偏愛的プレミアリーグ見聞録

「コーナーフラッグ付近の狭いスペースから2人の選手を抜き去り、20ヤードの距離から見事なカーブを描いてゴール隅にシュートを決めたとき、彼の気迫が伝わってきた。どのチームも、この男に対応できない」（「サセックスライブ」リチャード・ミルズ記者＝採点8）

「左サイドでボールをもらった三笘がカットインし、先制点を挙げた。エリア手前に進み、美しいカーブを描くシュートを放つと、ゴール右上隅に決まった。ダニー・ウォードはまったく無力だった」（「スカイスポーツ」リチャード・モーガン記者＝採点9・MVP）

「既に頭角を現しているこのウィンガーは、レアンドロ・トロサールのアーセナル移籍を相殺することができるようだ」（「BBC」ジェス・アンダーソン記者＝ファン採点8.11）

11月以降のプレミアリーグ6試合で4発！三笘薫が止まりません。レスター戦の27分、左サイドでパスをもらうと、カスターニュをあっさり抜き去り、インフロントでカーブをかけた絶品コントロールショット。左に飛んだGKウォードはノーチャンスでした。

三笘と対峙するDFは、難しい対応を迫られます。1発で獲りにいくのは怖い。しかし時間がかかれば、彼の間合いとなり、ファーストタッチでかわされます。縦に持つか、中に斬り込むかの二択で、まずは中を狙ってくるとわかっているのですが、静から動に移る瞬間の2メートル走が速く、タイミングを読み違えれば簡単に置いていかれてしまうのです。

2-2ドローのレスター戦も、現地メディアのレーティングは上々。「スカイスポーツ」はマン・オブ・ザ・マッチに指名しており、スタッツを提供している「FOTMOB」「WhoScored」は両チームを通じてハイスコアです。

ゴールに加えてチャンスクリエイト2回、ファイナルサードでのパス成功5本。地元メディア「サセックスライブ」はチーム最高タイの「8」を付けているのですが、「サセックスワールド」のほうは、シュート1本が不満だったようです。

「前の試合ほど激しいプレイはなかったが、それでも魔法のような瞬間があった。右足で斬り込み、その過程でカスターニュを困らせ、絶妙なカーブをかけたシュートをゴール右隅に突き刺した。狭いスペースでの素晴らしい足技。よく追っていた。さらにファーガソンの同点ゴールにつながった50/50の競り合いに勝利した」（「サセックスワールド」ダレン・ハワード記者＝採点7）

最も情熱的なレポートを配信していたのは、「ザ・タイムズ」です。レーティングは「8」で、同点ゴールのオルブライトンと並んでいますが、記事を読むと、三笘は群を抜いていたと評価しているのがよくわかります。

「ロジャースは、三笘薫がネットに突き刺す前から首を振っていた。左SBのエストゥピニャンが三笘に渡すと、彼はカスターニュの内側に斬り込み、右隅に鮮やかなシュートを放った。日本代表のウィンガーはピッチ上で最高の選手であり、ロジャースがチームに迎えたいと思うようなワイドマンだった。ピッチを軽快に駆け巡り、前進すると危険な存在になり、ボックスに侵入するたびにカスターニュに問題を与えた」（「ザ・タイムズ」シャーロット・ダンカー記者＝採点8）

ここまでやってくれると、あと1発を決められなかったのが悔しくなります。1月に入ってから、エヴァートン戦で先制ゴール、リヴァプール戦ではソリー・マーチの最初のゴールをお膳立てし、レスター戦でも先制ゴール。3試合2発で、レッズ戦の大暴れを加えると、日本人初のプレミアリーグ月間MVPを期待したくなるのですが…。

今月は、マフレズ、ウォード＝プラウズ、ソリー・マーチが3ゴールを決めているのです。せめてレスター戦の57分に、縦に突破してゴール前に転がした絶妙なラストパスにアシストが付いていれば…いや、あのときのミスキックはソリー・マーチでした。

ブライトンサポーターからすれば、決めてほしいシーンでしたが、ミトマニアとしては、7番が4発めをゲットしたら淡い希望は潰えてしまいます。大本命は、エヴァートン戦で美しいFKを左隅に沈めたウォード＝プラウズでしょうか。ああ、レスター戦で決勝ゴールをゲットしてくれれば…！

気を取り直して、最後に三笘の素晴らしいスタッツをもうひとつ紹介したいと思います。プレミアリーグ出場746分で、タックル成功17回。成功率94.4%は、10試合以上出場した選手のなかでNO.1です。攻守ともにキレキレの日本代表に、2月も大爆発を期待しましょう。あれ？FAカップのボロ戦のアシストは、月間表彰の対象に…ならないっすよねぇ。