イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Tottenham×Newcastle】ポゼッション81%で0-1⁉ スパーズはなぜ勝てなかったのか…?

ポゼッション81対19、パス本数763対190、シュート本数17対8。ハーフコートマッチが日常であるマンチェスター・シティでも、ここまで一方的な数字を残すのは稀です。プレミアリーグ3節、トッテナムVSニューカッスル。結果を知らない方に、勝ったのはポゼッションが2割を切ったほうだとささやいたら驚くでしょう。強者が足をすくわれる典型的なパターンにはまってしまったチームは、デル・アリとエンドンベレが不在で、エリクセンとロ・チェルソはベンチスタート。彼らに足りなかったのは、創造力とシュートの精度でした。

この日のスパーズは、突破力に長けたタレントを揃えていました。GKロリス、DFカイル・ウォーカー=ピータース、アルデルヴァイレルト、ダヴィンソン・サンチェス、ダニー・ローズ。セントラルMFはシソコとハリー・ウィンクス、2列めにルーカス・モウラ、ラメラ、ソン・フンミン、最前線は今季プレミアリーグ2ゴールの大黒柱ハリー・ケインといった布陣です。ニューカッスルのスティーヴ・ブルース監督の選択は5-4-1、CLファイナリスト相手に迷いなき守備的フォーメーションです。サイドに配されたマット・リッチーとエミル・クラフトはCBと同じ高さに構え、大半の時間をソン・フンミンやSBが仕掛けるサイドアタックに費やし、普段はジョエリントンの後ろで機能するアルミロンも右サイドで守備に加勢しています。

チェルシー相手に2度追いついたノリッジや、マンチェスター・シティの最終ラインをしばしば慌てさせたボーンマスを観た後だったこともあり、最初の20分は退屈でした。開幕節のアーセナル戦で素晴らしいドリブルを披露したサン・マクシマンが負傷し、クリスティアン・アツにチェンジ。ただでさえ守備的だったニューカッスルは、さらにゴールが遠くなってしまったように感じられたのですが、先制ゴールの仕掛け人は左サイドにいたアツでした。ダヴィンソン・サンチェスの目を盗んで巧みに遠ざかったジョエリントンを見逃さなかったレフティが浮き球を通すと、ダニー・ローズのチェックが遅れ、マグパイズの新エースが左足のシュートを左隅に突き刺しました。

この3分前に、ロングフィードがジョエリントンに届いたシーンがあり、落としを受けたロングスタッフの強烈なシュートをロリスが上に弾き出したのですが、白いシャツの帰陣が遅れたために逆サイドで2人がフリーになっていました。スパーズの敗因のひとつは、危険なアタッカーへのチェックがずれる守備陣でした。0-1とされたホームチームは、33分にソン・フンミンが左サイドを突破。右に流れたクロスを拾ったカイル・ウォーカー=ピータースがファーに浮かすと、ノーマークだったソン・フンミンが鋭いボレーでニアを狙いますが、GKドゥブラフカが冷静にセーブしてリードを守りました。

スパーズの2列めは、ドリブルに自信がある面々だけに球離れが悪く、しばしば攻めのスピードを落とす原因となっていました。48分にハリー・ケインが左からドリブルで上がり、ファーに浮かしたボールがDFを越えてルーカス・モウラに届きますが、窮屈なボレーは枠に収まりません。セカンドハーフも流れは変わらず、ニューカッスルの5バックはゴール前に美しいラインをキープしています。ポチェッティーノ監督が勝負に出たのは62分。カイル・ウォーカー=ピータースとラメラを下げ、エリクセンとロ・チェルソです。

焦るスパーズはピッチをワイドに使えず、ボールが中央に集まったためにオレンジの選手が作った渋滞にはまり続けました。77分、ボックス右で縦パスを受けたハリー・ケインがラッセルズと絡んで転倒しますが、VARをチェックしたマイク・ディーンさんのジャッジはPKではありませんでした。CBは体勢を崩してピッチに這っただけという判断だったのでしょう。81分にシソコがボックス右を崩したチャンスは、クロスを受けたルーカス・モウラがボレーをふかしてしまい、アタッカーたちは申し合わせたように頭を抱えています。最後までカウンターに悩まされ続けたスパーズは、オンターゲット2本では勝利は望むべくもありませんでした。

プレミアリーグ開幕節から3戦連続で先制点を許しているスパーズは、カウンターに対する守り方を修正できなければ、取りこぼしは減らないのではないでしょうか。無敗の2強に対して、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、トッテナムは1勝1分1敗。ビッグ6といわれ続けてきたプレミアリーグは、2超4強、あるいは2強6中といった展開になりそうな雲行きです。スパーズの次節はノースロンドンダービー。レッズの背中を早々に見失いたくなければ、ライバルとのアウェイゲームは必勝です。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“【Tottenham×Newcastle】ポゼッション81%で0-1⁉ スパーズはなぜ勝てなかったのか…?” への5件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    スタッツはスパーズが圧倒しているように見えますが、ニューカッスルが慌てる場面はほぼありませんでした。
    試合は終始退屈で、サイドにボールが入ったときはトリッピアがいれば、試合終盤ではジョレンテがいればといなくなった選手のことばかり思い起こさせました。
    ですが、まだリーグは始まったばかり。
    次節はノースロンドンダービー、ここで勝利し勢いに乗りたいものです。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    サンチェスとローズの間を狙われまくってました。契約のこともあるんでしょうが、ダービーではヤントビーのコンビでいいです。

  3. xof ybot より:

    引いた相手に苦しむのは予想していましたが、失点の仕方が悪すぎました。
    前半はラメラが、後半はシソコが、それぞれ中央やサイドで、ボールの動かし方に工夫を凝らそうとしていましたが、問題はその後方、DFラインが自信喪失気味だということ。
    フェルトンゲン不在のリスクが顕在化したのでしょうか、スターリングをまあまあ抑えていたKWPはアツにぶち抜かれまくり、ジョエリントンに競り負け続けた2CBはロングボールを蹴らせた前線のプレスを台無しにしていました。時間が経てば経つほどニューカッスルが団結してブロックを築く一方、スパーズはバラバラ。
    負け方という意味ではリヴァプールを堰き止めきれなかったアーセナルより遥かに悪い負け方で、来週に向けて不安しかありません。。。

  4. レッズファンぴこ太郎 より:

    2超4強。素晴らしい響きです。ゴチになります。

  5. ヒーピアはイケメン より:

    2超4強は言い得て妙ですね。
    なぞらえて言えば、今のプレミアは2超4強14中という感じがします。

コメントを残す