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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Tottenham×Liverpool】誤審に泣かされ、9人で耐え続けたリヴァプールのあまりに残酷な結末。

足りないのは、アレクサンダー=アーノルドだけでしょう。プレミアリーグ7節のトッテナムVSリヴァプールは、両者ともに現在のベストメンバー。スパーズは勝てば2位に浮上し、レッズが制すれば久々の首位奪還です。

さっそく、ホームのスパーズから先発メンバーを紹介しましょう。GKヴィカーリオ、DFペドロ・ポロ、ロメロ、ファン・デ・フェン、ウドジェ、中盤センターはイヴ・ビスマとパペ・マタル・サール、2列めはクルゼフスキ、ジェームズ・マディソン、リシャルリソン、最前線にソン・フンミンの4-2-3-1です。

対するレッズは、いつもの4-3-3でしょう。GKアリソン、DFジョー・ゴメス、マティプ、ファン・ダイク、ロバートソン、MFマック・アリスター、ショボスライ、カーティス・ジョーンズ、FWサラー、ガクポ、ルイス・ディアス。立ち上がりから、攻守がめまぐるしく変わるエキサイティングな展開が続き、両者ともにラインの裏を狙う速攻を仕掛けています。

3分にファン・ダイクのサイドチェンジを足元に収めたのは、モー・サラー。丁寧なグラウンダーに走り込んだルイス・ディアスは、ボレーを右に外しました。4分のCKのクリアを左足で叩いたのは、マック・アリスター。右隅に飛んだボールは、ポストすれすれを抜けていきました。

ジェームズ・マディソン、ペドロ・ポロ、クルゼフスキと右につながった8分の速攻は、カットインしたウインガーのシュートをファン・ダイクがブロック。イヴ・ビスマとパペ・マタル・サールがプレスをかいくぐった11分のアタックは、左サイドから仕掛けたリシャルリソンのグラウンダーに、クルゼフスキは1歩及びません

レッズの決定機は13分。ショボスライのサイドチェンジを受けたルイス・ディアスが、ボックスに走り込んだロバートソンに流したパスが秀逸でした。SBのパスを受けたガクポが振り向きざまに左隅を狙うと、ヴィカーリオがセーブ。こぼれ球を叩いたロバートソンの強烈な一撃も、スパーズの新守護神のビッグセーブに阻まれました。

19分、サラーの縦パスで右サイドを突破したのはショボスライ。ファーに出たクロスに走り込んだロバートソンは、左足のダイレクトショットをパペ・マタル・サールにブロックされます。前線からのプレスが効果的で優位に立っていたレッズは、26分に厳しいジャッジで戦力を削がれてしまいました。

ボールに乗った足が滑り、イヴ・ビスマのくるぶしを踏みつける格好となったカーティス・ジョーンズにレッドカード。誰も避けられないアクシデントで退場を促されたMFは、笑みを浮かべてピッチを去りました。30分にジェームズ・マディソンが左足で放ったミドルは、アリソンが素晴らしい反応でキャッチしました。

ジェームズ・マディソンが中央のクルゼフスキに預けたのは33分。左でラストパスを受けたリシャルリソンはフリーでしたが、焦ったシュートはアリソンの頭上を越えていきました。36分、スパーズ先制。ジェームズ・マディソンが縦に出したスルーパスは完璧で、裏に抜けたリシャルリソンが中央に転がすと、ファン・ダイクの前に入ったソン・フンミンが右足で流し込みました。

10人のレッズは、攻めなくてはなりません。数的優位のスパーズはプレスを強め、ショートカウンターを狙っています。左サイドを制圧するリシャルリソンとウドジェが連携した43分のアタックは、ソン・フンミンが競ったこぼれ球を叩いたリシャルリソンのシュートが右ポストを直撃。惜しいシーンでしたが、アリソンの前にいたウドジェがオフサイドを取られたようです。

前半の追加タイム4分、マック・アリスターのサイドチェンジが右のショボスライへ。ファーに浮いたボールをファン・ダイクが頭で折り返すと、フリーでトラップしたガクポが反転し、強烈なシュートをど真ん中に決めました。1-1となった2分後、左にまわったサラーが超絶スルーパスをゴール前に通すも、ルイス・ディアスのワンタッチは右に逸れていきます。

ハーフタイムはイーブン。クロップ監督は足を痛めたガクポに代え、ジョッタを投入しました。スパーズはプレスでパスコースを切り、レッズの前線は虎視眈々とラインの裏を狙っています。49分の波状攻撃からジェームズ・マディソンが左足で放った決定的なミドルは、アリソンが右にダイブして外に弾き出しました。

なおも猛攻を続けるスパーズ。51分のジェームズ・マディソンの縦パスから、中に入っていたウドジェがソン・フンミンにラストパスを通すと、右足のボレーはまたもアリソンがぎりぎりで枠の上にプッシュしました。58分のパペ・マタル・サールのミドルは、ビッグセーブ連発の守護神の正面。10人のチームが耐える時間が続いています。

4-4-1の赤いシャツに対して、白のアタッカーたちは最終ラインにぴったり張り付き、圧力をかけています。69分、ソン・フンミンが下がってマノー・ソロモン。直後、ジョッタが2枚めのイエローを突き付けられ、レッズは9人になってしまいました。4-4-0は、「カウンターは諦めました」と白旗を揚げているかのようです。

