2023.04.17 プレミアリーグ観戦記2022-23プレミアリーグ観戦記
【Tottenham×Bournemouth】15位にホーム敗戦…激痛のアップセットで露呈したスパーズの弱点。
プレミアリーグ31節のボーンマス戦は、ステリーニ暫定監督にとって3戦め。エヴァートンに1-1ドローの後、ブライトン戦は誤審によるPK見逃しがあり、2-1の勝利は幸運でした。15位とのホームゲームは、順調な立ち上がりだったのですが…。2-3のアップセットをいま一度チェックし、トッテナムの敗因を探ってみたいと思います。
ペリシッチの仕掛けから始まった8分の波状攻撃は、クルゼフスキの左足シュートをロイド・ケリーがブロック。左サイドを担う14番は、11分にも敵陣でミスパスをカットし、ボックス右手前のクルゼフスキにラストパスを通しています。左足のシュートは、ジャック・スティーヴンスの背中に当たってCKです。
左からのキックがファーに入り、またも右のウインガーに届くも、左足の一撃は外に逸れていきました。攻めていたスパーズが先制したのは14分。ラングレが縦に出した絶妙なロングフィードにペリシッチが追いつき、ダイレクトでニアに折り返すと、ソン・フンミンの左足シュートがジャック・スティーヴンスにヒットしてゴールの右に決まりました。
21分には、ハリー・ケインが左のソン・フンミンに展開してカウンターがスタート。メファムをかわして左足を振り抜いた韓国代表は、右腕で弾いたネトのビッグセーブを見て、顔を覆っています。ホイビュルク、ソン、ハリー・ケインとつながった23分の速攻は、エースのダイレクトショットがネトの正面に飛んでしまいました。
時折カウンターで引かされるシーンはあったものの、ボーンマスの淡白なミドルシュートは枠にいきません。29分のタヴァーニアのコントロールショットは、ロリスがダイブして左手で上にプッシュ。いい感触だったチームに暗雲が垂れ込めたのは、34分でした。足をひねったラングレがピッチに座り込んでしまい、プレーは中断。急遽呼ばれたのは、ダビンソン・サンチェスです。
その3分後に、同点ゴール。ペドロ・ポロが自陣で3人に囲まれ、奪ったピニャがビリングに預けてゴール前に走り込みます。ソランケのラストパスがボックス左に出た瞬間、ダヴィンソン・サンチェスはピニャのスプリントを見ておらず、フリーでロリスの前に出た18番がつま先で浮かして流し込みました。
ロメロが逆サイドにシフトした直後の失点。ポジショニングと判断スピードに難があったダヴィンソン・サンチェスは、51分の失点も演出してしまいました。ロイド・ケリーが自陣左から蹴ったロングフィードがダヴィンソン・サンチェスの足に当たり、中央のソランケがキープ。左のタヴァ―ニアにパスが通ると6番はあっさりかわされ、エリック・ダイアーが釣り出されます。
必死に追ったCBは、15番が右に寄ったタイミングで足を伸ばして触ったため、走り込んだソランケの足元に絶好のボールが転がりました。スライディングが間に合わず、チップキックを見届けたロメロは、腕を振り上げて激怒しています。彼がやってしまったことを簡単にいえば、「エリック・ダイアーを引き付けてスペースにラストパスを通すタヴァ―ニアの仕事」です。
2失点のキーマンとなったCBを代えたのは、サポーターだったのかもしれません。ボールを持つたびにブーイングを受けていたダヴィンソン・サンチェスの交代が告げられると、トッテナム・ホットスパー・スタジアムに歓声が響きました。出場時間はたった23分。代わって入ったアルノー・ダンジュマは、打てるスペースを見つけるのが速く、88分に同点ゴールをゲットしました。
ペリシッチのロングスローを競ったのは、77分に入ったリシャルリソン。その後ろにいたダンジュマがこぼれ球を左足で捉えると、ジャック・スティーヴンスをこすったボールが左隅に突き刺さりました。追加タイムは6分。スパーズがほしいのは3ポイントです。当然の猛攻。勝ちはあっても、負けはないと思ったのですが…。
CKで競り勝ったリシャルリソンのヘッドが、右ポストをかすめた1分後。94分にアダム・スミスが高く浮かした縦のロングボールは、左にまわっていたペドロ・ポロが頭でクリアして終わるはずでした。ところが、1月に加わったSBはかぶってしまい、ソランケが奪取。中央のワッタラはフリーです。
慌てて戻ったホイビュルクはキックフェイントでかわされ、完璧な一撃が右のサイドネットへ。最初の失点のきっかけとなったペドロ・ポロは、敗戦を決めるゴールの原因になってしまいました。ベン・デイヴィスなら、うまくさばいてくれたかもしれません。守備を固めたいときの人材不足が如実に現れた敗戦でした。
自らが必要とする選手の獲得を主張したコンテは、モウリーニョ時代に獲った選手や、クラブ主導で引き入れた選手を冷遇しました。夏にローンに出されたのはロドンとレギロン。冬のマーケットではドハーティーがクラブを離れ、ジェド・スペンスはレンヌに貸し出されました。タンガンガは育たず、ベン・デイヴィス、セセニョン、エメルソン・ロイヤルは負傷離脱。最終ラインは、層の薄さが際立っています。
痛い取りこぼしで、ヴィラとブライトンの追撃を受けることになったスパーズは、TOP4の座を奪還することができるでしょうか。ニューカッスル、マンチェスター・ユナイテッド、リヴァプールと続く次節からの3連戦は、2つ落としたらEL出場権にも届かなくなるかもしれません。最終ラインの手駒が足りないステリーニ暫定監督のやりくりに注目しましょう。(ダヴィンソン・サンチェス 写真著作者/Oleg Bkhambri (Voltmetro) クリスティアン・ロメロ/写真著作者/Agencia de Noticias ANDES)
