【MAN.CITY×Chelsea】チェルシーの中盤を殺したマン・シティが、逆転に成功して3位浮上!
対するランパード監督は、メイソン・マウントをベンチに置いています。ケパ、アスピリクエタ、ズマ、フィカヨ・トモリ、エメルソン、ジョルジーニョ、コヴァチッチ、カンテ、プリシッチ、タミー・アブラハム、ウィリアン。昨季プレミアリーグ王者がポゼッションを取り、チェルシーは速攻狙いという展開になるのではないでしょうか。最初のチャンスは4分のマン・シティ。フェルナンジーニョの速い縦パスが右のアグエロに入り、ボックス右に侵入したデブライネにラストパスが通ると、右足でクロスに狙ったシュートはファーポストすれすれを抜けていきました。
8分、タミー・アブラハムが敵陣でインターセプトに成功し、ドリブルでゴールに向かうと、右でフリーだったウィリアンに文句なしのラストパス。右足のシュートは、デブライネの一撃をトレースするかのように左に切れてしまいました。11分、コヴァチッチの素晴らしいパスが前線のプリシッチに入り、カンテを経由したボールが中央のタミー・アブラハムへ。プレミアリーグ10ゴールの若いエースは、ループシュートをコントロールしきれず、右に外します。15分のチェルシーのCKは、クリアを収めたタミー・アブラハムが右にいたトモリにパスを通しますが、左足の決定的なボレーは枠に収まりませんでした。
鋭い速攻を繰り返していたチェルシーは、22分に先制ゴールをゲットします。コヴァチッチの縦パスがラインの裏を襲い、バンジャマン・メンディと競り合ったカンテが倒れ込みながら左足でタッチすると、飛び出したエデルソンの脇を抜けたボールがゆっくり転がり、ネットを揺らしました。29分、2つめのゴールシーンはマン・シティのカウンター。フェルナンジーニョがジョルジーニョの縦パスをカットし、デブライネから左のダヴィド・シルヴァにボールがまわります。アグエロへのパスをズマが足に当てると、拾ったデブライネの左足シュートもズマにヒットしてコースが変わりました。逆を突かれたケパはノーチャンス。1-1としたマン・シティは、勢いに乗って中盤を支配し始めています。
36分、右サイドのマフレズがニアのデブライネに預けると、左足のミドルはクロスバー越え。1分後、マフレズが右から中に斬り込み、コヴァチッチとエメルソンをかわして左足を振り抜きました。ボールはケパのグローブの先を抜け、左のサイドネットへ。逆転に成功したマン・シティは、デブライネが下がって4-2-3-1に布陣を変えています。43分、ケパのミスキックがアグエロに渡り、ストライカーが無人のゴールに向かって蹴ると、ボールはクロスバーにヒット。攻守の切り替えが速いスリリングな一戦は、1-2でハーフタイムを迎えました。
48分、ドリブルで中央に持ち込んだマフレズが、フィカヨ・トモリをちぎって放った左足シュートは左のポストの外。51分にロドリが足を痛め、ペップはギュンドアンに中盤センターを託します。53分、ウィリアンがボックス右に送った縦パスでアスピリクエタが完全にフリー。グラウンダーにニアで合わせたカンテのボレーは、フェルナンジーニョが足に当ててCKに逃れます。55分にデブライネが右から放ったミドルは、ケパがセーブ。ランパード監督は、サイドの守備を立て直すべく、59分にエメルソンをリース・ジェームズにスイッチします。
65分、CKからの流れでボックス右のアグエロが絶妙な浮き球をファーにフィード。ジャストミートしたフェルナンジーニョのボレーはアスピリクエタが体を張ってブロックし、フォローしたマフレズの一撃はケパが指先で弾くビッグセーブで決定的な失点を回避します。直後にダヴィド・シルヴァが下がり、フィル・フォーデン。ランパード監督は74分にタミー・アブラハムとジョルジーニョを諦め、バチュアイとメイソン・マウントで勝負です。足を引きずるアグエロが、ガブリエウ・ジェズスに後を譲ったのは76分。耐える時間が長かったチェルシーは、残り10分で決定機を創れるでしょうか。
85分にエデルソンのキックをバチュアイが引っかけ、浮いたボールが右に外れたシーンと、92分のメイソン・マウントのFK以外に、ブルーズのサポーターが沸くアタックはありませんでした。後半のチェルシーは、オンターゲットゼロ。FKの直後にエデルソンの超絶パントがボックス手前まで届き、フィカヨ・トモリのクリアをマフレズがラインの裏に落とすと、スターリングのシュートが左隅に突き刺さりますが、厳しすぎるVARがオフサイドを主張して3点めはならず。マンチェスター・シティがリードを守り切り、チェルシーをかわしてプレミアリーグ3位に浮上しました。
