2023.01.10 プレミアリーグ観戦記
「負傷、矛盾、混乱」…現地メディアがマン・シティに惨敗したポッター監督の課題をレポート!
10人の負傷者を抱え、SBにルイス・ホール、CBはハンフリーズ。チアゴ・シウヴァとククレジャを休ませたかったグレアム・ポッター監督は、マンチェスター・シティとぶつかったFAカップの敗退は覚悟していたはずです。エティハドに乗り込んだサポーターたちも、先発のリストを見れば、絶対勝ってくれとはいえなかったでしょう。しかし…。
スタンドの彼らが、ロマン・アブラモヴィッチとトーマス・トゥヘルの名前を叫んでいたのは、攻撃陣のパフォーマンスがあまりにも悪かったからだと思われます。前半はシュートどころか、敵陣でのタッチがゼロという厳しい展開。55分のメイソン・マウントのミドル以外にオンターゲットはなく、クロスが味方に届いたのは1回だけでした。
コヴァチッチ、ジョルジーニョ、コナー・ギャラガ―の中盤と、ツィエク、カイ・ハヴェルツ、メイソン・マウントの3トップは、ベストではないものの「主力を揃えた」といっていい布陣です。63分までプレイしたジョルジーニョのパス成功18本、73分に下がったメイソン・マウントの8本という数字を見ると、チェルシーがいかにボールを前に運べなかったかがよくわかります。
4-0の完敗から数時間後、「BBC」「スカイスポーツ」をはじめとする現地メディアは、「ポッターはプレッシャーに晒されている」「ポッターの夢は悪夢と化している」といった見出しで、指揮官の窮状についてレポートしています。国内開催の過去10試合は1勝3分6敗、そのうちプレミアリーグは1勝3分4敗。8試合で5ゴールはリーグ最少です。
トゥヘルのラストイヤーは、マン・シティとリヴァプールに次ぐ3位で、FAカップとカラバオカップはファイナル進出。プレミアリーグの76ゴールは2強に次ぐ数字でした。今季の20ゴールは、昇格したばかりのフラムより10も少なく、リーグ12位。ホームでのシュート数はボーンマスしか下にいない19位で、オンターゲットもウルヴスのみを上回る19位です。
「スカイスポーツ」のピーター・スミス記者は、ポッター監督が抱えている問題について、3つのキーワードで表現しています。「負傷、矛盾、混乱」。出場できない選手のリストはあまりにも長く、新指揮官は不運だったとしかいいようがありません。
エドゥアール・メンディ、リース・ジェームズ、フォファナ、チルウェル、カンテ、ロフタス=チーク、スターリング、アルマンド・ブロヤ、プリシッチ、オーバメヤン。とりわけ痛かったのは、右サイドを制圧するリース・ジェームズと、守備を落ち着かせてくれるカンテの長期離脱です。
やりくりを迫られたポッター監督は、10月以降に7つのシステムを選択。これによって、戦術の一貫性や安定感を失っています。「スカイスポーツ」の記者は、「最大の問題はチャンスメイク」と指摘。「ビッグチャンスクリエイト20回はリーグ12位で、降格候補のエヴァートンと同数」「チーム1位のスターリングは、リーグのTOP30に入っていない」とレポートしています。
プレミアリーグ史上最高額となる2億7800万ポンド(約444億円)を夏に投じたトッド・ベイリーオーナーは、オーバメヤン、クリバリ、スターリングの苦戦を見て方針を変えたのでしょうか。冬の市場では、モナコCBブノワ・バディアシル(21歳)、 モルデFWダトロ・フォファナ(20歳)、ヴァスコ・ダ・ガマのMFアンドレイ・サントス(18歳)と、完全なる若手シフトです。
さらなるターゲットも、シャフタール・ドネツクのミハイロ・ムドリクは22歳、ベンフィカのセントラルMFエンソ・フェルナンデスは21歳、ローン移籍の合意報道が出ているジョアン・フェリックスは23歳。夏は将来を見据えて若手重視、冬は弱点補強で即戦力なら理解できるのですが、経営ボードもあちこちに目を向けているように感じられます。何が何でもTOP4か、長期的な視座での強化か、ポッター監督のミッションが気になります。
「トッド・ベイリーには、彼に時間を与えてほしいといいたい。ビッグクラブでは結果が重要なのはわかっているけど、時間をあげてほしい。(FAカップの)セカンドハーフは、彼らしかった。ブライトンで彼がしてきたことは傑出している。監督には時間が必要なんだ」
「バルセロナには、メッシがいた。だから(強くなるまで)2シーズンは必要なかった。1シーズンで十分だった。でも、誰でもそのぐらいは必要になる。カラバオ・カップでもFAカップでも、このレベルに達しているシティと対戦するのは、簡単ではないだろう。チェルシーに限らず、どのチームにとっても」
3試合連続のクリーンシートでチェルシーに全勝のペップは、若き指揮官には時間が必要と主張しています。トッド・ベイリーは、ロマン・アブラモヴィッチと同様のジャッジをするのか、アルテタ監督をサポートし続けたヴィナイ・ヴェンカテシャムCEOのような道を選ぶのか…。
その答えがわかるまでに、少なくとも1ヵ月はかかるでしょう。アブラモヴィッチ時代の最速解任は、フェリペ・スコラーリの7ヵ月。その次はヴィラス・ボアスとディ・マッテオの8ヵ月半です。長い間、前線に課題を抱えるチームを短期間で立て直せるのは、前任者だけではないでしょうか。いずれにしても、ポッター監督がベストメンバーを揃えて戦える季節があってほしいと願っています。
