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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Saints×Leicester】震撼のゴールラッシュ!セインツは10人、レスターは史上初のアウェイ9発!

フライデーナイトに行われたプレミアリーグ10節、サウサンプトンVSレスター。事件のきっかけとなったのは、10分のプレイでした。立ち上がりは形勢互角。5分を過ぎ、徐々に攻勢を強めていたアウェイのレスターは、バートランドのトラップにアヨゼ・ぺレスが絡んでショートカウンターが発動。ルーズボールをさらったエンディディがドリブルで中央に持ち込むと、左にいたジェームズ・マディソンを押しのけるようにしてチルウェルが前線に上がっていきます。パスをもらった左SBがダイレクトで中央のハーヴィー・バーンズにラストパス。21歳のアタッカーもノートラップでシュートを放つと、アンガス・ガンが弾いたボールがチルウェルの前に転がります。左足で難なくGKの脇を抜いて0-1。ここまでは、よくある「早い時間の先制点」でした。

レフェリーのアンドレ・マリナー氏が、ジェスチャーでVARを示しています。ハーヴィー・バーンズにもチルウェルにもオフサイドはなかったはず。しばしのチェッキングタイムの後、バートランドに出たレッドカードを見て、アヨゼ・ぺレスへのタックルが脛に入ったのを問題視していたのがわかりました。10人になったセインツの選手たちとセント・メアリーズのサポーターは、間もなく押してはいけないスイッチにタッチしてしまったことに気づかされます。ブランダン・ロジャースの下で獰猛になったプレミアリーグ3位チームは、左WBを欠いたチームは攻めつぶせばOKと確信したようです。残り時間は80分弱。プレミアリーグファンを震撼させる恐怖のゴールショーの開幕です。

17分、チルウェルが自陣からドリブルで上がった左サイドからのアタック。ヴァレリーとロメウを次々と抜いたハーヴィー・バーンズがグラウンダーを入れると、ボックスに戻ったヴァレリーの足に当たったボールがティーレマンスの足元に届きました。GKガンの左にコースが空いていると見たMFが、ワントラップから迷わず右足を振り抜き0-2。2分後、リカルド・ペレイラのパスを受けたアヨゼ・ぺレスがボックス右に入ったティーレマンスをポストに使い、右足でニアを抜きました。開始から20分、すでに勝負は決していますが、20代前半の選手が過半を占めるチームの勢いは止まりません。

39分、エンディディのパスが左のチルウェルに通ると、ファーポスト際にふわりと浮かしたボールにアヨゼ・ぺレスが飛び込み、ボレーで合わせて0-4。前半最後のゴールも、エンディディとチルウェルのホットラインによってもたらされました。絶好調の左SBは、サイドチェンジをダイレクトで中央へ。ウォード=プラウズのヘッドは後方に逸れ、落下点にはジェイミー・ヴァーディーという最悪の展開です。吉田麻也をあっさりかわしたエースが飛び出したGKの肩越しに決めて0-5。後半に入ってもアウェイチームは手綱を緩めず、戦意喪失のセインツは次々と失点を重ねてしまいます。

プレミアリーグではなかなか見られない6点めが決まったのは66分。エンディディ、ティーレマンス、ジェームズ・マディソンがテンポよくパスをまわしながら、紅白のストライプの最終ラインを振り回し、左のハーヴィー・バーンズにボールが入った瞬間、中央のアヨゼ・ペレスがラインの裏に走り出します。吉田麻也がポジションを上げるのを怠ったために、浮き球が入ってもラインズマンの旗は上がらず。フリーで叩いた胸トラップからの左足ボレーに、GKガンはノーチャンスです。アヨゼ・ぺレスのハットトリックの1分後、ジェームズ・マディソン、ハーヴィー・バーンズ、チルウェルと縦につながり、左SBがゴールライン際からニアに浮かすと、ノーマークのエースがイージーなヘディングシュートをネットに突き刺しました。

残り20分で0-7。残る興味は、2ケタの大台に乗るかどうかです。85分にジェームズ・マディソンが美しいFKを左隅に決めると、レスターは9点めを決められないまま追加タイムに突入しました。ゴールショーの終わりは、プレミアリーグを制覇したシーズンを思い出させる自陣からの縦1本でした。飛び出したヴァーディーが、ベドナレクに引っかけられてPK。テレビカメラは、半分以上が空席となったゴール裏とPKキッカーを同時に映し出しています。エースが右隅に決めてハットトリックを達成し、セインツの選手たちは辛い職場から解放されました。

ポゼッション73%、シュート25本でオンターゲット15本。リヴァプールOBのローレンソンは1-1、リヴァプールファンのアーノルド・シュワルツェネッガーは2-2、スカイスポーツの評論家チャーリー・ニコラスも2-2と予想した一戦は、想定外のワンサイドゲーム。レスターの選手たちは、2日後に控えたヴィチャイ・スリヴァッダナプラバ元会長の一周忌に、色とりどりの9本を献花しました。1995年3月にマンチェスター・ユナイテッドがイプスウィッチを9-0で下して以来、2度めの最多ゴールですが、アウェイで9発はプレミアリーグ史上初の快挙です。ダイレクトパスとラインの裏への浮き球を駆使したダークホースの豪快なゴールラッシュ。いや、凄かった…今はまだ、そんな月並みな言葉しか出てきません。

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“【Saints×Leicester】震撼のゴールラッシュ!セインツは10人、レスターは史上初のアウェイ9発!” への2件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。こんなゲームもあるんですね。
    セインツはかなりショックな負けなのではないでしょうか。引き分け挟んでここ5ゲームで1分4敗。次はシティ戦。チームとしても監督もかなり厳しくなりましたね、、、。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    まさかプレミア史上初だとは思いませんでしたね。平気で大量得点を取るシティを見なれているせいか、9ゴールくらいとっくに達成されてるものと思ってました笑

    しかしセインツは相変わらず弱いですね。今までよくプレミアで生き残れたのが不思議なくらいです。

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