2023.11.12 プレミアリーグ観戦記2023-24プレミアリーグ観戦記
【Wolves×Tottenham】ラスト6分で悪夢の2発!主力を欠いたスパーズ、まさかの連敗!
ピッチサイドに2人が呼ばれたのは87分。0-1でリードしていたトッテナムが押している時間帯でした。アイ・ヌーリとジョアン・ゴメスに代わって、パブロ・サラビアとトミー・ドイル。その1分後、スパーズに決定機が訪れます。入ったばかりのドイルがカットしたボールが自陣に流れると、ベンタンクールが奪取。瞬間的に2対1となり、左にいたソン・フンミンはフリーでした。
プレミアリーグのウルヴス戦で未だゴールがないキャプテンは、必死に戻ったドイルに右足のシュートを当ててしまいます。高く跳ね上がったボールをトラップしたクルゼフスキがボックス右に持ち込み、後ろにいたロ・チェルソに落とすと、左足で放った素晴らしいミドルはジョゼ・サが上に弾き出しました。
守護神ヴィカーリオが右のエリック・ダイアーに渡したのは90分。縦につなごうとしたボールはタッチラインを割り、トティ・ゴメスのクイックなスローインを受けたファン・ヒチャンが、左サイドに張っていたマテウス・クーニャに預けます。ここまでは何でもないシーン。状況が急変したのは、ドリブルで2つ持ったマテウス・クーニャがニアに浮かした瞬間でした。
ホイビュルクとベン・デイヴィスの間を抜けてきたのはサラビア。右足でトラップした31歳のMFは、落ちてくるボールを左足で捉え、ニアをぶち抜きました。慌てて戻ったベン・ディヴィスの足は届かず。ロリスの後を継ぎ、ビッグセーブを連発してきたヴィカーリオも触れないファインゴールです。
この1発で、プレスの応酬だったゲームはそれまでと違う展開にスイッチしました。追いつかれたスパーズは、KO寸前のパンチを喰らって頭が朦朧としているボクサーのようです。獰猛な黄色いシャツを嫌がる余裕のないパスが増え、95分に左から蹴ったペドロ・ポロのFKもあっさりクリアされています。
ウルヴスの選手がファールを取られるたびに、モリニューのスタンドから唸るようなブーイングが鳴り響きます。センターサークルでレミナが倒されたのは96分20秒。約束の時間が終わった直後で、ドローを告げる笛がいつ鳴ってもおかしくない状況です。最後にモリニューを沸かせたのは、87分に入った2人でした。
クイックスタートで、右サイドに速いパスを出したのはドイル。カットインしたサラビアが斜めに転がる超絶スルーパスを出すと、走り込んで右足でタッチしたのは、7秒前に足を押さえて呻いていたレミナでした。コースが変わったボールが左のサイドネットに届くと、大音量のチャントとブーイングでチームを後押ししていたサポーターたちが絶叫しています。
たった9分で1ゴール1アシストのサラビアは、2本のパスが成功率100%でデュエル1勝、インターセプト1回、チャンスクリエイト1回。チームの逆転勝利に関わることだけを託されたようなスタッツです。ペドロ・ネトを欠いた前節、最下位シェフィールド・ユナイテッドに2-1で敗れたチームは、敗戦寸前だったゲームを交代策でひっくり返しました。
戦況を見守るしかなかったポステコグルー監督は無表情。ジェームズ・マディソン、ロメロ、ファン・デ・フェン、ウドジェ、リシャルリソンを欠いたチームは、苦しみながらも89分までうまく戦っていました。先制は3分、右にいたクルゼフスキにサイドチェンジを通したのはパペ・マタル・サール。打つと見せかけたウインガーが、縦に出したヒールキックが決め手でした。
オーバーラップしてきたペドロ・ポロが高速グラウンダーを入れると、最高のタイミングで中央に走り込んだのはブレナン・ジョンソン。前に入られてしまったセメドに、左足のワンタッチを防ぐ手立てはありませんでした。快調に攻めていたスパーズに対して、ウルヴスが初めて決定機を創ったのは10分でした。
