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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Arsenal×Brighton】交代策が機能したデ・ゼルビ、プランなきアルテタ…アーセナル、終戦。

なかなか負けないマン・シティの背中を追うアーセナルは、つまずいたら優勝争いが終わります。プレミアリーグ36節の相手は、ヨーロッパリーグ出場権をめざすブライトン。デ・ゼルビ監督が率いるチームは、前節はホームでエヴァートンに1-5の大敗を喫しており、コンディションはいいとはいえません。

アルテタ監督の11人は、ニューカッスル戦と同じ顔ぶれです。GKラムズデール、DFベン・ホワイト、キヴィオル、ガブリエウ、ジンチェンコ、MFジョルジーニョ、ウーデゴーア、ジャカ、FWサカ、ジェズス、マルティネッリ。開始直後、エストゥピニャンのクリアを顔面に喰らったウーデゴーアは、すぐに立ち上がっています。

フェルトマンを欠いた右のフルバックにカイセド、センターにパスカル・グロスが入り、三笘薫が右でエンシソが左。デ・ゼルビの狙いは、時間が経てばわかるのでしょうか。6分にルイス・ダンクのクリアを中央でカットしたサカは、左足のミドルをビリー・ギルモアに止められています。12分にロングフィードを左でもらったエンシソは、ニアを狙ったシュートをラムズデールにセーブされました。

サカ、ジェズス、ウーデゴーアと左につながった16分の速攻は、キャプテンのロングシュートが右にアウト。カイセドのタックルで足を捻ったマルティネッリは、19分にトロサールに後を譲りました。24分に敵陣で奪ったのはジョルジーニョ。ウーデゴーアの縦パスで右に流れたジェズスのシュートは、ニアを塞いだGKスティールが足でブロックしています。

31分のショートカウンターは、ウーデゴーア、ジャカ、トロサールと左にまわり、カットインして放ったトロサールのシュートがバーにヒット。35分にトロサールが右からFKを蹴ると、ジャカはヘディングをコントロールできません。このタイミングで左サイドに移った三笘は、37分にベン・ホワイトを抜き去ってファーにグラウンダーを通しました。

エンシソのダイレクトショットは浮いてしまい、先制はならず。スティールのミスパスをトロサールが拾った40分のチャンスは、ジェズスのクロスを右で受けたサカが打ち切れません。コルウェルのロングフィードが、左に流れたエヴァン・ファーガソンに通ったのは44分。キヴィオルを押さえて放った右足のシュートは、ニアポストの外を抜けていきました。

追加タイム1分、右からのCKの二次攻撃。ボックス右を突破したトロサールのクロスをガブリエウが競り、中央でクリアをカットしたサカが左足を振り抜くと、ボールは右のポストをかすめました。前半は0-0。相手に囲まれていても短いパスをつなぐブライトンの繊細なビルドアップは、ひとたびカットされれば一気にピンチに陥ります。

後半開始直後、ジェズスの強引なミドルでCK。ラッシュをかけたかったアーセナルは、ブライトンの冷静なパスワークで自陣に戻されています。50分にロングフィードを受けた三笘は、エストゥピニャンの上がりを待ってボックス右に縦パス。SBの最初のクロスをティアニーがクリアすると、2本めが上がる直前にキヴィオルが足を押さえてうずくまってしまいました。

バウンドして中央に入ったボールに誰も動けず、エンシソのヘッドが決まって0-1。ブライトンのプレスでパスコースを切られているアーセナルは、前線にボールがつながらなくなっています。アルテタ監督は、60分にジョルジーニョとジャカを下げ、トーマスとネルソンを投入。デ・ゼルビ監督のカードは、ビリー・ギルモアをウェルベックです。

63分にジェズスのパスを左で受けたネルソンは、カットインからのシュートが惜しくもファーポストの外。68分のウェルベックのミドルは、左に切れていきました。68分にベン・ホワイトを抜き去った三笘のドリブルは、ボックスに戻ったサカがカット。71分、ウーデゴーアがボックス右にスルーパスを出すと、トロサールのダイレクトショットはスティールの正面です。

76分に右サイドでキープしたウェルベックが、走り込んできたマック・アリスターに短いパス。思い切りよく放ったミドルは、左に外れました。77分にジェズスとウーデゴーアが下がり、スミス・ロウとエンケティアがピッチへ。残り時間は10分しかありません。

勝負が決したのは86分。ビルドアップで引いてきたトロサールがパスカル・グロスに当ててしまい、浮き上がったボールはゴール前にいたウンダフに届きました。前にはラムズデールのみ、ループシュートはパーフェクト。追加タイムは8分と表示されていますが、シーズンを通じて試したことがない布陣で戦うチームに、3ゴールは望むべくもありません。

最後のゴールは96分。左から斬り込んだウェルベックがウンダフに預け、左を狙ったミドルをラムズデールが弾くと、詰めたエストゥピニャンが右隅に流し込みました。アーセナル、終戦。ホームで0-3で敗れるとは…。2位との差が4ポイントになったマンチェスター・シティは、チェルシー、ブライトン、ブレントフォードのいずれかに勝てば優勝決定です。

前半のシュートは8対3、後半は6対9。1対1だったオンターゲットも、セカンドハーフは1対5。マルティネッリの負傷でトロサールを入れたのが、アルテタ監督の唯一のプランで、劣勢を打開する策はありませんでした。終盤にカードを使わず、前線で変化をもたらすウーデゴーアとジェズスに賭けたほうが、何かが起こる可能性は高かったのではないかと思います。

「ビルドアップに関していえば、ブライトンは世界最高だ」。ペップ・グアルディオラが絶賛したシステムは、最後までガナーズを悩ませました。自陣で犯した3回のミスは、すべてカバー。GKがセーフティーに蹴っていた相手の唯一のエラーを、決定的なゴールにつなげました。ウェルベックとウンダフの投入は大当たり。パス本数359対528、成功率77%対84%という数字は、優勝候補を敵地で下したチームの勲章です。

エミレーツを後にするグーナーの足取りを見ながら、8ヵ月にわたってプレミアリーグを盛り上げてくれた勝者と敗者の両方を激励したい気分になっています。アーセナルは、最後の2戦を勝ち切って胸を張ってほしい。ブライトンは、首位と3位も下してEL出場権を奪取してほしい。それぞれ、最後まで自らのスタイルを貫いて、実りあるシーズンを終えていただければと願っています。


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