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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Arsenal×Nottingham Forest】圧巻サカ&デクラン・ライス!前半2発のアーセナルが緒戦勝利!

何せアルテタ監督なので、マン・シティを倒したコミュニティシールドと同じメンバーで戦うのだろうと思っていました。プレミアリーグ開幕節、アーセナルVSノッティンガム・フォレスト。フロントスリーのサカ、エンケティア、マルティネッリはわかるものの、中盤から後ろはちょっとしたサプライズです。

MFはおそらくウーデゴーア、デクラン・ライス、カイ・ハヴェルツ、GKはラムズデール。トーマスとティンバーがSBで、ベン・ホワイトとウィリアム・サリバがセンターでしょうか。トーマスが偽SBの3-2-4-1なら適材適所ですが…まずは序盤の戦い方をチェックしましょう。30分遅れのキックオフ。右サイドにいたトーマスは、2分に初めて中央に入ってきました。

8分に右からカットインしたサカの縦パスは、裏を狙うエンケティアに合わず。中央でボールを散らしているのはトーマスで、デクラン・ライスはジャカと同じようなポジショニングです。11分にラインと入れ替わったブレナン・ジョンソンは、ラムズデールの飛び出しを気にして右に外してしまいました。

パスはつながるものの、シュートチャンスを創れないアーセナル。デクラン・ライスは左サイドでボールを戻すシーンが目立ち、窮屈そうに見えます。20分を過ぎても、序盤のエンケティアのヘッド以外にフィニッシュはゼロ。24分のカイ・ハヴェルツのミドルはブロックされています。その2分後、左サイドから持ち込んだマルティネッリがヒールでニアに出したパスは絶妙でした。

ボックス左でフリーだったエンケティアが中央に持ち込み、マット・ターナーの左を抜いて1-0。CKの二次攻撃からサリバが右サイドで奪い、サカが中に斬り込んだのは32分でした。ファーポスト際を狙った得意の左足ミドルはパーフェクト。2-0になった37分、左から仕掛けたマルティネッリがアウトにかけたクロスは中に合いません。

サカが拾って後方に戻すと、ウーデゴーアの縦パスでゴール前に出たエンケティアはボリにブロックされました。トーマスが時折、右サイドで背後を突かれるのが気になりますが、サカやCBがカバーして事なきを得ています。44分、デクラン・ライスが左に曲げたミドルは、マット・ターナーが冷静にキャッチしました。

前半は2-0、シュート数は7対1、オンターゲットは3対0。デクラン・ライスは、先制ゴールが決まってからは中盤のコントロールタワーになりました。ノッティンガム・フォレストの最終ラインをかき回したフロントスリーは守備の貢献度も高く、失った瞬間にパスコースを切るプレッシングが機能しています。

前半終了間際に足を痛めたティンバーが、48分に右膝の裏を押さえて座り込んでしまいました。左サイドに入ったのは冨安健洋。51分にいきなり放ったミドルは、ニアをケアしていたGKの守備範囲です。ボールをキープしているガナーズは、またも前線につなげられなくなっています

冨安のポジションがティンバーより低いため、マルティネッリが下がってもらうシーンが増え、デクラン・ライスやエンケティアとの距離が遠くなっています。右サイドもベン・ホワイトのオーバーラップがなくなり、ウーデゴーアが時間をかけて上がってきてもスペースは消されています。73分、エンケティアが下がってトロサール。ガナーズは変わるでしょうか。

76分、自陣にいたサカのサイドチェンジで左から上がったマルティネッリが、逆サイドのウーデゴーアにグラウンダー。右でパスを受けたカイ・ハヴェルツがボックスの入り口に転がすと、デクラン・ライスのダイレクトショットは、左に飛んだマット・ターナーがビッグセーブで阻止しました。

82分、サカのクロスにワローが触ると、背後にいたデクラン・ライスのボレーも守護神がセーブ。直後のCKからエランガが左サイドをスプリントし、中央にラストパスを転がすと、ベン・ホワイトの前に入ったアウォニイが押し込みました。直後にまたもエランガが仕掛け、ニアに走ったギブス=ホワイトにボールが出るも、右足のボレーは枠にいきませんでした。

85分にオーバーラップした冨安がボックス左から折り返すと、必死に戻ったマンガラがカット。直後にマルティネッリが下がり、謎のベンチスタートだったガブリエウがいつものポジションに入りました。追加タイムは7分。93分にトロサールが仕掛けたカウンターは、中でもらったウーデゴーアがシュートをブロックされました。

追加タイムをしっかり取るようになったプレミアリーグは、98分のウーデゴーアのシュートが左に逸れても笛が鳴りません。冨安が必死のヘッドでタッチラインに出した後、ようやくタイムアップ。終盤に1点差に詰め寄られたものの、今後に期待を抱かせるスタートといっていいのではないでしょうか。

MVPはファインゴールのサカに譲るとしても、10年キャプテンをやっているようなプレイを見せたデクラン・ライスもリスペクトしたい一戦でした。パス成功率92%、オンターゲット3本、リカバリー5本、タックル4戦全勝、アタッキングハーフへのパス10本。ティンバーともども、短期間でチームに完全にフィットしています。

トーマスの偽SBは、右から速攻を仕掛けられた際の対応が課題ですが、サリバ、ガブリエウ、ティンバーが並べばより安定するはずです。最終ラインと中盤のバリエーションが格段に増えており、プレミアリーグとチャンピオンズリーグの両立は問題ないでしょう。サカとマルティネッリは攻守ともにハイレベルで、前線の流動性を高めてくれるジェズスの復帰が楽しみです。

次節は敵地でクリスタル・パレス。ティンバーの負傷は気がかりですが、誰が出てもレベルが落ちることはありません。ウーデゴーアが持ち味を発揮し、カイ・ハヴェルツがゴール前で勝負する機会を増やせれば、8節のマン・シティ戦を無敗で迎えられるでしょう。多様な戦い方を選べるようになりそうなチームの熟成のプロセスに注目したいと思います。(デクラン・ライス 写真著作者/مهدی مریزاد)


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