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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Watford×Chelsea】圧巻ジョルジーニョ&絶妙コヴァチッチ!チェルシーはアウェイ7連勝!

補強禁止、アザール移籍、プレミアリーグ開幕戦で惨敗。厳しいシーズンになると予想されていたランパード監督のチェルシーが、こんなに早く立ち直るとは思いませんでした。リュディガーを欠いた最終ラインは失点16と発展途上ですが、タミー・アブラハムとメイソン・マウントが牽引する攻撃陣は迫力充分です。最下位ワトフォードの本拠地ヴィカレージ・ロードに乗り込んだ青いシャツは、5分にあっさり先制点を決めました。メイソン・マウントのパスをダイレクトで蹴ったジョルジーニョのスルーパスは、圧巻のひとこと。ラインの裏に飛び出したタミー・アブラハムがGKの頭上に浮かし、今季プレミアリーグ9発めがネットを揺らしました。

GKケパ、DFアスピリクエタ、ズマ、フィカヨ・トモリ、エメルソン。MFジョルジーニョ、コヴァチッチ、メイソン・マウント、前線はウィリアン、タミー・アブラハム、プリシッチです。余裕をもってパスをまわすアウェイチーム。ワトフォードはキャスカートが足を痛めたようです。コヴァチッチが下がりめのポジションでボールを散らし、ジョルジーニョは前線に近い位置でフリーになろうとしています。

17分、中央に持ち込んだメイソン・マウントのシュートがドーソンに当たり、タミー・アブラハムの足元へ。追加点かと思われた1対1は、右のサイドネットを狙った一撃をGKフォスターが外に弾き出します。CKに競り勝ったプリシッチのヘッドは、左隅に落ちてくる難しいボールでしたが、フォスターが手を伸ばして何とかセーブ。キャスカートはやはりプレイ続行不可能で、20分にマリアッパに後を譲りました。

短いパスをつないでサイドを崩そうとするチェルシーに対して、ワトフォードは精度の低いロングフィードに依存しています。序盤は右サイドで脅威になっていたウィリアンは、30分を過ぎるとミスが目立ち始めました。39分、自ら蹴ったCKのクリアからパスがまわってきたデウロフェウが、中央に斬り込んで左足を振り抜きますが、ボールはファーポストぎりぎりで外に逸れていきます。43分、またもメイソン・マウントが中央に斬り込み、右足で思い切りよく放ったシュートはフォスターの手を弾いてクロスバーにヒット。ポゼッション68%とプレミアリーグ最下位を圧倒したチェルシーは、1点リードで後半を迎えました。

47分、プリシッチのミスパスを敵陣で奪ったデウロフェウが一気にゴール前へ。走り込んだアンドレ・グレイのシュートは、ズマが体を張ってストップします。2分後、ウィリアンが右からドリブルで上がり、逆サイドのメイソン・マウントにラストパスを通すと、ワントラップボレーはフォスターが冷静にセーブ。同点をめざすワトフォードが攻めに転じて間もなく、チェルシーが55分に決定的な追加点をゲットしました。コヴァチッチがフリーのウィリアンに斜めのパスを入れ、ブラジル人はすかさず右のタミー・アブラハムに展開。ゴール前に入った完璧なグラウンダーに、プリシッチは触るだけでした。

59分、ボックス左に抜けてきたプリシッチが左足で狙うと、フォスターが足でセーブ。62分にウィリアンの縦パスでボックス右に走ったアスピリクエタが、ゴールラインから折り返したボールをクリアされ、リバウンドをダイレクトで叩いたコヴァチッチの一撃はGKの正面です。69分、コヴァチッチが2人かわしてするすると上がり、タミー・アブラハムに柔らかい縦パスを転がすと、エースのシュートは黄色い壁に阻まれ、3点めはなりませんでした。

