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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Everton×Tottenham】アンドレ・ゴメスの1日も早い完治をお祈り申し上げます。

そのアクシデントは、79分に起こりました。グディソンパークで行われたプレミアリーグ11節、エヴァートンVSトッテナム。不振のクラブ同士の対決は、63分にスコアが動きました。左サイドでボールを持っていたイオビは、最終ラインに戻そうと蹴った瞬間、とんでもないことをしたと気づいて頭を抱えました。さらったのはソン・フンミン。左でスルーパスをもらったデル・アリが中央に持ち込んでホルゲートを抜き去り、完璧なシュートを左隅に突き刺しました。

0-1で勝っていたアウェイチーム。アシストを決めていたソン・フンミンは、あのとき、イオビを執拗にチェックした後、パスが出たほうに走ってアンドレ・ゴメスのドリブルをスライディングで止めようとしました。足を引っかけられて倒れたエヴァートンのMFは、前にいたセルジュ・オーリエに激突し、あろうことか転倒したSBのスパイクが曲がった右足に入ってしまいます。イエローカードをもらったソン・フンミンは、ピッチに寝ていたアンドレ・ゴメスのほうに歩を進め、患部を見た瞬間に頭を抱えました。駆け寄ったルーカス・モウラは目を背けて現場から離れ、リシャルリソンとイオビも頭に手をやり、呆然としています。

スタンドの前列にいた女性たちは、手で口を押さえながら後ろを振り返っています。痛ましい事故が起こったのは、明らかでした。DAZNのカメラはアップの映像を流せず、リプレイはソン・フンミンの足がかかったところでストップしています。韓国代表ストライカーは、メディカルスタッフに早く来てくれとジェスチャーで示した後、号泣。ジェンク・トスン、ピックフォード、ダヴィンソン・サンチェスが7番に声をかけ、冷静になるように促しています。「加害者の役割を強いられた被害者」とでもいうべきセルジュ・オーリエもまた、いつもの強気が嘘のように体を折り曲げ、やがて天に祈りを捧げ始めました。レフェリーのアトキンソンさんは赤いカードを取り出し、憔悴したソン・フンミンに突き付けました。

メディカルスタッフの迅速な処置がスタンドと選手たちを落ち着かせ、アンドレ・ゴメスを寝かせた担架が動き出すと、グディソンパークは拍手に包まれました。接触から5分後の84分、ピッチにシグルズソンが入ると、左からのFKでゲームは再開されました。ここからの20分弱を、21人はどんな気持ちで戦ったのでしょうか。追加タイムは12分。97分にミナのサイドチェンジを受けたディーニュがダイレクトで中央に送り、ジェンク・トスンが美しいヘディングシュートを決めました。事故の直後、ソン・フンミンとアンドレ・ゴメスの両方を献身的にフォローしていたストライカーのゴールに、少しだけ救われた思いがしました。

DAZNの解説が、「報復」という言葉を使ったのはいただけません。観る者を煽る言葉は、よほどあからさまでなければ、口にするべきではないでしょう。直前にアンドレ・ゴメスの肘がソン・フンミンの顔に入ってしまったのは事実ですが、イオビをチェックした流れで左サイドのMFにぎりぎりで追いついた7番は、誰がそこにいても滑ったでしょう。プレミアリーグのOBたちは、ファールはイエローが妥当だったとしてレフェリーの判断に疑義を唱えています。

「ソンにレッドカードがふさわしかったとは思えない。近くにオーリエもおり、どちらが直接負傷させたということではないと思う。結果としては、相手を危険に晒すプレイだったけどね。レフェリーはアンドレ・ゴメスの状態を見て、レッドに切り替えたのだろう」(ジェイミー・キャラガー)
「ソンは明らかに戸惑っていた。アンドレ・ゴメスがすぐに重傷とわからなければ、レッドカードは出されなかったかもしれないね」(ガリー・リネカー)

結果から量刑の重さを決めるような「逆ジャッジ」は妥当ではないと思いますが、2回めのカードはあの場を収めるための効果的な処方箋にはなりえたでしょう。ソン・フンミンのタックルは、成功の可能性が低く、失敗すれば間違いなくカードを頂戴する判断ミスでした。斜め後ろからのタックルが負傷につながりやすいことは、誰もがわかっているはずです。しかし、一瞬でも「獲れるかもしれない」「止めなければ」と心にギアが入れば突っ込んでしまう…学科試験では全員が正答を記せるのに、実地試験で落第してしまう選手がいる魔物のような瞬間。多くは事故にはならず、カードが出て試合が再開されるのですが、倒れた選手が同僚にぶつかるという不運なシチュエーションがもたらした結果はあまりにも残酷でした。

