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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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同点ゴールは101分、トロサール!守護神がPKを止めたアーセナルがコミュニティシールドを制覇!

フィル・フォーデンが自陣からドリブルで上がったのは77分。右に出したパスをティアニーにカットされると、デブライネが頭に当ててコール・パーマーに預けました。ボックス右でティアニーを振り切った80番は左足一閃。ボールはラムズデールの指先を抜け、ネットを揺らしました。

ゲームを見ていたプレミアリーグファンの大半が、コミュニティシールドの勝者はマン・シティと思ったのではないでしょうか。昨季プレミアリーグのホーム&アウェイは、1-3、4-1でペップがダブル。エティハドのFAカップ4回戦も、ナタン・アケが決めて1-0で制しています。ガナーズが押していても、結局勝つのは最強王者か…ウェンブリーには弛緩した空気が流れていました。

8分の追加タイムは、サイドにまわったエンケティアや左のティアニーにパスが通るものの、中に戻してやり直すシーンが目立っています。ゴール前で競り合ったトーマスが出血で応急処置を受けたため、99分をまわっても笛は鳴りません。シュートを打てないガナーズは敗色濃厚。ベン・ホワイトのクロスがカットされ、右からのCKのキッカーはブカヨ・サカです。

ニアに上がったキックが跳ね返され、拾ったサカが脇にいたトロサールに預けます。キックフェイントでフリアン・アルバレスをかわした19番は、ボックスに入ると迷わず左足を振り抜きました。アカンジに当たったボールが、オルテガの逆を突く格好となりゴールイン。アルテタ監督はガッツポーズ、ペップはベンチに深く座ってペットボトルの水を飲んでいます。

1-1でタイムアップ。勝負はPK戦に託されました。左隅に沈めたウーデゴーアがグーナーを煽ると、ラムズデールの読みを外したデブライネのキックはまさかのクロスバー直撃。殊勲のトロサールはPKでも冷静で、GKをよく見て右に収めました。ベルナルド・シウヴァとサカが決めて3-1となり、マン・シティの3人めはロドリです。

左に転がしたキックはコースが甘く、ラムズデールがセーブ!いきなり最後のキッカーとなったファビオ・ヴィエイラが左隅に蹴り込み、勝負は決しました。2023-24シーズンの開幕を告げるコミュニティシールドを制したのは、昨季プレミアリーグでペップの後塵を拝したアーセナル。仕上がりのいいほうが勝つべきと考えるなら、この結果は妥当でしょう。

前半のアーセナルは再三右サイドを突破しており、2つのビッグチャンスをオルテガに阻まれたカイ・ハヴェルツがどちらかを決めていれば、主導権を掌握していたはずです。対するマン・シティは足元へのパスが多く、連携で崩すシーンがありませんでした。

ハーランドはタッチ数13でパス6本、シュートはゼロ。マン・シティの決定機は、82分の速攻でラムズデールと向き合ったフォーデンと、直後のCKでニアに飛び込んだロドリの一撃ぐらいです。フリアン・アルバレスのラストパスを受けてサリバをかわした47番が、冷静にコースを切ったGKに止められなければ、メディアの見出しは前年王者が2-0完勝となっていたでしょう。

「大事なビッグゲームで、マンチェスター・シティを倒しにいけるという指標になる。今シーズンがどうなるかは、わからない。でも、メンタルブロックはなくなった。われわれはプッシュする準備ができている」。ラムズデールの言葉は、この勝利の意味を的確に表現できているのではないでしょうか。

トロサールの無心の一撃は、ガナーズの輝かしい未来につながる大きな礎になるかもしれません。早期の補強と入念な準備で最高のスタートを切ったアルテタ監督のチームに、リーグを盛り上げるロケットスタートを期待しましょう。プレミアリーグ2023-24シーズンの開幕戦は、エミレーツでノッティンガム・フォレストです。


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“同点ゴールは101分、トロサール!守護神がPKを止めたアーセナルがコミュニティシールドを制覇!” への1件のコメント

  1. グーナーです より:

    シティ相手にミスをしたら、そのツケは必ず払わなければならない。
    1-0の時点では完全にその通りの展開になっていました。
    正直なところ交代したメンバーも連携がバラバラで同点の匂いも感じませんでした。

    それでも同点に出来たのは、ヘトヘトになりながらもボールを追いかけ回したキャプテンの姿勢が全てではないでしょうか。
    チームプレーの結果とは言えなくても、全員がゴールに向かって突撃していた姿に感動しました。
    今回の勝利は、諦めなかったチームについてきた複利のようなものだと思っています。

    開幕が楽しみです。

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