77分、自陣ボックス内でコヴァチッチがジョルジーニョにパス。これを奪ったデウロフェウの足をジョルジーニョが引っかけてしまい、ワトフォードにPKが与えられました。思い切り蹴ったデウロフェウは、今季プレミアリーグ初ゴール。ランパード監督は、83分にプリシッチをハドソン=オドイにスイッチします。88分、タミー・アブラハムに代わってバチュアイ。1分後、エメルソンが前線に浮かしたボールに反応したバチュアイは、マリアッパと入れ替わってGKの前に躍り出ますが、マジーナが足元に滑り込んでシュートをブロックしました。

追加タイムは5分、猛攻を仕掛けるワトフォード。最後は劇的な幕切れでした。左からのFKをアンドレ・グレイが頭でスライドすると、フリーでヘディングシュートを放ったのは守護神フォスターでした。右隅に飛んだボールをケパが素晴らしい反応で外に弾き出し、そのままタイムアップ。2人のGKはハグをかわし、互いのビッグセーブを称え合いました。

カンテ不在のチェルシーにおいて、スムーズな攻守の切り替えを実現しているのは、ジョルジーニョとコヴァチッチです。守備のクオリティが上がったジョルジーニョは、とにかくボールを取られないコヴァチッチがビルドアップ時の負担をシェアしてくれることで、サッリ時代よりもアグレッシブにプレイできています。タミー・アブラハム、メイソン・マウント、フィカヨ・トモリら若手の躍動に目を奪われがちな新生チェルシーですが、中盤の2人、さぼらないウィリアン、復調したアスピリクエタなど、主軸の仕事が好調を支えているのだとあらためて感じさせられた一戦でした。

プレミアリーグ開幕節のマンチェスター・ユナイテッド戦に敗れて以来、公式戦でアウェイ7連勝。プリシッチがフィット感を高め、多彩な攻撃を仕掛けられるようになったチームが13節のエティハドでどんな試合を見せてくれるのか、俄然楽しみになってきました。リヴァプールとの8ポイント差は、追撃を諦めなければならない数字ではありません。ケーヒル、ザッパコスタ、ダヴィド・ルイス、アザールが抜けた穴を、若手のブレイクと中盤のクオリティUPで埋めきってしまったランパード采配をリスペクトしつつ、今後の戦いぶりをしっかり追いかけたいと思います。(タミー・アブラハム 写真著作者/@cfcunofficial (Chelsea Debs) London)

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“【Watford×Chelsea】圧巻ジョルジーニョ&絶妙コヴァチッチ!チェルシーはアウェイ7連勝!” への4件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    ジョルジーニョ&コバチッチペアが躍動しすぎて、カンテ早く戻ってきて欲しいけど戻ってきて欲しくないっていう複雑な感情になってます(笑)

  2. ゆう より:

    今シーズンのチェルシーは本当にいいチームですね、序盤戦は白星が続かなくても将来性に期待してある程度のことには目を瞑ろうと思っていたのですがとんでもない出来ですね。
    若手は躍動、ベテランはハードワーク、どんどん成長していくチームなので毎試合見るのが楽しみです。

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    フォスターの好セーブ連発がなければもっと大差になってた
    ケパとのハグといい、試合後のコメントといい、選手としても人としても本当に尊敬に値する

    しかし今季のチェルシーは(ry
    まだあまり出れてないジェームスやギルモア、ローニーにも実力は既に十分なアンパドゥやギャラガー、トップ下コンバートで開花したブラウンにJCSやチャロバも控えてる
    アカデミーは相変わらず優秀で結果を出し続けてるし、ランパードの監督としての成長も…楽しみでしかない

    ただ、いくら今のコンビが好調とはいえ、カンテに早く戻ってもらわないないとさすがに疲労や怪我が怖い
    マウントやタミーもほぼ出ずっぱりだし、年末年始を乗り切るためには離脱組も含めた全員が必要

  4. ガナユ より:

    ジョルジーニョのパスはトヨタカップのピルロを彷彿とさせる素晴らしいパスでした

    ジョルジーニョはロングレンジでパス出せたんですね。サッリ変わって逆に活き活きしているのはサッカーの面白い所ですね。

    チェルシーは選手が活き活きしてて見てて楽しいです。あと羨ましい(笑)

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