試合後に、エヴァートンの主将を務めるシェイマス・コールマンが、ソン・フンミンを激励するためにアウェイチームのロッカーに現れたというニュースにも心を動かされました。2017年3月に行われたウェールズとのユーロ予選で、腓骨と脛骨を折るという重傷に見舞われて復帰まで10か月を要したアイルランド代表は、アンドレ・ゴメスの苦しみを理解できる選手です。

彼の素晴らしい心根と行動を受けて、私たちにできることは、足首の脱臼骨折と診断されたアンドレ・ゴメスの手術の成功を祈ること。自らのミスが起こした事故により、ダメージを受けたソン・フンミンがショックを克服して復活を遂げるのを祈ること。アンドレ・ゴメスの復帰を願うメッセージを送った選手たちに敬意を表して、事実ではない噂や中傷を拡散させるなどという行為を控えることでしょう。あの後は、さまざまな思いが去来し、体が震え、冷静に試合を追うことができませんでした。アンドレ・ゴメスの1日も早い完治をお祈り申し上げます。

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“【Everton×Tottenham】アンドレ・ゴメスの1日も早い完治をお祈り申し上げます。” への19件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    解説の川勝さんが、頭を抱えるソンに対して、泣きたいのはゴメスと言ってたけど本当にその通りだなと思った。いつか誰かが粗いスパーズの犠牲になると思ってたけどゴメスは本当に気の毒だな。
    バルサで鬱気味になって復活したと思ったら、こんなことになるなんて……

  2. eve より:

    1さん
    猿さんのblogと全く同じ文章ですね。

    ただゴメスの一刻も早い復帰を祈る気持ちは同じです。どうか無事に手術が完了しますように。

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    まずはゴメスの手術が無事に終わり、経過も順調なようで良かったです。
    早く完全復帰が出来ることを祈ります。
    ソニーやオーリエのメンタルも心配です…特にソニーはこのアクシデントにかなりショックを受けていたようですから。
    また、ピックフォード、トスン、リュカ、そしてキャプテンのコールマンが示してくれた態度は素晴らしいものだったと思います。
    素晴らしいチームメイトのところへ早く良い状態でゴメスが帰れますように。

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    スパーズがレッドカード処分に対して不服申し立てすることで
    この問題は全く救いが無くなった

    スパーズは相手を壊しても構わないとクラブレベルで意思統一しているから
    荒いタックルをし続けているのだろうし
    今シーズン始まって3か月ほどで相手チームの選手2人を骨折させているのだと思う

    プレミアはレイトタックルに厳しい判定をしなければ
    何人ものサッカー選手の人生をこれからも奪っていくのだろう

    ゴメスが一日でも早く復帰することと
    同じようなことが二度と起きないように切に願う

  5. pgjw より:

    4
    悲しいグーナーさんですね。

  6. pgjw より:

    悪質な妄想コメントはもう止めませんかね、、そんな意思統一があるわけないでしょう。

  7. pgjw より:

    連続投稿失礼しました。コメント編集が出来なかったもので。

  8. プレミアリーグ大好き! より:

    管理人様へ

    長年貴blogを楽しく読ませてもらっている一読者です。
    今回、見ていて我慢ならずたってのお願いがございます。不躾な意見ながら、是非聞いて頂けますと幸いです。
    他の読者の方も度々記載されております通り、特に最近、アーセナル及びトッテナムの記事のコメント欄が酷いことになっています。
    荒れているコメント欄を確認すると、特にトッテナムの記事に(おそらく同一人物且つ以前管理人様がIPを確認・特定された)"自称"グーナーの方が、
    酷い論調のコメントを記載され、スパーズファンの方が反撃する、という構図になっていることは明らかです。
    管理人様からの再三の警告にもかかわらず、このような記載を継続されているので、本人の改心は不可能なのだと認識していいと思います。
    アーセナルのファンの方も、このような方が「グーナー」として認識されることは不愉快なのではないでしょうか。
    確かに、猿氏のblog等、アーセナル関連で他チームを攻撃するblogも存在することは存在し、”そのような”印象を抱きやすいですが、
    少なくとも、貴blogに来られている大多数のグーナーの方は、”そのような”姿勢ではないと思います。
    従い、彼のアクセス(コメント)禁止を強く望みます(お手数をお掛けしてしまい申し訳ありません)。
    それが難しいようであれば、(抑止効果を期待し)コメント記載欄に注意書き(他チームを攻撃する記載は禁止)と記載するなど、
    ルールを明確にして頂くことは出来ないでしょうか。
    老若男女問わず、通常の精神・配慮が出来る人間はこのようなことを一々説明しなくても、記載しなくとも理解出来るはずですが、
    残念ながら、社会には一定程度それが不可能な方もいらっしゃり、貴blogは管理人様の並々ならない努力の元、今や多くの読者がいることから、上記のような方が紛れ込むことも一定程度不可避なのだと思料します。
    ルール化を明確にして頂ければ、自然とそのような方は”そのような”場所へ帰って行かれるのだと思います。根絶は難しくとも、徐々に被害は減るはずです。
    真っ当なプレミアリーグファンの憩いの場として、非常に大切なこの場所が、汚れていくのを見ていられませんでした。
    大変不躾な依頼であることは百も承知の上ですが、何卒ご検討頂けますと幸いです。
    お手数をお掛けしてしまい、本当に申し訳ございません。

