イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Bournemouth×MAN.CITY】惜しかったボーンマス…アグエロに2発喰らって善戦及ばず!

本拠地エティハドでトッテナムに引き分け、プレミアリーグ全勝優勝の可能性がなくなった(⁉)マンチェスター・シティは、昨季14位のボーンマス相手に勝ち点を落とすわけにはいきません。エディ・ハウ監督が8年めを迎えた小さなクラブは、ルイス・クック、デヴィッド・ブルックス、スタニスラスなどプレミアリーグ最多となる7人の負傷者を出しており、10月までは苦しい戦いを強いられそうです。ペップの11人は、多くの方が予想できたのではないでしょうか。GKエデルソン、DFカイル・ウォーカー、オタメンディ、ラポルテ、ジンチェンコ、MFギュンドアン、デブライネ、ダヴィド・シルヴァ、3トップはベルナルド・シウヴァ、アグエロ、スターリングといった顔ぶれです。

開始1分、敵陣でデブライネから奪ったジョシュア・キングがボックス手前まで持ち込んだとき、事件が起こると身構えましたが、フリーのシュートはエデルソンの正面に飛んでしまいました。下位に沈んだチームといえども、簡単に勝てないのがプレミアリーグ。先制ゴールを許して引かれるとやっかいです。7分、ダヴィド・シルヴァが左サイドでラインの裏に流すと、DFの背後を取ったスターリングが中央にグラウンダーを通しますが、ベルナルド・シウヴァのボレーは右に切れていきます。10分にナタン・アケの足をさらったカイル・ウォーカーは、数分前にも同じ相手に同じようなラフプレーをやったばかり。厳しいレフェリーなら、差し出されたカードは黄色ではなかったでしょう。

13分、左サイドのライアン・フレイザーが縦に通したロングフィードをカラム・ウィルソンが追いかけると、今度はボックスから出たエデルソンが飛び蹴りを喰らわせる格好となってしまいました。不穏な空気を吹き飛ばす先制ゴールは15分、ダヴィド・シルヴァが左に流したボールを縦に持ち込んだジンチェンコが立役者です。グラウンダーを受けたデブライネのボレーは明らかにミスキックでしたが、こぼれ球がエースの足元に転がる幸運を得ました。ナタン・アケの前でトラップしたアグエロは、左のサイドネットに届く狭いコースを見逃さず、左足で今季プレミアリーグ3発めを流し込みました。

これでラクになったアウェイチームは、20分にも決定機を創ります。ジンチェンコのクロスをダニエルズがクリアすると、落下点にいたダヴィド・シルヴァの右足ボレーはGKラムズデールが右にセーブ。デブライネの浮き球でカイル・ウォーカーがボックスに侵入したチャンスも、ラムズデールが先着して事なきをえます。31分、クロスを蹴った際に軸足を痛めたダニエルズが担架で運ばれ、ハリー・ウィルソンにチェンジ。リヴァプールから借りてきた22歳の有望株は、後に今季プレミアリーグのベストゴールに選ばれそうな大きな仕事をやってのけるのですが、その前にマン・シティのキーマンが挙げた追加点を紹介しなければなりません。

右サイドでキープしたベルナルド・シウヴァが中央のダヴィド・シルヴァに流すと、ビリングとスティーブ・クックの間の狭いスペースを射抜く絶品スルーパスがスターリングに通ります。快足アタッカーは、ラムズデールの飛び出しを見ながら軽快にプッシュ。今季プレミアリーグ5ゴールめは、マン・シティの真骨頂というべきスピーディーなアタックでした。0-2で終わるかと思われた前半終了間際、ボックス手前で得たFKをハリー・ウィルソンが右のポストにぶつけてねじ込みます。名手エデルソンも触れないスーパーショット!希望をつないだボーンマスは、後半開始からしばらくはジンチェンコのクロスに苦しめられますが、52分にエデルソンを慌てさせる決定的なチャンスをつかみます。