74分にルイス・ディアス、サラー、ジョー・ゴメスが下がり、遠藤航、コナテ、アーノルド。78分のショボスライのロングシュートは、ヴィカーリオが難なくキャッチしています。80分、マック・アリスターに代わってフラーフェンベルフ。10人なら、ダルウィン・ヌニェスという選択肢もあったのですが…。

ポステコグルー監督は、83分にウドジェとパペ・マタル・サールを下げ、オリヴァー・スキップとベン・デイヴィス。88分にショボスライがキープすると、右サイドに出た遠藤航がファールをもらいました。アーノルドのFKはヴィカーリオがキャッチ。90分にジェームズ・マディソンとイヴ・ビスマが役割を終え、ヴェリスとホイビュルクが送り出されました。

ショボスライ、遠藤航、フラーフェンベルフが前線に出て追い続け、残り1分まで耐えたレッズは、あまりにも残酷な幕切れを迎えました。ペドロ・ポロの高速クロスにニアで先着したのはマティプ。左足のクリアは、ニアポストの内側に飛んでしまいました。2-1、勝ったのはトッテナム。うまく戦っていたアウェイチームは、目前にしていた1ポイントを失ってしまいました。

試合が終わるとすぐに、PGMOL(プロ審判協会)が声明を出しました。「ルイス・ディアスのゴールは、現場のマッチオフィシャルチームによってオフサイドとされ、認められなかった。これは明らかに事実誤認である。VARによってゴールが与えられるべきだったが、介入しなかった」。34分にサラーのパスで抜け出したルイス・ディアスが、左隅に決めたシーンの話です。

ボールがネットを揺らす前にフラッグが上がり、VARによる検証なきままノーゴールとしたミスについて、PGMOLは全面的に検証するといっています。現地映像は、ルイス・ディアスより後方にあったロメロの足を捉えており、メディアが一斉に報じるだろうと思っていました。「アンフェア」「狂気のジャッジ」と非難したレッズの指揮官の気持ちはよくわかります。

スパーズの選手たちは素晴らしかった。ジェームズ・マディソンのスルーパスは最高だった。レッズも素晴らしかった。10人で追いつき、9人になっても勝利の可能性を追求し続けた選手たちは勇敢だった…。今、いえるのはそんなことぐらいです。レッズの指揮官と選手たちは、気持ちを切り替えてヨーロッパリーグに臨むしかありません。

そしてわれわれプレミアリーグファンは、今の技術では誤審はなくならないという事実を受け入れ、これもフットボールの一部なのだと自分に言い聞かせるしかありません。今季の重要な戦いにおいて、勝負を左右するような誤審は今日が最後であれと祈りながら。


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“【Tottenham×Liverpool】誤審に泣かされ、9人で耐え続けたリヴァプールのあまりに残酷な結末。” への2件のフィードバック

  1. グッチ より:

    お疲れ様です。過去覚えがないレベルで審判団への不満を覚えてしまい、綴らせていただきます。(感情的な文章で申し訳ありません。不適切でしたら消すなりして頂いて結構でございます。)
    冒頭15分でオープンな名試合を確信した分、残りがあまりにお粗末なレフェリングで唖然としました。白黒ハッキリ付けられるゴールシーンのオフサイドは誤審と認めましたが(何の確信に基づいてチェック飛ばしたのかそもそも理解できませんが)、審判へのカード要求ジェスチャーに対する厳罰化もこの試合では適用されず、ジョタの1枚目もカードは理解できませんでした。(2枚目は軽率だと思います。)後半に入ってから互いに対してよく分からない基準でイエローをばら撒き、結局カード何枚出たのか空で言える人は少ないのでは無いでしょうか。
    試合結果を審判が左右する事象が毎度起き、勝った側もやれ買収だ何だと批判を受ける羽目になり(もちろん流石に無いと思います)、再発防止もできず、謝罪したとて被害者には何の救済にもなりません。そして抗議したらイエロー出すから黙ってろというならサイコロ転がして勝敗決めてくれた方が納得です。
    この試合に直接関わっていないクラブを応援されている皆さん。次節「被害」を受けるのは、そしてそれにより優勝を、欧州への切符を、残留を逃すのはあなたの愛するクラブかもしれません。
    お目汚し申し訳ございません。ソンフンミンとマディソンがそれぞれ新しい役割、新しいクラブにも関わらず馴染みすぎていて怖かったことを白状して締め括らせて頂きます。

  2. Motsuki より:

    久々にコメント失礼致します。

    おそらく今後も、何かしらの騒ぎが起きてもPGMOLは謝罪の言葉を発し、当該担当レフェリー陣を次節の担当から外す程度の対応しか行わないと思います。

    カード提示のバーが下がった事も、ピッチ上で審判団を守る為とはいえ、現状はあまりにもアンフェアです。改善策にはなりませんが、PGMOLに対する弾劾を行う機会が必要ではないかと思います。少なくとも次シーズンの改善には繋がるはずです。

    今のままではPGMOLに本質的な損失は発生しません。担当試合を外される事で、審判個人の手当や収入に影響するのかは知りえませんが、いくらPGMOLの心象が悪くなろうと、審判団がいなければ試合が成立しないのは事実です。この事実を人質に取られているような気がします。

    日本の裁判官であれば、国民の声により罷免されるリスクがあります。だからと言うわけでは無いでしょうが、公正な判断を下すように努めている部分はあるでしょう。

    おそらく、残りの今シーズンで誤算がゼロとはいかないでしょう。回数が相応に嵩んだ時、この点に言及する記事を執筆されるのではないかと思い、いち個人の意見ではありますがコメント欄を利用させていただきました。

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