マテウス・クーニャの縦パスでボックスに入ったアイ・ヌーリのシュートは、必死に追ったベン・デイヴィスがスライディングでブロック。サブの選手が3人の最終ラインにとって、この敗戦は「マテウス・クーニャに最後まで苦しめられたゲーム」でした。33分にセメドのパスを受け、右から上がったレミナにきわどいシュートを打たせたのも好調の12番です。
ハーフタイムのポゼッションは37%対63%、しかしシュート数は9対2でウルヴスが圧倒しており、オンターゲットも2対1です。後半も、奪ったボールをシンプルに縦に運ぶウルヴスペース。53分に左のアイ・ヌーリに預けたマテウス・クーニャは、リターンをもらって放った右足のコントロールショットを右に外しています。
55分のCKで、ジョアン・ゴメスのシュートのこぼれ球をフリーでトラップしたファン・ヒチャンは右に外すミスキック。CKが増えたホームチームは、シュートを打たせるボールの精度が課題となっています。スパーズの苦戦の理由を示す数字を2つ上げましょう。クルゼフスキはデュエルで2勝13敗。彼とホイビュルク、ペドロ・ポロはトータル12回もドリブルで抜かれています。
ジェームズ・マディソンがいれば、ソン・フンミンがシュート1本で終わることはなかったという声もあるでしょう。確かに、そうかもしれません。しかしこのゲームは、素早い寄せと厚いカバーリングでシュートコースを空けなかったウルヴスをほめるべきでしょう。マテウス・クーニャをキーマンとする速攻に苦しめられていたチームは、それでも最後までリードしていたのです。
大黒柱のロメロとウドジェがピッチを去り、9人でハイラインを貫いて散ったチェルシー戦に続く連敗。この試合で負傷したジェームズ・マディソンとファン・デ・フェンの復帰は1月で、1発レッドのロメロは2試合の出場停止を消化しなければなりません。どんな形でも、これまでサブだった選手を揃えて勝てれば自信を手に入れられたのですが…。
インターナショナルブレイク明けから、アストン・ヴィラ、マンチェスター・シティ、ウェストハム、ニューカッスル。難しい相手が続くスパーズは、TOP4をキープできるでしょうか。90分以降のゴールで5ポイントを積み上げてきたチームにとって、90分から連打を喰らった逆転負けは、想像以上に大きなダメージが残るかもしれません。(パブロ・サラビア 写真著作者/Sandro Halank)
プレミアリーグのウルヴス戦で未だゴールがないキャプテンは、必死に戻ったドイルに右足のシュートを当ててしまいます。高く跳ね上がったボールをトラップしたクルゼフスキがボックス右に持ち込み、後ろにいたロ・チェルソに落とすと、左足で放った素晴らしいミドルはジョゼ・サが上に弾き出しました。
守護神ヴィカーリオが右のエリック・ダイアーに渡したのは90分。縦につなごうとしたボールはタッチラインを割り、トティ・ゴメスのクイックなスローインを受けたファン・ヒチャンが、左サイドに張っていたマテウス・クーニャに預けます。ここまでは何でもないシーン。状況が急変したのは、ドリブルで2つ持ったマテウス・クーニャがニアに浮かした瞬間でした。
ホイビュルクとベン・デイヴィスの間を抜けてきたのはサラビア。右足でトラップした31歳のMFは、落ちてくるボールを左足で捉え、ニアをぶち抜きました。慌てて戻ったベン・ディヴィスの足は届かず。ロリスの後を継ぎ、ビッグセーブを連発してきたヴィカーリオも触れないファインゴールです。
この1発で、プレスの応酬だったゲームはそれまでと違う展開にスイッチしました。追いつかれたスパーズは、KO寸前のパンチを喰らって頭が朦朧としているボクサーのようです。獰猛な黄色いシャツを嫌がる余裕のないパスが増え、95分に左から蹴ったペドロ・ポロのFKもあっさりクリアされています。
ウルヴスの選手がファールを取られるたびに、モリニューのスタンドから唸るようなブーイングが鳴り響きます。センターサークルでレミナが倒されたのは96分20秒。約束の時間が終わった直後で、ドローを告げる笛がいつ鳴ってもおかしくない状況です。最後にモリニューを沸かせたのは、87分に入った2人でした。