ジョルジーニョとコヴァチッチが前線に的確なボールを送り、タミー・アブラハム、ウィリアン、プリシッチ、カンテが直線的にゴールに向かうチェルシーのアタックは、先制するまでは機能しており、ランパードの作戦勝ちかと思われました。しかし、ペップが黙ってやられ続けているわけがありません。アンカーの脇のスペースを締め、パスの出どころを徹底的につぶす戦い方でアウェイチームの前線を封じ、20分で逆転に成功。反撃に転じたかったチェルシーは、プレスで陣形を下げられ、速攻モードに入った際もストライカーとウインガーが使いたいスペースを巧妙に消されてしまいました。
戦術的な駆け引きが見ごたえあるおもしろいゲームでしたが、引き出しの数でペップが勝ったという印象です。ランパード監督と選手たちが悲観することは何もありません。コヴァチッチが素晴らしかった序盤戦は、新生チェルシーの直線的なアタックの怖さを思い知らされました。12月になれば、リュディガーとロフタス=チークが戻ってきます。今のベースを強固にしたうえで、バチュアイ、ハドソン=オドイ、ロス・バークリーらの効果的な活用によって攻めのバリエーションを増やせれば、最初のシーズンをTOP4で終えられるのではないかと思います。
勝ったマン・シティは、年末にマンチェスター・ダービー、アーセナル、レスターという難敵3連戦が控えています。リヴァプールとのポイント差をひとケタに抑えて折り返せれば、プレミアリーグ3連覇はリアルなミッションであり続けるでしょう。負傷者が目立ち始めた王者は、昨季は崩れてしまった年末年始を無事に乗り切れるでしょうか。チャンピオンズリーグとカラバオカップを含む師走の9試合が、今季のタイトルの行方を決める重要なステージとなりそうです。
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更新ありがとうございます。
見応えのある試合でした。シティはボールの持たせ方も上手いですね。最後のVARは厳しすぎです笑
厚みのある攻撃をする“ホンモノ”と戦うことで今まで誤魔化してた部分が浮き彫りになりましたね。
マフレズ、デブライネに散々狙われてたエメルソンのサイドは、間違いなくチェルシー1番の弱点でした。
中盤の3人を軸にした失点するまでの間は、こちらがシティのようなサッカーをして相手を翻弄しており、今後がより一層楽しみになりました。
ただ、リヴァプールといいシティといい、こういう押され気味の試合でも一瞬の隙を突いて気付けば優勢という、試合運びが上手すぎます。流石ですね。
最後のVARは、「触ってないのにコーナー」、「触ったのにGK」の帳尻合わせということで(笑)
更新ありがとうございます。
おっしゃるとおり監督の経験と引出しの差が出ましたね。最初のプランに対応された後の修正が間に合わないまま逆転されて、後半は攻めも手詰まりでした。こういう相手に個で局面を変えられる自信が若手についてくると楽しみなのですが。ジョルジーニョのフィルターはそれなりに良かったと思うのですが、逆にカンテがポジション的にも長所を発揮しきれていない印象なのがもったいないと感じました。
新生チェルシーの快進撃見てるとマンチェスターやアーセナルも若手育てて使うことからやり直してもいいんじゃないかなと思えてきた
毎試合言ってる気がしますが、今季のチェルシーは本当に魅力的で、観ていて楽しいですね。
ランパードもまだ監督2年目、チェルシー率いて3~4ヶ月で、シティ相手にエティハドでこれだけやれるとは。
それも補強禁止の中で若手を伸ばしながら…いやはや、末恐ろしいチーム、そして監督です。
ただやはり、ご指摘の通りランパードは「引き出し」の数はまだまだですね。
まぁ、他の戦術の練度を鑑みて敢えて採用せず、今の形をより高めていく方針なのかもしれませんが。
素人でも思い付くような策を、IQ160↑の天才が考えない訳はありませんしね。
リュディガーが最終ラインに落ち着きをもたらし、RLCが中盤での預け所を創る。
ランパードの理想に合った戦力を採用・補強してより練度を高め、同時にスカッドに厚みを加える。
これからもブルーズの動向に注目です。
負傷者はだいぶ前から目立ってます
現時点ではチームの熟成度が違うのでシティがゲーム中に上手く修正してチェルシーの良さを一つ一つ消して行きましたね。
しかし、ランパートの能力とそれに応えようとする選手の熱気が印象的でした。
ランパートはプレミア最高の監督になるかも。
チークが復帰するとわかりませんが、カンテとコバチッチとジョルジーニョの3センターが今のところベストな気がします。マウントは今のチェルシーのアイコン的な選手になってますがこの3人に割って入るのは難しいかもしれないですね。
若いチームの勢いと、ワイドとセンターバックにワールドクラスを補強できれば2、3年後にはプレミアで覇権をとれるレベルに到達できる気がして楽しみです。