ペリシッチの仕掛けから始まった8分の波状攻撃は、クルゼフスキの左足シュートをロイド・ケリーがブロック。左サイドを担う14番は、11分にも敵陣でミスパスをカットし、ボックス右手前のクルゼフスキにラストパスを通しています。左足のシュートは、ジャック・スティーヴンスの背中に当たってCKです。
左からのキックがファーに入り、またも右のウインガーに届くも、左足の一撃は外に逸れていきました。攻めていたスパーズが先制したのは14分。ラングレが縦に出した絶妙なロングフィードにペリシッチが追いつき、ダイレクトでニアに折り返すと、ソン・フンミンの左足シュートがジャック・スティーヴンスにヒットしてゴールの右に決まりました。
21分には、ハリー・ケインが左のソン・フンミンに展開してカウンターがスタート。メファムをかわして左足を振り抜いた韓国代表は、右腕で弾いたネトのビッグセーブを見て、顔を覆っています。ホイビュルク、ソン、ハリー・ケインとつながった23分の速攻は、エースのダイレクトショットがネトの正面に飛んでしまいました。
時折カウンターで引かされるシーンはあったものの、ボーンマスの淡白なミドルシュートは枠にいきません。29分のタヴァーニアのコントロールショットは、ロリスがダイブして左手で上にプッシュ。いい感触だったチームに暗雲が垂れ込めたのは、34分でした。足をひねったラングレがピッチに座り込んでしまい、プレーは中断。急遽呼ばれたのは、ダビンソン・サンチェスです。
その3分後に、同点ゴール。ペドロ・ポロが自陣で3人に囲まれ、奪ったピニャがビリングに預けてゴール前に走り込みます。ソランケのラストパスがボックス左に出た瞬間、ダヴィンソン・サンチェスはピニャのスプリントを見ておらず、フリーでロリスの前に出た18番がつま先で浮かして流し込みました。
ロメロが逆サイドにシフトした直後の失点。ポジショニングと判断スピードに難があったダヴィンソン・サンチェスは、51分の失点も演出してしまいました。ロイド・ケリーが自陣左から蹴ったロングフィードがダヴィンソン・サンチェスの足に当たり、中央のソランケがキープ。左のタヴァ―ニアにパスが通ると6番はあっさりかわされ、エリック・ダイアーが釣り出されます。
必死に追ったCBは、15番が右に寄ったタイミングで足を伸ばして触ったため、走り込んだソランケの足元に絶好のボールが転がりました。スライディングが間に合わず、チップキックを見届けたロメロは、腕を振り上げて激怒しています。彼がやってしまったことを簡単にいえば、「エリック・ダイアーを引き付けてスペースにラストパスを通すタヴァ―ニアの仕事」です。
2失点のキーマンとなったCBを代えたのは、サポーターだったのかもしれません。ボールを持つたびにブーイングを受けていたダヴィンソン・サンチェスの交代が告げられると、トッテナム・ホットスパー・スタジアムに歓声が響きました。出場時間はたった23分。代わって入ったアルノー・ダンジュマは、打てるスペースを見つけるのが速く、88分に同点ゴールをゲットしました。
ペリシッチのロングスローを競ったのは、77分に入ったリシャルリソン。その後ろにいたダンジュマがこぼれ球を左足で捉えると、ジャック・スティーヴンスをこすったボールが左隅に突き刺さりました。追加タイムは6分。スパーズがほしいのは3ポイントです。当然の猛攻。勝ちはあっても、負けはないと思ったのですが…。
CKで競り勝ったリシャルリソンのヘッドが、右ポストをかすめた1分後。94分にアダム・スミスが高く浮かした縦のロングボールは、左にまわっていたペドロ・ポロが頭でクリアして終わるはずでした。ところが、1月に加わったSBはかぶってしまい、ソランケが奪取。中央のワッタラはフリーです。
慌てて戻ったホイビュルクはキックフェイントでかわされ、完璧な一撃が右のサイドネットへ。最初の失点のきっかけとなったペドロ・ポロは、敗戦を決めるゴールの原因になってしまいました。ベン・デイヴィスなら、うまくさばいてくれたかもしれません。守備を固めたいときの人材不足が如実に現れた敗戦でした。
自らが必要とする選手の獲得を主張したコンテは、モウリーニョ時代に獲った選手や、クラブ主導で引き入れた選手を冷遇しました。夏にローンに出されたのはロドンとレギロン。冬のマーケットではドハーティーがクラブを離れ、ジェド・スペンスはレンヌに貸し出されました。タンガンガは育たず、ベン・デイヴィス、セセニョン、エメルソン・ロイヤルは負傷離脱。最終ラインは、層の薄さが際立っています。
痛い取りこぼしで、ヴィラとブライトンの追撃を受けることになったスパーズは、TOP4の座を奪還することができるでしょうか。ニューカッスル、マンチェスター・ユナイテッド、リヴァプールと続く次節からの3連戦は、2つ落としたらEL出場権にも届かなくなるかもしれません。最終ラインの手駒が足りないステリーニ暫定監督のやりくりに注目しましょう。(ダヴィンソン・サンチェス 写真著作者/Oleg Bkhambri (Voltmetro) クリスティアン・ロメロ/写真著作者/Agencia de Noticias ANDES)
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