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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Chelsea×Brighton】鋭いプレスと鮮やかな速攻…ランパードがサポーターに愛される理由。

プレミアリーグ6節で、首位リヴァプールに1-2でホーム敗戦。2勝2分2敗で11位に沈んでいるチェルシーは、スタンフォード・ブリッジで連敗するわけにはいきません。ブライトンはプレミアリーグ開幕節でワトフォードに勝って以来、5試合連続勝利なし。必勝のランパード監督は、前節から3人をスイッチしています。GKケパ、DFアスピリクエタ、フィカヨ・トモリ、クリステンセン、マルコス・アロンソ。中盤はジョルジーニョ、ロス・バークリー、メイソン・マウントで、前線にウィリアン、ペドロと、プレミアリーグ6戦7発のタミー・アブラハムといった顔ぶれです。キックオフから2分、ウィリアンのダイレクトパスで抜け出しかけたペドロは、うまくトラップできず。4分にCKのクリアを直接叩いたジョルジーニョも、的確にミートできずに右に外します。

12分、左から斬り込んだウィリアンのミドルは、クロスバーの上。14分の左サイドからのFKは、メイソン・マウントのキックがタミー・アブラハムの頭をかすめてファーポストを叩きました。ウィリアンがボックスの手前から再三放つシュートは、ことごとく最終ラインにブロックされますが、執拗にプレスをかける前線の動きは悪くありません。サッリの下では「持つチーム」だったブルーズは、ランパード就任で「走るチーム」に変貌を遂げています。

33分、自陣右サイドからのモントーヤのロングフィードで、モペイがCBの間を抜け出しかけますが、ケパがボックスの入口に飛び出し胸でブロック。36分にマルコス・アロンソがファーに浮かしたアーリークロスは完璧でしたが、ロス・バークリーのボレーはGKマシュー・ライアンが素晴らしい反応を見せてCKに逃れます。41分の波状攻撃は、アスピリクエタのクロスに走り込んだマルコス・アロンソがフリー。決まったかと思われたスライディングボレーはファーポストの外に逸れてしまい、SBはポストを蹴って悔しがっています。

ペドロが切り返しから放った左足のミドルがマシュー・ライアンの懐に収まり、前半は0-0。勝負を分けたターニングポイントは、後半開始早々の49分に訪れました。バックパスを受けたウェブスターのタッチが中途半端になり、メイソン・マウントがさらった瞬間、15番は足を出してアタッカーを引っかけてしまい、レフェリーの笛に天を仰ぎます。ジョルジーニョが冷静に左に決めて1-0。直後にロス・バークリーがドリブルで仕掛けた速攻は、ボックス右でラストパスをもらったペドロの一撃をマシュー・ライアンがセーブしました。

60分、ロス・バークリーが左に流すと、メイソン・マウントが囲まれて失いますが、20歳のMFの執拗なチェイスに音を上げたスティーヴンスがバックパスをタミー・アブラハムにカットされてしまいます。ダイレクトの左足シュートは、コースを切ったマシュー・ライアンが体に当てるビッグセーブ。新しいエースの今季プレミアリーグ8発めはなりませんでした。ランパード監督は63分にペドロを諦め、カラム・ハドソン=オドイを投入。68分には守備における貢献度が低かったロス・バークリーを下げ、コヴァチッチに右のインサイドを託します。

71分、左サイドにいたアルゼートがコヴァチッチをかわして中央へ。左足のシュートはクリステンセンに当たって左ポストすれすれを抜けていきます。73分のCKで叩きつけたヘディングがクロスバーにヒットしたバーンは、3分後にウィリアンを自由にさせて失点の原因となってしまいました。ハドソン=オドイのパスを受け、ボックス右に入ったブラジル人MFが思い切りよく右足を振り抜くと、バーンのつま先に触れたボールがマシュー・ライアンの逆を突いてニアポスト際に飛び込みました。

78分、自陣からドリブルで突進したタミー・アブラハムは、コヴァチッチのパス交換から強引に縦に突破し、マシュー・ライアンと1対1。フィニッシュはまたしてもGKの左手に遮られ、若いストライカーはゴール裏のフェンスに手をかけて悔しがっています。スタンフォード・ブリッジのサポーターたちは、21歳のチャレンジに温かい拍手。サッリ時代より勝率は悪くとも、アカデミー出身の若手が仕掛けるスピーディーなアタックが気に入られているのでしょう。

チェルシーは最後までゴールを許さず、ランパード監督は初めてクリーンシートで勝利を飾りました。メイソン・マウントの勇敢なプレス、ウィリアンの豊富な運動量、タミー・アブラハムの強靭なフィジカルが目立った一戦。昨季はサッリにブーイングを浴びせたスタンドに、ランパードコールが鳴り響くのも納得です。

そんななかで、私はロス・バークリーが気になりました。前線の選手たちを走らせるパスワークは素晴らしかったのですが、問題は緩いプレスと帰陣の遅れです。ウィリアンがサイドの選手にチェイシングをかけてバックパスを出させた際に、ロス・バークリーが詰めておらず、10番が両手を広げて連動しろと怒鳴るシーンがありました。攻撃センスはコヴァチッチをしのぐのに、出番が少ないのは、守備に対する意識が低い時間帯があるからでしょう。未完の大器がひと皮剥ければ、ヤングブルーズは欧州制覇がめざせるチームに成長するのではないでしょうか。速攻の仕掛け人としての動きが素晴らしかったゆえに、あえて激励させていただきました。

この快勝をきっかけに、チェルシーは連勝街道を進むことができるでしょうか。今後のプレミアリーグは、サウサンプトン、ニューカッスル、バーンリー、ワトフォード、クリスタル・パレス。今の彼らなら、全勝をめざせる相手です。タミー・アブラハムとメイソン・マウントの次は、プレミアリーグでは未だノーゴールのハドソン=オドイでしょう。若いアタッカーたちとCBのさらなる成長が楽しみです。

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“【Chelsea×Brighton】鋭いプレスと鮮やかな速攻…ランパードがサポーターに愛される理由。” への5件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    更新お疲れ様です
    初クリーンシートでチェルシーもやっと落ち着いてきましたね
    攻撃はオドイが帰ってきたことでだいぶプラスになったと思います
    バークリーは確かに厳しい、カンテが帰ってきたら出番も少なくなるでしょうね

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    ライアン凄かったですね
    この試合を2-0で抑えたのは流石です。

  3. n より:

    ジョルジーニョも効いていましたね

  4. ワルテル より:

    更新ありがとうございます。
    管理人さんはかなり前からバークリーに目をかけているというか、注目しているみたいですね。イングランド代表のカギを握るプレーヤー、ともお感じなのでしょうか。
    個人的には両翼の人材が豊富だからか、プリシッチの出番がない点は気になります。フィットしてないからなのか、もう少しプレーを見たいけど、空きがない状況がもどかしいです。
    nさんの仰るように、ジョルジーニョのファイトもよかったと思います。攻めではなかなかアシストがつかないし、守備も走力に難と欠点がメディアでは書かれていますが、カンテのように頼もしい中盤の存在になりつつある、と思います。

  5. プレミアリーグ大好き! より:

    新10番ウィリアンのシュート意識の高さが良かったです。去年はポゼッション70%でシュート3本とかありましたからね。

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