをミスしてしまいます。

18分のマルシアルのミドルは、抑えが効かずクロスバー越え。27分にマティッチの高速の楔がマルシアルに入り、落としを受けたブルーノ・フェルナンデスが左足を振り抜きますが、コントロールできずに左に外してしまいます。31分、ハマーズのショートコーナー。ボーウェンが浮かしたボールに競り勝ったオグボンナのヘッドは、当たりが薄く枠に収まりません。フォス=メンサーとブランドン・ウィリアムズのドリブルに依存したサイドアタックはクロスに至らず、マンチェスター・ユナイテッドは攻めあぐんでいます。

37分、ラシュフォードが得意の落ちるミドルを放つと、ファビアンスキがセーフティファーストでパンチ。39分にラシュフォードと絡んだブランドン・ウィリアムズが斜めのパスでボックス左に飛び出すと、速いグラウンダーに反応したグリーンウッドのボレーは、ディオプが体を張ってブロックしました。43分、サイドチェンジを受けたベン・ジョンソンが中央にハイクロス。リンデルフに勝ったマイケル・アントニオの体当たりフィニッシュは、デ・ヘアの正面です。

45分、デクラン・ライスの強烈なFKがポグバを襲い、思わず顔の前に出した手にボールが当たってしまいます。VARを介したジャッジはPK。落ち着いて決めたマイケル・アントニオは、再開後のプレミアリーグで8戦8発の得点王です。ハーフタイムは0-1。スールシャール監督はフォス=メンサーを下げ、ワン=ビサカをピッチに送り出します。攻め続けていたマンチェスター・ユナイテッドが追いついたのは51分。マルシアルと短いパス交換を繰り返したグリーンウッドが、ボックス右から速い振りで放ったシュートがファビアンスキの指先を抜けてゴール右に飛び込みました。18歳のアタッカーは、プレミアリーグ2年めで10ゴール。再開後は8試合5ゴール1アシストでチームの躍進に貢献しています。

60分のポグバのミドルは、強く蹴りすぎてクロスバーを越えてしまいました。62分に敵陣で奪ったソーチェクからノーブル、ボーウェンとつながると、右足の強烈な一撃はデ・ヘアが上に弾くビッグセーブ。68分にデクラン・ライスがゴールの右上を狙ったミドルは、ポストをかすめて外に抜けていきます。ベンチにはイガロ、マタ、ダニエル・ジェームズ、リンガード、フレッジ…スールシャール監督は、なぜ動かないのか。機能しなくなったマルシアルと、運動量が落ちたブルーノ・フェルナンデスはそろそろ代え時ではないでしょうか。

痛んだクレスウェルをマスアクに代えたモイーズ監督は、78分にマイケル・アントニオをセバスチャン・アレにチェンジ。デ・ヘアのパントを追わなかったグリーンウッドのポジションには、ダニエル・ジェームズがいます。TOP4をめざしているはずの監督が、頼りきりのベストメンバーに手を入れたのは、85分になってからでした。ラシュフォードに代わって入ったのは、オディオン・イガロ。グリーンウッドの折り返しを右足で叩いたストライカーには、もっと時間を与えるべきだったと思います。1-1のドローで終わらせたウェストハムのプレミアリーグ残留が決定。ホームでポイントを落としたレッド・デヴィルズは、この後の試合でチェルシーが敗れたため、何とか3位に浮上しました。

タイムアップの瞬間、座り込んだグリーンウッドとマティッチ。浮かない顔で引き上げるポール・ポグバ。中6日のレスターと日曜日に戦わなければならない状況で、彼らやブルーノ・フェルナンデスを最後まで残し、無為な時間を過ごした理由がわかりません。ファーガソンなら、勝ちにいくかステイかを明確にする策を講じたのではないか。立場が逆だったら、ブレンダン・ロジャースは動いたのではないか。ポチェッティーノはどうか。ジョゼ・モウリーニョなら…。疲労を残さず次に向かうためには、勝利か休養のいずれかが必要だったはずです。

無策ゆえに、どちらも得られなかったスールシャールは勝負師ではないと思いました。最終節のレスター戦は、疲労困憊の中盤が押し込まれ、せっかくつかんだ3位から滑り落ちてしまう気がしてなりません。…いや、気持ちを切り替え、ポジティブな気分で最後のキックオフを迎えましょう。ドローでOK、負けたとしてもチェルシーがウルヴスに敗れればOK。プレミアリーグで13戦連続無敗のわれわれが、有利なのは間違いないのですから。


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“【MAN.UTD×West Ham】無策だった指揮官…勝利も主力の休養も成せなかった最悪のドロー!” への3件のフィードバック

  1. ルーニー より:

    間違いなく最悪ですよ。みんな疲れすぎているのが伝わってきますし、タイプは違いますがフォスメンサーやウィリアムズはプレミアのレベルではないでしょ。
    それと左利きCBは絶対的に必要。ビルドアップ下手すぎるしこんなにキーパーに戻すチームはありません。アケ来てくれ~(笑)

  2. やす より:

    スールシャールの指揮官としての限界が見えてきますね。
    CL圏内に入る為の戦略は皆無。
    過密日程なのに同じメンバーをかえずに疲労を蓄積させる。
    試合も選手の個人能力任せてで、戦術では勝てない。
    結局、批判を覚悟で取捨選択のできないところがあとを引いてる気がします。
    この辺はブレミアを諦めて、EL制覇でのCL獲得に切り替えた以前のモウリーニョとの違いがよくわかります。
    少なくともFAカップで主力あんなに疲労させることはしなかったと思います。

    FAを落とし、CL圏内に入れず、ELも取れないバットエンディングは見たくありませんが起こりそうで怖いです。

  3. ぎぐ爺 より:

    スールシャールではこのまま最終戦で勝ち点あげてCL出場権とっても、明るい未来が見えない。
    仮に来シーズンのCL出場権が獲得できたとしても、今シーズンのガナーズよりひどいことになるかも。

    ひとまず、5位で終わったら即解任してほしい。
    幸い、FA落とした事でスケジュールに余裕があるし、
    ELもQFまでは選手のクオリティーを比較すれば全く問題ないので。

    PL終了後、即解任→キャリック暫定でEL優勝→ポチェ就任ってな具合に・・。

    一番いいのは4位フィニッシュでスールシャール勇退→ポチェ就任なんだけど。

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