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【Bournemouth×Arsenal】適材適所のアルテタ流に復活の予感。アーセナル、希望のドロー!

プレミアリーグの直近10試合を1勝5分4敗。これほど停滞しているアーセナルを見るのは初めてです。火中の栗を拾う格好となったミケル・アルテタ監督のスタメンが注目された、ボーンマスとのアウェイゲーム。新指揮官のチョイスは、リュングベリでも同じ顔ぶれとなりそうな4-2-3-1でした。GKレノ、DFメートランド=ナイルズ、パパスタソプーロス、ダヴィド・ルイス、サカ。中盤センターにルーカス・トレイラとジャカ、2列めにオーバメヤン、エジル、ネルソン。ワントップにはプレミアリーグ11戦5発のラカゼットという並びです。

キックオフから4人が一斉にスプリントし、ボールを奪われるとすかさずプレス。CB以外が全員敵陣に入り、速いパスをまわし始めたとき、期待感が高まりました。ボーンマスも負けじと前線から追いかけ、5分に最初の決定機を創ります。ゴズリングが左サイドのジョシュア・キングに預け、中央に運んだストライカーがルイス・クックに渡すと、カラム・ウィルソンが右でフリーだったライアン・フレイザーにラストパス。右足の強烈なシュートはレノとパパスタソプーロスが倒れ込みながらコースを塞ぎ、いきなりの失点を免れました。

直後、レノのスローからジャカ、エジルとつながり、ラカゼットをステイシ―と勝負させるラストパス。DFが踏ん張り、シュートを打てなかったものの、10番のタクトによって崩すというプランがはっきりした速攻でした。ラインを上げろと指示するアルテタ監督。エジルが空くとすかさずパスが出るのが、エメリ時代からの明確な変化です。13分にジャック・シンプソンのバックパスをさらったラカゼットが右からゴールに迫るも、飛び出したラムズデールがボールに先着。高いポジションを取っていたダヴィド・ルイスは、21分に左足でミドルシュートを試みるも大きく外してしまいます。

ラカゼット、エジル、ネルソンで右サイドを崩した24分のアタックは、20歳のグラウンダーをニアで合わせたストライカーのボレーをレルマがブロック。アーセナルは、35分に拙いビルドアップから失点を喫してしまいます。サカの縦パスをゴズリングにインターセプトされ、SB不在のサイドをステイシーが突破。ゴールラインからの折り返しをニアでプッシュしたのは、パパスタソプーロスの前に飛び込んだゴズリングでした。42分には、ネルソンとパパスタソプーロスをちぎったジョシュア・キングが左からレノの前に躍り出ますが、股間を抜こうとしたシュートはGKが足でブロック。パスやトラップが甘くなったところを跳ね返され続けたガナーズは、1-0のままでハーフタイムを迎えました。

後半も、ほどなくアーセナルペース。48分、右のエジルがファーにいたオーバメヤンにグラウンダーを通すと、ダイレクトで放ったコントロールショットは狙いよりも浮いてしまいます。リードしたボーンマスが引き気味に構えるようになったため、ビルドアップがスムーズになったガナーズ。ジャカが自陣左に引いて対応し、ダヴィド・ルイスを前に出やすくしています。61分にエジルのスルーパスがGKの前に走ったオーバメヤンに届きますが、ステイシーがしっかりついてシュートを打たせません。1分後、カラム・ウィルソンの左足は、レノがコースを読んでキャッチしました。

63分、ジャカの縦パスがオーバメヤンにつながり、ラカゼット、エジルとボールがまわると、落としを叩いたネルソンのシュートが相手に当たり、ゴール左にいたオーバメヤンの足元に転がります。右足のボレーがネットを揺らし、1-1。主導権を握っているのは、アルテタのチームです。70分、ダヴィド・ルイスの素晴らしいスルーパスでラカゼットがラムズデールと1対1。シュートは追いついたメファムに当たってしまい、勝ち越しはなりません。75分にエジルをウィロックに代えた新指揮官は、頭を打ったパパスタソプールスをムスタフィにチェンジ。82分にはネルソンを下げ、ニコラ・ペペで勝負します。