ハリー・ウィルソンのスルーパスでラポルテを振り切ったカラム・ウィルソンがGKと1対1。エデルソンが落ち着いて足に当てなければ、マン・シティは勝ち点を落としていたかもしれません。60分にグラウンダーを受けたダヴィド・シルヴァがレルマと接触したかに見えたシーンは、VARでノーファール。勝負が決したのは、63分でした。スローインをさらったプレミアリーグ王者のショートカウンター。ダヴィド・シルヴァのドリブルはナタン・アケのタックルで止められますが、フォローしたアグエロがこぼれ球を押し込みました

ロドリ、マフレズ、ジョアン・カンセロと、これから必要となる選手たちのフィット感を高めたぺップは、2点差となってからは冷静に試合を追えたでしょう。最終的にはボーンマスの完敗でしたが、0-2とされてからの20分間、マン・シティを追い詰めたチームに拍手を送りたいと思います。ターニングポイントは2つ。39分にハリー・ウィルソンのクロスをオタメンディが胸トラップでプレゼントしたボールを、アダム・スミスが枠に押し込めなかったシーンと、カラム・ウィルソンとエデルソンが向き合った絶好機です。いずれかで同点に追いついていれば、王者の焦りを誘えたかもしれません。オンターゲットで7対5と上回っていただけに、ここぞというシーンで決められなかったのが悔やまれます。

プレミアリーグ3節は、ホームで勝ったのがリヴァプールとアストン・ヴィラだけという乱戦模様。マンチェスター・ユナイテッドとトッテナムが、クリスタル・パレスとニューカッスルに足をすくわれ、1勝1分1敗が10チームという戦国時代ムードとなっています。そんななかでも、DFが不安定だったゲームをきっちりものにするマン・シティはさすがです。首位レッズとのギャップは2ポイント。11月9日の天王山の前に、昨季と同様に2強が別世界を築き上げそうな雲行きです。(セルヒオ・アグエロ 写真著作者/Екатерина Лаут)

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“【Bournemouth×MAN.CITY】惜しかったボーンマス…アグエロに2発喰らって善戦及ばず!” への4件のフィードバック

  1. グッチ より:

    シティがここで勝ち点を落とすとは思えなかったので、結果だけ見ると「そりゃあそうなるか」って感じですが、時間帯区切るとボチボチチャンスはあったようにも見えます。
    アケがファーストプレスを外せるシーンがあったので、もう少し我慢して繋ぐだけでも時間を使えたと思います。まあ難しいですが…
    リヴァプールファンとしてはウィルソンのFKと、ソランケ、アイブが元気にやってる姿を見て満足とします笑

  2. ペップの街 より:

    デ・ブライネのミスキックがなんとアグエロに絶好のパス!こんなこともあるんですね!
    スパーズがパレスに敗れたり、マンUが取りこぼしたりと波乱続きの序盤ですね。放映権料の各クラブへの分配等で下位チームも良いプレーヤーを確保し、ザハなんかも一人で打開したり決めることができるのでトップ6も油断出来ないです。

  3. xof ybot より:

    2点差に戻して試合をまとめたいシティのもどかしさが伝わってくる後半でした。
    ボーンマスの時間もあった中で綺麗な形ではありませんでしたが、突き放す2点目をもたらしたのはPA内に突入していったシルバと彼を追い越しながらこぼれ球を狙っていたアグエロ。シルバは直前にPA内で倒されてPKか?と思わせるようなシーンもあり、次倒したら…という思いがボーンマス守備陣にもあったかもしれませんが、こういう均衡を崩すプレーができる選手としてやはりキーマンでしたね。結果論ですが、ギュンドアンを下げてもシルバを残した采配が吉と出たように思います。
    逆にボーンマス側にとってはマイボールのスローインのロストが失点につながってしまい勿体無い形でした。中盤をほぼ制圧されている状態でしたが、前線への繋ぎ役になれるブルックスの復帰まで辛抱が続きますね。

    あとスパーズを破ったのはパレスではなくニューカッスルですよ。

  4. ペップの街 より:

    御免なさい、スパーズはニューキャッスルに負けたんでした。
    パレスに負けたのはマンUでした。

コメントを残す