    —–
    ゴメスはもちろん気の毒だが、ソンも心配。これからも、危険は承知の上でカード覚悟でタックルしなきゃいけない場面は来る。トラウマになってると思うけど、これからもハードタックルは必要だ。

  9. pgjw より:

    9
    なりすまし厳禁ですよ。。

  10. goldstar より:

    9さん
    ほんとだ笑 IPみたら1発ですね笑
    特定出来ないのかなあ、、

  11. プレミアリーグ大好き! より:

    相変わらず被害者ぶるね。騙されんなよ。

  12. プレミアリーグ大好き! より:

    ん?9ですけど、4とは別人ですよ?

  13. リバプール応援して10年目 より:

    ハイライト見てこんな気持ちがどんよりしたのは初めてでした。個人的には感情論でレッドカードはベターな判断だと思ってます。スパーズの反応を見ると仮にイエローだったら次節もまた出場してたと思うのですが、ソンフンミンの気持ちを慮ると不慮の事故とは言え自分が引き起こしてしまったとかなりショックなのではないかと思います。プロの世界なので自粛なんて言ってられないでしょうから、3試合出場停止になってなおかつゴメスに謝罪をして和解できれば?本人的にも周囲的にも何かけじめがつくのではないかと僕は思います。どちらもこの先もプレーし続けないといけない選手なので見守っていきたいです。長文失礼しました。。

  14. ゴン より:

    ソン、擁護の記事が多すぎないですか?
    基本的に悪いのは、ソンのはず。
    キャプテンは、気にするな、という前に、ゴメスに確認すべき。
    仮に、ゴメスが、「あのソンのプレイは、絶対許さない」と思っているなら、それが正しいはず。
    さらに、ゴメスが、再起不能であったなら、ソンを許すとかの美談はおかしい。

    あと、解説の川勝は、もういい加減にしてほしい。
    今日のリバプールも、川勝だが、戦術を知らない人が、クロップや、ペップの試合の解説ができるはずもなく、ただ、雑音を延々聞かされている感じがして、折角の試合が台無しだ。

    このブログで、そこらへんも、しっかり評価してほしい。

  15. リバプール大好き! より:

    グーナーではありませんスパーズの試合ほぼ見ませんが、フェルトンゲンのフィルミーノの目に指突っ込んだヤツとか。サラーと得点王争いしてる時に触ってもないのにゴールがケインに変更になったり、試合終盤にダイブ連発してpk取ってアピールした副審がサムアップしてたり、そういうチームという認識しかないですよ。

  16. プレミアリーグ大好き! より:

    フィルミーノの件
    →後方にいる動いている相手に対し正確に目を狙うなんて出来るわけがないでしょう。顔の辺りに手を振り回した悪意あるプレーではありましたが、結果的に目に指が入ったのは事故です。

    触ってもないのにケインのゴール
    →試合見てないでしょう?そもそもあれはケインのゴールとして認められたものが試合中にエリクセンのゴールに訂正されたのです。トッテナムの異議に応え試合後にFAがVTRで再確認したところ確かに触っていたため元に戻されたのです。
    ケインに得点王を取らせたいならば最初からケインの得点のままになっていますよ。

    ケインのダイブ
    →もらいに行った事は事実でしょうが、あの形で接触が有れば普通PKです。一部KOPの間でケインが「接触が有った気がした」と言ったことになっているようですが、これは「feel」を誤訳したための誤解で正しくは「接触を感じた」です。

    ラメラのダイブ
    →ダイクが膝を畳んだ映像だけ見てラメラのダイブだという認識を持っているのでは?
    実際にはつま先で蹴られています。映像も探せば今でも見つかりますので、ぜひ見てみて下さい。

  17. プレミアリーグ大好き! より:

    荒らしは全員通報した方がいいですよ。どうせ他でも荒らして通報されてるでしょうし、そのうちbanされますよ。

  18. プレミアリーグ大好き! より:

    どれだけ頑張って擁護しても、カスパが暴力団っていう事実はもう隠し切れないんだよなあ
    これだけ他所のファンに嫌われてるクラブもなかなかないわ
    日本に於いてだけの話じゃねーからなw

    さて、次の犠牲者は誰になることやら

  19. プレミアリーグ大好き! より:

    スパーズ選手の目潰しといえばデンベレのディエゴコスタに対するアレ
    「デンベレ 目潰し」とかでググればいくらでも写真出てくるよ

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