ニコラ・ペペのドリブルが脅威となり、押し続けたアーセナルは、左右からのクロスが不正確で決定的なシーンを創れず。91分にラカゼットが仕掛けたカウンターは、ラストパスを受けたウィロックのシュートがラムズデールの正面です。アルテタ無念、一歩足りない1-1ドロー。最大の改善ポイントは「適材適所」だったことです。ダヴィド・ルイスのロングフィード、ルーカス・トレイラのカバーリングと的確なつなぎ、ジャカの展開力、エジルのパスセンスなどそれぞれの得意なプレイを引き出せており、ラストパスとフィニッシュの精度が上がれば、おのずと勝利が増えるはずです。

後半に入ってから、ジャカがダヴィド・ルイスの脇に入り、ビルドアップをスムーズにしていたのはアルテタ監督の工夫でしょう。前半は「奪ったらエジルを見ろ」が徹底されており、サカの守備意識とパパスタソプーロスの判断力という弱点を改善できれば、ガナーズは復活するのではないでしょうか。次節のビッグロンドンダービー、年明けのマンチェスター・ユナイテッド戦が楽しみになってきました。リュングベリのエヴァートン戦は混迷のドローでしたが、アルテタの初陣は希望が感じられるドローだったと思います。

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“【Bournemouth×Arsenal】適材適所のアルテタ流に復活の予感。アーセナル、希望のドロー!” への4件のフィードバック

  1. トマシュ より:

    しつこいけどやはりトレイラの使い方だったと思います。
    何回スチール決めたんだろう。

    彼が、特に前半、ダヴィルイス・パパと3人で正三角形を作っていたのが本当にうれしかった。これまでよりも上がりを抑え、守備に専心したからこそチームに有機性がうまれたのだろうと。

    当然恩恵を受けるのはCBの2人、展開に集中できるジャカ、No.10に集中できるエジルなわけで。

    ただこれって、誰もが思ってたことなんだろうとも。普通のことをやっただけ。ハウのチーム今16位だったのね。そんな相手に引き分けでも嬉しく感じるのか・・・。もちろんアルテタのせいではないが。

    ともあれまだ就任1週間。トレーニングでもやりたいこといくらでもあるだろう。セレクションも興味深かった。ミケル、頑張ってくれよ。

  2. ぐなです より:

    おっしゃる通り、希望を感じた90分でした。
    「引き分けでもオーケー」なんてファンとしては情けない話ですが、10月以降くらいの絶望しか感じなかった試合に比べたら気持ちは穏やかです。
    アルテタが言った「試合後はみんな足が痙攣していた」という言葉に勇気をもらいました。
    選手達はまだ、シーズンを捨ててない。
    選手達は、アルテタを信頼してゲームをした。

    正直なところ、今年も4位以内は厳しいでしょう。
    このあとのチェルシーとユナイテッドの連戦を共に勝利できたら可能性はあると思いますが、いくらなんでも準備期間が短い。
    今はとりあえず、素晴らしいサッカーをしてくれることを祈るばかりです。

  3. エミリー より:

    アルテタ名将の匂いがぷんぷんしますね。
    今季はまだまだ厳しいにしても、来季以降は上位狙える気が。

    —–
    結果はまずまず、まだまだ規律も浸透していないけど、それでも強くなるための階段を登り始めたのがわかる試合でした。
    なんとまあ遠回りになったことか、なんにせよ、こういうのを積み重ねる以外、強くなる道は無いので、頑張ってほしいです。
    エジル、また輝けたとしたら、涙が出るかもしれません。

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    また解任ブースト発動しなかったな。何週間もつか楽しみ。

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