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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Newcastle×Tottenham】失敗だった4バック、精彩を欠いた守護神…21分で5失点のスパーズ、惨敗!

日本のスポーツジャーナリズムには、「江夏の21球」という名作がありますが、この試合にタイトルを付けるとすれば、「ロリスの21分」といったところでしょうか。

山際淳司さんの作品は、1点リードの9回裏に一死満塁という大ピンチを招いたリリーフエースの奮闘を描いた金字塔。対してこちらは、スパーズの混乱をたどたどしく綴るだけの拙文ですが、フットボールの怖ろしさを見せつけられたゲームだったからやむなしと、ご笑覧いただければ幸いです。

セント・ジェームズ・パークのプレミアリーグ32節は、56ポイントで4位のニューカッスルと、3ポイント差で5位のトッテナムが激突するシックスポインター。エディ・ハウのチームはサン・マクシマンを欠いており、アルミロンはベンチスタートです。前節のボーンマス戦を2-3で落としたステリーニ暫定監督は、3-4-2-1から4-3-3にフォーメーションを変えています。

15位とのゲームで2失点の原因となったダヴィンソン・サンチェスより、パペ・マタル・サールを出したほうが期待できると考えたのでしょうか。負傷明けのベン・デイヴィスと、ボーンマス戦で23分にリタイアしたラングレは先発から外れています。左のインサイドにホイビュルク、SBペリシッチ。アウェイチームが最初の失点を喫したのは、開始61秒でした。

ブルーノ・ギマランイスが左のジョエリントンにパスを送ると、ペドロ・ポロとロメロをかわして中に入った7番が右隅にシュート。ロリスが弾いたボールに詰めたのは、ジェイコブ・マーフィーです。あっさりリードしたホームチームは、4分に右サイドからのマーフィーのパスでチャンスを創ります。

ロメロをかわしてボックス右から打ったイサクのシュートは、エリック・ダイアーがコースを切ってCKに逃れました。トリッピアーのキックに競り勝ったシェアのヘッドは、うまく当たらず。2点めが決まったのは、直後の6分でした。自陣右にいたシェアが前線にロングフィード。最終ラインを統率するCBは、自分にアシストが付くとは思っていなかったでしょう。

ペドロ・ポロはラインの裏に走ったジョエリントンを見失い、ゆっくり下がったロメロは頭上を越された後、ゼブラのシャツを見つけて驚いています。足元に収めたジョエリントンは右に持ってロリスを抜き去り、無人のゴールに流し込みました。2-0としたニューカッスルは、当たり前のようにサイドを制圧。10分もしないうちに、3点めを決めました。

エリック・ダイアーの縦パスをソン・フンミンから奪ったのはシェア。こぼれ球を拾ったマーフィーは、誰も詰めてこないと確信し、右足を振り抜きました。ゴールの左に向かった素晴らしいミドルシュートに、ロリスは1歩も動けず。プレスを嫌がるスパーズの最終ラインは、思うように前につなげません。

沈黙するアウェイサポーター。13分にスルーパスで右から抜けたオリヴァー・スキップは、ニアのハリー・ケインの足元に転がしました。エースのダイレクトショットは、左にアウト。ようやく落ち着いたチームは、19分に絶望的な4点めを喰らってしまいます。

左サイドから上がったウィロックが、右足アウトにかけた絶妙なロングボールを前線へ。ロリスと1対1になったイサクは、迷わず左のサイドネットに流し込みました。さらに2分後、サイドからのボールに反応したシーン・ロングスタッフが、ボックス右に入って後ろのイサクにラストパス。パペ・マタル・サールのチェックは緩く、右足の一撃にロリスは触れませんでした。

たった21分でシュート数は9対1、オンターゲットは6対0。アウェイサポーターのスタンドは、空席が増え続けています。5ゴールはすべてエリック・ダイアーのエリアからで、ロメロが何度もサポートに駆り出されていた左サイドは明らかに脆弱です。ステリーニ監督は、23分にパペ・マタル・サールをダヴィンソン・サンチェス。4-3-3は失敗だったと告白するような交代策です。

3-4-2-1に戻ったチームは、失点こそ止まったものの、前半終了間際にきわどいシュートやスルーパスでピンチに陥っています。ハーフタイムは5-0。ロリスは負傷したようで、後半のゴールマウスにはフォースターの姿があります。先制ゴールは遠くに弾けなかったか。3点めのミドルに動けなかったのはなぜか。昨季までの彼なら、5点めはセーブできたのではないか…。

49分、ハリー・ケインが左からカットイン。縦に持ってシェアを抜いたエースは、左足のシュートをファーのサイドネットに収め、今季プレミアリーグで24発となりました。ホームチームの67分のゴールに絡んだのは、1分前に入ったばかりの2人です。ボックス右から打ったアルミロンのシュートがロメロに当たり、こぼれ球に先着したカラム・ウィルソンが右隅に叩き込みました。

最終スコアは6-1、ニューカッスルは59ポイントで3位に浮上。連敗のトッテナムはTOP4が厳しくなっただけでなく、EL出場権獲得も怪しくなっています。6位のヴィラとは2ポイント差、1試合消化が少ないリヴァプールは3ポイント差、3試合少ないブライトンとは4つしか差がありません。

次節はマンチェスター・ユナイテッド、その次はリヴァプール。4連敗となれば、一気に8位に落ちてしまう可能性があります。ステリーニ暫定監督は、脆くなった守備を立て直せるでしょうか。惨敗のアウェイゲームは、3バックになってからも集中力を欠くシーンが多く、問題がシステムだけに留まらないのは明白です。


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