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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Brighton×West Ham】1億ポンドのMFを失ったチームの激突は、パス2本の速攻3発でハマーズ完勝!

プレミアリーグ3節における私の最注目カードは、アメックス開催のブライトンVSウェストハムでした。マック・アリスターとカイセドをダブルで手離したチームと、デクラン・ライスとスカマッカを抜かれたチームのガチンコ勝負。シーガルズもハマーズも、売却で得た1億ポンド以上のキャッシュで本気の戦力強化を進めている最中です。

中盤のキーマンを失った彼らは、しばらくは苦しむかと思いきや、開幕から好調です。デ・ゼルビ監督のチームは、ルートンとウルヴスに4-1の圧勝で首位に君臨。敗戦が続けばすぐに解任されるといわれていたデヴィッド・モイーズ監督は、敵地に乗り込んだボーンマスとの開幕戦は1-1で引き分けたものの、チェルシーを3-1で下しています

試合のレポートに入る前に、それぞれの補強リストをチェックしておきましょう。GKロベルト・サンチェスを売却したブライトンは、後釜としてフェルブルッゲンを獲得。コルウィルが抜けたCBにはイゴール、中盤にダフード&ミルナー、最前線にはワトフォードからジョアン・ペドロを獲得しています。

「もっと選手が必要」というデ・ゼルビ監督は、「(エヴァン・)ファーガソン、エンシーソ、ミトマ、ファン・ヘッケ、(ビリー・)ギルモア、ランプティは将来売却する優秀な選手」と先を見据えており、夏のトランスファーマーケットが締まる前に、さらなる新戦力を獲得する意向を示しています。

対するウェストハムは、プレミアリーグの開幕直前まで補強ゼロだったのですが、直近の2週間で一気に即戦力を手に入れました。デクラン・ライスの後継者はアヤックスのエドソン・アルバレス。セインツのウォード=プラウズを獲得したのは、移籍したランシ―ニのポジションを強化したかったからでしょう。層が薄かったCBには、元ガナーズのマヴロパノスを引き入れています。

さて、ここからは注目の一戦に目を向けましょう。前半の最大のハイライトはスタッツです。プレミアリーグを見慣れた方は、ポゼッション84%対16%という数字が飛び込んで来たら、目を疑うのではないでしょうか。成功したパスの本数は320対31!ブライトンの速いパスワークが冴え、ハマーズは自陣にこもって応戦する展開でした。

しかしスコアは0-1。圧巻だったのは、33歳になったマイケル・アントニオです。6分に左サイドのルーカス・パケタからのスルーパスでラインの裏に抜け、GKの正面に打ったストライカーは、19分にウォード=プラウズが縦に出したロングフィードを追って先制点を演出しました。

先着したウェブスターから奪ってドリブルでボックス左に入ると、中央に走り込んできたのは、ついさっきまで自陣にいたウォード=プラウズです。優しいパスを受けたニューフェイスはワンタッチでビリー・ギルモアをかわして右に流れ、無人のゴールにプッシュしました。押されていたハマーズは、この1点を守ってハーフタイムを迎えています。

前半のトピックスとしてもうひとつ、GKフェルブルッヘンと交錯して頭を打ったソーチェクに代わって、ベンラーマが入ったことも記しておきたいと思います。同じポジションをこなせるフォルナルスではなく、カウンターでキーマンになるアタッカーを投入してルーカス・パケタを中に寄せるという判断は、後に試合を大きく動かしました。

後半開始直後に、この試合のターニングポイントが訪れます。ルイス・ダンクのロングフィードを受けた三笘が、ボックス左からファーに完璧なクロス。エヴァン・ファーガソンが叩きつけたヘディングを外に弾くアレオラの超絶セーブがなければ、押していたホームチームが勝っていたかもしれません。58分にゴールを決めたのは、カウンター狙いのハマーズでした。

自陣左サイドの深い位置で、こぼれ球を拾ったのはマイケル・アントニオ。縦パスをもらったベンラーマの距離と速度の計算はぴったりでした。逆サイドにクロスが上がり、ハーフライン手前からスプリントしてきたボーウェンが足元に収めると、左足アウトのクレバーなフィニッシュがファーのサイドネットに転がりました。

さらに63分、アレオラのキックを右サイドで収めたボーウェンが、すかさず中央のマイケル・アントニオへ。中に持つと見せかけて右に反転してウェブスターを抜いたベテランは、自らの想定通りに左隅に蹴り込み、リードを3点に広げました。

先制のシーンでマイケル・アントニオに奪われたウェブスターは、2点めではベンラーマを自由にさせ、3点めでもマイケル・アントニオに翻弄されています。DFとしては最悪の1日。どれかひとつでも止められていれば、1ポイントはゲットできていたかもしれません。

0-3にされたブライトンは、66分のパスカル・グロスの素晴らしいミドルをニアに飛んだアレオラに止められ、直後のCKを叩いたルイス・ダンクのヘッドもビッグセーブに阻まれました。唯一のゴールは81分。3分前に決定的なダイレクトショットをセーブされたパスカル・グロスが、右からのミドルを左のサイドネットに突き刺しました。

1-3で終わったゲームの最終スタッツは、ポゼッション78%対22%、シュート数25対12、パス成功は668本と141本。しかしオンターゲットは10対7と接近しており、ビッグチャンスは2対6とハマーズが上回っています。ダフードとイゴールを使わなかったチームが、先制ゴールを生んだウォード=プラウズと守備で奮闘したエドソン・アルバレスのチームに屈した一戦でした。

完敗のブライトンは、無双状態のマイケル・アントニオとキレキレだった守護神アレオラにやられた感があり、むやみに反省しなくてもいいでしょう。それぞれ、新戦力が完全にフィットするまでにもう少し時間が必要で、ヨーロッパリーグが佳境に入る頃には、さらにやっかいなチームに変貌を遂げているのではないでしょうか。

ドリブル成功3回の三笘は、次こそゴール&アシストを決めてもらいましょう。両者ともに持ち味を披露したナイスゲームでした。いやー、見てよかった!


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