クイックスタートで、右サイドに速いパスを出したのはドイル。カットインしたサラビアが斜めに転がる超絶スルーパスを出すと、走り込んで右足でタッチしたのは、7秒前に足を押さえて呻いていたレミナでした。コースが変わったボールが左のサイドネットに届くと、大音量のチャントとブーイングでチームを後押ししていたサポーターたちが絶叫しています。
たった9分で1ゴール1アシストのサラビアは、2本のパスが成功率100%でデュエル1勝、インターセプト1回、チャンスクリエイト1回。チームの逆転勝利に関わることだけを託されたようなスタッツです。ペドロ・ネトを欠いた前節、最下位シェフィールド・ユナイテッドに2-1で敗れたチームは、敗戦寸前だったゲームを交代策でひっくり返しました。
戦況を見守るしかなかったポステコグルー監督は無表情。ジェームズ・マディソン、ロメロ、ファン・デ・フェン、ウドジェ、リシャルリソンを欠いたチームは、苦しみながらも89分までうまく戦っていました。先制は3分、右にいたクルゼフスキにサイドチェンジを通したのはパペ・マタル・サール。打つと見せかけたウインガーが、縦に出したヒールキックが決め手でした。
オーバーラップしてきたペドロ・ポロが高速グラウンダーを入れると、最高のタイミングで中央に走り込んだのはブレナン・ジョンソン。前に入られてしまったセメドに、左足のワンタッチを防ぐ手立てはありませんでした。快調に攻めていたスパーズに対して、ウルヴスが初めて決定機を創ったのは10分でした。
マテウス・クーニャの縦パスでボックスに入ったアイ・ヌーリのシュートは、必死に追ったベン・デイヴィスがスライディングでブロック。サブの選手が3人の最終ラインにとって、この敗戦は「マテウス・クーニャに最後まで苦しめられたゲーム」でした。33分にセメドのパスを受け、右から上がったレミナにきわどいシュートを打たせたのも好調の12番です。
ハーフタイムのポゼッションは37%対63%、しかしシュート数は9対2でウルヴスが圧倒しており、オンターゲットも2対1です。後半も、奪ったボールをシンプルに縦に運ぶウルヴスペース。53分に左のアイ・ヌーリに預けたマテウス・クーニャは、リターンをもらって放った右足のコントロールショットを右に外しています。
55分のCKで、ジョアン・ゴメスのシュートのこぼれ球をフリーでトラップしたファン・ヒチャンは右に外すミスキック。CKが増えたホームチームは、シュートを打たせるボールの精度が課題となっています。スパーズの苦戦の理由を示す数字を2つ上げましょう。クルゼフスキはデュエルで2勝13敗。彼とホイビュルク、ペドロ・ポロはトータル12回もドリブルで抜かれています。
ジェームズ・マディソンがいれば、ソン・フンミンがシュート1本で終わることはなかったという声もあるでしょう。確かに、そうかもしれません。しかしこのゲームは、素早い寄せと厚いカバーリングでシュートコースを空けなかったウルヴスをほめるべきでしょう。マテウス・クーニャをキーマンとする速攻に苦しめられていたチームは、それでも最後までリードしていたのです。
大黒柱のロメロとウドジェがピッチを去り、9人でハイラインを貫いて散ったチェルシー戦に続く連敗。この試合で負傷したジェームズ・マディソンとファン・デ・フェンの復帰は1月で、1発レッドのロメロは2試合の出場停止を消化しなければなりません。どんな形でも、これまでサブだった選手を揃えて勝てれば自信を手に入れられたのですが…。
インターナショナルブレイク明けから、アストン・ヴィラ、マンチェスター・シティ、ウェストハム、ニューカッスル。難しい相手が続くスパーズは、TOP4をキープできるでしょうか。90分以降のゴールで5ポイントを積み上げてきたチームにとって、90分から連打を喰らった逆転負けは、想像以上に大きなダメージが残るかもしれません。(パブロ・サラビア 写真著作者/Sandro Halank)
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踊るような文章に同じくウキウキしてしまいました。笑
憎きスパーズの敗戦、最高ですね!!