偏愛的プレミアリーグ見聞録

4位ニューカッスルとの差は9ポイント。厳しいポジションですが、希望が途絶えたわけではありません。リヴァプールは、残り8試合でどこまで上位に迫れるでしょうか。アンフィールドで開催されるプレミアリーグ32節の相手は、18位に留まっているノッティンガム・フォレストです。

クロップ監督の11人は、2-2のドローに持ち込んだアーセナル戦と同じ顔ぶれです。GKアリソン、DFアーノルド、コナテ、ファン・ダイク、ロバートソン、MFヘンダーソン、ファビーニョ、カーティス・ジョーンズ、フロントスリーはサラー、ガクポ、ジョッタ。立ち上がりから、リヴァプールのポゼッション。前に3枚が張っているアウェイチームのプレスは、中央だけです。

5分に左からカットインしたガクポのミドルは、ニアにアウト。6分に鳴り響いた拍手は、ヒルズボロの悲劇で亡くなった97人に敬意を表し、差別的なチャントをなくそうという呼びかけを支持するものです。10分に左からFKを蹴ったのはロバートソン。ニアで勝ったコナテのヘッドは、右に切れてCKです。

弛緩した空気が漂っているのは、スローなハーフコートマッチが続いているからでしょう。アウォニイとダニーロの左からのアタックには、コナテが冷静に対応しています。17分にカウンターを仕掛けたのはサラー。右から斜めに出したラストパスは、ガクポには届きませんでした。直後、ファン・ダイクのミスパスをさらったギブス＝ホワイトのミドルは、アリソンの正面です。

22分、ボックス手前でサラーの落としを直接叩いたファビーニョは、明らかにミスキック。26分に右サイドで得たFKをアーノルドが浮かすと、ファン・ダイクのヘッドはナバスが上に弾き出しました。30分のCKに走り込んだガクポの左足ボレーは、決まったかと思いましたが、ゴールライン上にいたネコ・ウィリアムズにクリアされました。

アーノルドのFKがファーに上がったのは39分。ゴールの左に飛び出したジョッタは、得意のヘディングをニアに外してしまいました。圧倒的に押していたレッズは、引いて守る相手を崩し切れずにハーフタイムを迎えています。後半開始直後の47分、先制ゴールは右からのCKでした。

アーノルドのキックをファン・ダイクが競り、右に浮いたボールをファビーニョが頭で中央に送ると、出てくるのを読んでいたジョッタのヘッドがネットに突き刺さりました。1分後、アウェイチームに決定機が到来。自陣からのFKが競り合いとなり、落下点にいたギブス＝ホワイトがダイレクトで叩くと、右に反応したアリソンがセーブしました。

レッズのペースに戻るかと思われたゲームは、51分にイーブンに戻ります。左からのスローインから、ギブス＝ホワイトが中央に持ち込んで右にラストパス。走り込んできたネコ・ウィリアムズのシュートはロバートソンの足に当たって浮き上がり、名手アリソンは触るのが精一杯でした。

1-1となってから4分、左からのFKをニアに入れたのはロバートソン。中央から流れてきたジョッタは完全にフリーで、左足のボレーがゴールの右に決まりました。アーセナル戦まで、プレミアリーグ13試合出場でノーゴールだった20番は、2戦連続の2ゴールと確変に入っています。クロップ監督がガクポを下げたのは60分。ダルウィン・ヌニェスはセンターにいます。

65分、コナテのロングフィードが最前線へ。タイミングよく合わせたジョッタのヘッドは、ナバスが上に押し出しました。67分、左からのニアカテのロングスローを、ニアで競ったフェリペが中央へ。体を倒して打ったギブス＝ホワイトのボレーは、コナテとアーノルドに当たって左隅に吸い込まれました。

2-2となってからたった3分、アーノルドのFKを左足で押し込んだのはモー・サラー。リヴァプールの公式戦で183ゴールは、ロビー・ファウラーと並ぶクラブ史上6位です。レッズはセットピースから3発、フォレストはスローインをきっかけに2発。静かだった前半と打って変わった乱打戦は、このまま終わるとは思えません。

74分のアウォニイのオーバーヘッドは、アリソンの頭上にアウト。79分にもニアカテのロングスローから空中での競り合いが続き、コナテをかわしてアリソンの前に出たブレナン・ジョンソンのボレーがクロスバーを叩きました。81分に下がったジョッタに、アンフィールドは盛大な拍手。カーティス・ジョーンズも役割を終え、ピッチに入ったのはミルナーとルイス・ディアスです。

最後まで同点をめざしたノッティンガム・フォレストは、89分のマンガラのヘッドが最後のオンターゲット。前半はシュート数10対1だったゲームは、後半に入ると8対10と別世界に突入。アーノルドのCKとFK、ロバートソンのFKとセットピースからの3発は見事でしたが、アウォニイ、ギブス＝ホワイト、ブレナン・ジョンソンらを捕まえきれなかった不安定な守備は懸念材料です。

何とか勝ったレッズは残り7試合。全勝で駆け抜け、ビッグ6とのゲームを3つ残しているニューカッスルが落ちてくるのを祈るしかありません。直近のプレミアリーグ8試合で8発と調子を上げてきたサラーと、2戦4発のジョッタのラッシュに期待しましょう。アンフィールドでこれだけ戦えるチームが、11戦連続勝利なしとは…！