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【Newcastle×MAN.CITY】イカれた超人が5人。思考停止のナイスゲーム!

プレミアリーグ2022-23シーズン第3節、日曜日の最後のゲームは、既に2チームしかない無失点同士の対決です。セント・ジェームズ・パークで開催されるニューカッスルVSマンチェスター・シティ。プレミアリーグ3連覇をめざす絶対王者は、エディ・ハウが築いた堅陣を崩すことができるでしょうか。

さっそく、ペップのスターティングメンバーをチェックしましょう。GKエデルソン、DFカイル・ウォーカー、ジョン・ストーンズ、ナタン・アケ、ジョアン・カンセロ。MFロドリ、デブライネ、ギュンドアン、FWベルナルド・シウヴァ、ハーランド、フォーデン。レギュラーCBを欠いたチームは、ホームチームの無失点記録を5分で止める順調な滑り出しでした。

右サイドのベルナルド・シウヴァに、サイドチェンジのボールを出したのはギュンドアン。3人に囲まれた20番は、ドリブルでキープしながら味方の上がりを待ち、左足で絶妙なクロスを中央に入れました。フリーでトラップしたのは、長い距離をスプリントしてきたギュンドアン!バーンリーから来たポープは、右足のボレーに触れませんでした。

同点をめざす展開となったニューカッスルは、リスクをとって攻めに転じています。しかし10分、ハーランドが左足アウトで出したスルーパスで、デブライネが右から抜け出しました。GKと1対1になり、ニアを狙った一撃はポープが足に当てるビッグセーブ。14分にウィロックが仕掛けたカウンターは、左でパスを受けたカラム・ウィルソンがオフサイドラインを越えていました。

16分、左サイドにいたデブライネが斜めのパスを出し、フォーデンが最終ラインを突破。ボックス左からの強烈なフィニッシュは、ポープがまたも足でストップしました。その1分後、敵陣で奪ったニューカッスルに決定機が到来。中央のジョエリントンが左のサン・マクシマンにパスを通し、グラウンダーがフリーのアルミロンに出るも、左足のダイレクトショットはミスキックでした。

20分のデブライネのFKは、ゴール左を襲う素晴らしいキックでしたが、ポープが3度めのビッグセーブ。直後、肩を落としてピッチを離れたナタン・アケは、ペップのオーダーに応えられなかったのでしょうか。ジョン・ストーンズの脇に入ったのはルベン・ディアス。24分にボックス左でジョン・ストーンズをかわしたサン=マクシマンの一撃は、エデルソンが左に弾き出しました。

アグレッシブに攻めていたホームチームが追いついたのは、28分。右サイドで2人を翻弄したサン=マクシマンがクロスを上げると、中央にいたアルミロンが腿に当てて押し込みました。オフサイドのジャッジがVARで撤回されると、セント・ジェームズ・パークはテンションMAXです。

37分にジョエリントンのパスがラインの裏に転がり、斜めに走ったアルミロンが飛び出したエデルソンをかわしますが、必死に追いかけたジョアン・カンセロがシュートをブロック。直後、デブライネの縦パスで抜けたハーランドは、飛び出したポープに先着を許します。

目まぐるしく攻守が変わる展開。39分に左からカットインしたのは、やはりサン=マクシマンです。ボックス右で優しいラストパスを受けたカラム・ウィルソンは、中央に持ち込んでルベン・ディアスをかわし、右足アウトでフィニッシュ。エデルソンは触れず、好調のホームチームがついに逆転しました。

あまりにもエキサイティングだった前半は、2-1のままで終了。後半に入り、先に決定機をつかんだのはマン・シティです。ルベン・ディアスのパスを受けたハーランドがドリブルで突進。ボットマンをかわして打った強烈なシュートは、右のポストにヒットしました。

しかし54分、先にゴールを決めたのはニューカッスルでした。FKを左隅に突き刺したのは、名手キーラン・トリッピアー!ここまでは、ホームチームが完勝の展開でしたが、2点差ではひるまないのがプレミアリーグ王者です。60分、クイックスタートのショートコーナー。デビライネが右からクロスを上げ、ファーで競ったロドリがこぼれ球をヒールで後ろに落とすと、ハーランドの豪快なボレーがネットに突き刺さりました。

62分にデブライネの縦パスで裏に飛び出したハーランドは、ポープとの1対1で脇を抜けず。世界でも最高を争うベルギーのプレーメイカーは、64分にウィロックの股間を抜くという誰も思いつかないアイデアで、ベルナルド・シウヴァにスルーパスを通しました。レフティがゴール右に流し込んで3-3。勝負はどちらに転ぶか、わかりません。

72分にデブライネの足を引っかけたトリッピアーは、一発レッドのジャッジがVARで覆り、イエロー。78分、ギュンドアンが左から出した浮き球が競り合いとなり、こぼれたボールをハーランドがプッシュするも、大きく打ち上げてしまいました。攻め続けたマン・シティは決められず、3-3ドロー。両者ともに、悔しい結果となりました。

「マン・シティの戦術が」「エディ・ハウのチーム作りが」という話題もあろうかと思いつつ、何というか、アタマがイカれた超人が5人いた試合だったというのが、最初の感想です。縦にナナメにドリブルで切り裂きまくったサン=マクシマン、CBを簡単に弾き飛ばしてゴールに突進するハーランド、超絶ビッグセーブ連発のポープ、そして…。

最も震えたのは、64分にあのパスが出た瞬間です。自分の脇にひとり、前にひとりマーカーがいる状況で、股間を抜いてスルーパスを通そうと考える人間は、彼以外にいないでしょう。亜空間パスの使い手、ケヴィン・デブライネ。出てくると信じて走ったベルナルド・シウヴァも、頭のネジが何本か外れているのだと思われます。

あれだけラインの裏を取られているのに、4バックを下げさせないペップ・グアルディオラも、超人認定しましょう。前半にナタン・アケを代えただけで、後半はカードを切らない変態采配炸裂。私たちは、秋になる前に今季プレミアリーグのベストゲームを見てしまったのかもしれません。両者ともに、分けてなお強し。クラクラするプレイが続く思考停止のナイスゲームでした。


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“【Newcastle×MAN.CITY】イカれた超人が5人。思考停止のナイスゲーム!” への1件のコメント

  1. ペップの街 より:

    セントジェームズパークは雰囲気が良いですね。ニューカッスル縁のマークノップラーの「ローカルヒーロー〜ゴーイングホーム」のアップリフティングな名曲が盛り上げてキックオフになだれ込む瞬間が大好きです。しかも先制されても猛然と攻め込み3点取ったホームチームの勇士たち!このまま終われば彼らはまさに「ローカルヒーロー」でしたがハーランド、デ・ブライネ、ベルナルド・シウバが意地を見せて同点!凄いゲームでした。今季のニューカッスルとリーズは目が離せませんね!

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