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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Liverpool×Everton】ルイス・ディアス対VARは、ようやく勝訴!サラーの2発でレッズ完勝!

リヴァプール2-0エヴァートン。243戦めとなるマージーサイドダービーは、過去13年で1回しか負けていないリヴァプールが予想通りの完勝でした。試合後にメディアのレポートを読んだ人や、両チームのスタッツをチェックした人は、2発ゲットのモー・サラーがMVPだと思うでしょう。

75分のPKを思い切り右隅に蹴り込んだエースは、97分に訪れた4対2のチャンスで、ダルウィン・ヌニェスのスルーパスをダイレクトで右ポスト際に決めました。プレミアリーグ通算146ゴールの稀代のフィニッシャーは、もちろん勝利の立役者のひとりです。しかし真のMVPは、逆サイドでエヴァートン守備陣を大混乱に陥れたファイターだったのではないでしょうか。

レッズサポーターに、一生忘れないエピソードを残したルイス・ディアス。2023年9月30日、トッテナムとのアウェイゲームでサラーのスルーパスを受け、左隅に決めたシーンは世紀の大誤審と騒がれました。TV画面でもセーフに見える飛び出しは、VARの信じられないミスによってオフサイドとされ、その後失点したレッズは苦しい戦いの末に今季初の敗戦を喫しました。

マージーサイドダービーで、左ウイングに配されたルイス・ディアスは、レフェリーとVARに正しいジャッジを下すための例題を出しまくっているかのようでした。最初の仕掛けは12分、ショボスライが自陣からドリブルで突進したカウンター。左でラストパスを受けた7番は、必死に追ってきたアシュリー・ヤングに左足のシュートをブロックされました。

38歳の右SBにとって、このスライディングの成功は、後の悲劇の伏線になったように感じられます。18分にサイドを突破しようとしたルイス・ディアスの足に膝を当て、イエローカード。32分にはトラップミスの後、悔しかったのかボールをスタンドに蹴り出し、レッズサポーターを騒然とさせました。

ルイス・ディアスに縦に持ち込まれたのは37分。後ろから無謀なスライディングで獲りにいったベテランは、ドリブラーの右足を蹴ってしまいました。2枚めのイエローカードは、押されていたアウェイチームにとって致命的なアクシデント。0-0で終わった前半は、答えやすい問題を出していた7番は、後半に入るとレフェリーを試すような難問を突き付けるようになります。

71分にボックス左で仕掛け、切り返しを入れた瞬間、パターソンに左手で足を払われる格好となるも笛は鳴らず。1分後、やはりボックス右からクロスを上げると、ボールはマイケル・キーンが挙げていた右腕にヒットします。CKとジャッジしたクレイグ・ポーソンは、オンフィールドレビューで証拠を得ると、静かにPKスポットを指差しました。

レッズサポーターにしてみれば、52分にアーノルドが放ったミドルのクリアを手に当てた5番に、ようやく望む判決が出たと溜飲を下げるシーンだったのではないでしょうか。アシュリー・ヤングのレッドカードと決勝PKを誘発したヒーローは、81分にスタンディングオベーションを受けてジョー・ゴメスに後を譲りました。

10人になってから耐えるだけだったエヴァートンの「たら・れば」は、開始33秒の決定機です。自陣ボックスの入り口にいたマック・アリスターのパスをドゥクレがカットし、左にまわり込んだマクニールが中央に浮かすと、ファン・ダイクを制したカルヴァート=ルーウィンのヘッドは、アリソンの正面にいってしまいました。

左右どちらかにズレていれば、プレミアリーグ屈指のショットストッパーも触れなかったはずです。アンフィールドに足を運んだエヴァトニアンは、まさか最初の1発が唯一のオンターゲット、唯一のボックス内からのシュートになるとは思わなかったでしょう。90分までPK1発で耐えた選手たちを静かに称えるしかない完敗でした。

あらためて、デュエル9戦7勝、ドリブル成功3回というスタッツを残したルイス・ディアスに拍手を送りたいと思います。2つのVARが入った時間帯のアンフィールドは異様な雰囲気でした。レッズサポーターとしては、「一審、二審の敗訴の後に最高裁があってよかった」といった感じでしょうか。ショーン・ダイク監督は、「その前にコナテがレッド」といっておりましたが…。


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