スタンドの彼らが、ロマン・アブラモヴィッチとトーマス・トゥヘルの名前を叫んでいたのは、攻撃陣のパフォーマンスがあまりにも悪かったからだと思われます。前半はシュートどころか、敵陣でのタッチがゼロという厳しい展開。55分のメイソン・マウントのミドル以外にオンターゲットはなく、クロスが味方に届いたのは1回だけでした。
コヴァチッチ、ジョルジーニョ、コナー・ギャラガ―の中盤と、ツィエク、カイ・ハヴェルツ、メイソン・マウントの3トップは、ベストではないものの「主力を揃えた」といっていい布陣です。63分までプレイしたジョルジーニョのパス成功18本、73分に下がったメイソン・マウントの8本という数字を見ると、チェルシーがいかにボールを前に運べなかったかがよくわかります。
4-0の完敗から数時間後、「BBC」「スカイスポーツ」をはじめとする現地メディアは、「ポッターはプレッシャーに晒されている」「ポッターの夢は悪夢と化している」といった見出しで、指揮官の窮状についてレポートしています。国内開催の過去10試合は1勝3分6敗、そのうちプレミアリーグは1勝3分4敗。8試合で5ゴールはリーグ最少です。
トゥヘルのラストイヤーは、マン・シティとリヴァプールに次ぐ3位で、FAカップとカラバオカップはファイナル進出。プレミアリーグの76ゴールは2強に次ぐ数字でした。今季の20ゴールは、昇格したばかりのフラムより10も少なく、リーグ12位。ホームでのシュート数はボーンマスしか下にいない19位で、オンターゲットもウルヴスのみを上回る19位です。
「スカイスポーツ」のピーター・スミス記者は、ポッター監督が抱えている問題について、3つのキーワードで表現しています。「負傷、矛盾、混乱」。出場できない選手のリストはあまりにも長く、新指揮官は不運だったとしかいいようがありません。
エドゥアール・メンディ、リース・ジェームズ、フォファナ、チルウェル、カンテ、ロフタス=チーク、スターリング、アルマンド・ブロヤ、プリシッチ、オーバメヤン。とりわけ痛かったのは、右サイドを制圧するリース・ジェームズと、守備を落ち着かせてくれるカンテの長期離脱です。
やりくりを迫られたポッター監督は、10月以降に7つのシステムを選択。これによって、戦術の一貫性や安定感を失っています。「スカイスポーツ」の記者は、「最大の問題はチャンスメイク」と指摘。「ビッグチャンスクリエイト20回はリーグ12位で、降格候補のエヴァートンと同数」「チーム1位のスターリングは、リーグのTOP30に入っていない」とレポートしています。
プレミアリーグ史上最高額となる2億7800万ポンド(約444億円)を夏に投じたトッド・ベイリーオーナーは、オーバメヤン、クリバリ、スターリングの苦戦を見て方針を変えたのでしょうか。冬の市場では、モナコCBブノワ・バディアシル(21歳)、 モルデFWダトロ・フォファナ(20歳)、ヴァスコ・ダ・ガマのMFアンドレイ・サントス(18歳)と、完全なる若手シフトです。
さらなるターゲットも、シャフタール・ドネツクのミハイロ・ムドリクは22歳、ベンフィカのセントラルMFエンソ・フェルナンデスは21歳、ローン移籍の合意報道が出ているジョアン・フェリックスは23歳。夏は将来を見据えて若手重視、冬は弱点補強で即戦力なら理解できるのですが、経営ボードもあちこちに目を向けているように感じられます。何が何でもTOP4か、長期的な視座での強化か、ポッター監督のミッションが気になります。
「トッド・ベイリーには、彼に時間を与えてほしいといいたい。ビッグクラブでは結果が重要なのはわかっているけど、時間をあげてほしい。(FAカップの)セカンドハーフは、彼らしかった。ブライトンで彼がしてきたことは傑出している。監督には時間が必要なんだ」
「バルセロナには、メッシがいた。だから(強くなるまで)2シーズンは必要なかった。1シーズンで十分だった。でも、誰でもそのぐらいは必要になる。カラバオ・カップでもFAカップでも、このレベルに達しているシティと対戦するのは、簡単ではないだろう。チェルシーに限らず、どのチームにとっても」
3試合連続のクリーンシートでチェルシーに全勝のペップは、若き指揮官には時間が必要と主張しています。トッド・ベイリーは、ロマン・アブラモヴィッチと同様のジャッジをするのか、アルテタ監督をサポートし続けたヴィナイ・ヴェンカテシャムCEOのような道を選ぶのか…。
その答えがわかるまでに、少なくとも1ヵ月はかかるでしょう。アブラモヴィッチ時代の最速解任は、フェリペ・スコラーリの7ヵ月。その次はヴィラス・ボアスとディ・マッテオの8ヵ月半です。長い間、前線に課題を抱えるチームを短期間で立て直せるのは、前任者だけではないでしょうか。いずれにしても、ポッター監督がベストメンバーを揃えて戦える季節があってほしいと願っています。
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