偏愛的プレミアリーグ見聞録

カラバオカップのマン・シティ戦のパフォーマンスを買われたのでしょうか。左サイドはファビオ・カルヴァーリョではなく、チェンバレンです。プレミアリーグ17節、アストン・ヴィラVSリヴァプール。前線が負傷者だらけのレッズにとって、エースが決めた5分の先制ゴールはとてつもなく大きな1発でした。

ロバートソンが右から蹴ったCKがクリアされると、足元に収めたのは後方をカバーしていたアーノルド。ここからの4秒で、信じられないプレイを2つも見せつけられました。ワントラップした右SBが、右足アウトでボックス右にピンポイントのロングフィード！CKを蹴った後、右に入っていたロバートソンがまさか、ダイレクトでラストパスを通すとは…！

あのタイミング、あのコースでなければ、ボールは中央のサラーに届いていません。左足のボレーがGKオルセンの指先を抜け、0-1。ロバートソンに浮き球が通る直前に、来ると読んでDFを出し抜いたレフティもクレイジーです。ヴィラの守備陣に、ミスをした感覚はないでしょう。

開始早々から、アグレッシブなプレスと速攻を見せていたホームチームは、気を取り直して攻めに転じました。17分、ブバカル・カマラのロングフィードが右のマッギンへ。クロスに飛び込んだオリー・ワトキンスのダイビングヘッドはジャストミートせず、アリソンが冷静にキャッチしています。

20分にロバートソンのFKをヘッドで決めたマティプは、オフサイド。31分、ヘンダーソンの長い浮き球でボックス右に出たサラーは、左足のシュートをニアに外しました。ヴィラにとって致命的な2点めは、37分。アーノルドが蹴ったCKのクリアがファーポスト際に流れ、先着したサラーが後ろに落とすと、ファン・ダイクの豪快な左足シュートが右隅に突き刺さりました。

前半を0-2で終えたレッズは、クロスへの対応が甘く、ファーがノーマークになったり、競り負けたりしています。47分の左からのロングクロスも、ファーのマッギンがどフリー。バウンドに合わせられなかった7番のヘッドは中途半端で、アリソンは助かりました。

51分、ヴィラのFKのクリアをキープしたのはサラー。自陣からドリブルを始めたエースは、大きなタッチでスプリント勝負に持ち込み、単独でボックスに侵入しました。オルセンとの1対1は、余裕がなかった左足のフィニッシュをGKが足でブロック。52分にファビーニョが放ったミドルは、惜しくも右に外れました。

ヴィラが1点を返したのは59分。右サイドにいたマッギンがクリアを足元に収め、脇にいたドゥグラス・ルイスに預けると、ファーに上がったクロスがオリー・ワトキンスの頭に合いました。ボールを見ていたマティプはストライカーを見失っており、打点の高い完璧なヘッドは右のサイドネットへ。今日のレッズの守備なら、逆転もあるかと思ったのですが…。

74分のカウンターで、ドリブル突破を図ったダルウィン・ヌニェスは、GKと向き合って放ったシュートが右にアウト。勝負が決したのは81分でした。アーノルドと代わったばかりのジョー・ゴメスが左にフィード。トラップでマークを振り切ったダルウィン・ヌニェスが折り返すと、オルセンが弾いたボールをさらったバイチェティッチが、左に持ち込みニアを射抜きました。

レッズが1-3で快勝。アンディ・ロバートソンは、プレミアリーグのDFにおける通算アシスト54で、歴代TOPになりました。めでたい話だ…と思いながら「BBC」を見ると、そこには信じられない見出しが！

「リヴァプールがコーディー・ガクポ獲得合意、PSVが発表」

アーノルドもロバートソンも、サラーもさすが！とテンションが上がっていたのですが、観戦後の余韻は一気に冷めました。いや、まさか、そんな…マンチェスター・ユナイテッドの間違いですよね？

移籍金は3540万～4430万ポンド。ボクシングデーに交渉は完了し、エールディヴィジ14試合9ゴール12アシストのアタッカーは、メディカルチェックとサインのためにイングランドに渡ると報じられています。

速攻が得意なのは、ピッチにいる選手だけではありませんでした。ああ、ガクポ。「夏にマンチェスター・ユナイテッドに行きたかった」といってくれていたのに…。レッズサポーターのみなさん、ダブルでおめでとうございます（泣）。