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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Chelsea×MAN.CITY】衝撃の8発!王者にひるまず、3度追いついたチェルシーに惜しみない拍手を!

直近の公式戦5試合は、マンチェスター・シティが全勝。5戦とも、チェルシーはノーゴールに抑えられています。プレミアリーグ12節のラストゲームは、2年半前にビッグイヤーを争った因縁の対決。スタンフォード・ブリッジに登場した両チームは、ベストメンバーといっていいでしょう。ポチェッティーノ監督率いるホームチームの最初の目標は、久々のゴールです。

まずはチェルシーから、先発メンバーを紹介しましょう、GKロベルト・サンチェス、DFリース・ジェームズ、ディサシ、チアゴ・シウヴァ、ククレジャ。中盤センターはカイセドとエンソ・フェルナンデス、2列めにコール・パルマー、コナー・ギャラガー、スターリング、最前線にスパーズ戦でハットトリックのニコラス・ジャクソンという顔ぶれです。

対するペップは、ロドリとベルナルド・シウヴァが中央に並ぶ4-2-3-1でしょうか。エデルソン、カイル・ウォーカー、ルベン・ディアス、アカンジ、グヴァルディオル、ロドリ、ベルナルド・シウヴァ、フォーデン、フリアン・アルバレス、ジェレミー・ドク、ハーランド。注目は、前節のボーンマス戦で1ゴール4アシストという数字を残したジェレミー・ドクの突破力です。

立ち上がりからアグレッシブにプレスをかけるチェルシーに対して、マン・シティは慎重につないでいます。6分にスターリングの縦パスをボックス右で受けたニコラス・ジャクソンは、ヒールのリターンを合わせられず。左サイドにいたスターリングのフィードで始まった8分のカウンターは、ストライカーを制したカイル・ウォーカーが回収しました。

リース・ジェームズのパスが、右のコール・パルマーにつながったのは12分。カットインからの左足シュートは、アカンジが落ち着いてブロックしました。15分にジェレミー・ドクと勝負になったリース・ジェームズは、グラウンダーをカット。マン・シティのプレスの強度が上がり、チェルシーはサイドからのカウンター狙いに徹しています。

19分に、縦パスをカットしたアカンジのクリアをトラップしたコナー・ギャラガーは、右足の強烈なボレーがエデルソンの正面。24分に左からクロスが上がると、ハーランドと絡んだククレジャにVARのチェックが入ります。両者ともシャツをつかんだ競り合いは、最後に引っ張ったSBがファールとされ、PKとイエロー。エースのキックは、GKの逆を突いて左に決まりました。

28分、右足で巻いたリース・ジェームズのFKは、左に飛んだエデルソンがビッグセーブ。チェルシーの同点ゴールはCKからでした。コナー・ギャラガーがニアに入れると、走り込んだチアゴ・シウヴァのヘッドはパーフェクト。ボールは左のサイドネットを揺らし、スタンフォード・ブリッジは轟音に包まれました。

1-1となった32分、フォーデンが右から3人を一気に抜き去ってファーポスト際にクロスを上げると、詰めたハーランドのボレーはポストの外。2分後。ロドリのパスをボックス右手前で受けたフォーデンのミドルは、左のポストをかすめました。エンソ・フェルナンデスから右でもらったコール・パルマーが、ボックス右にパスを出したのは37分。先着したのはグヴァルディオラです。

SBがクリアして終わるかと思った瞬間、かかとに当たったボールがリース・ジェームズの足元へ。すかさず高速グラウンダーが中央に入り、マークを外したスターリングが押し込みました。さらに40分、リース・ジェームズが右からカットインした速攻は4対3。これが決まれば、さすがのマン・シティも逆転は厳しくなりそうです。

ラストパスをカットしたのはカイル・ウォーカー、こぼれ球を叩いたエンソ・フェルナンデスのシュートをブロックしたのはグヴァルディオル。42分にも速攻を止めたカイル・ウォーカーがベルナルド・シウヴァにつなぐと、CBの間に入ったハーランドにラストパスが通ります。フリーの一撃は、ロベルト・サンチェスが左に弾き出すビッグセーブでしのぎました。

43分、左サイドでドクをかわしたスターリングが中央に突進。最後のタッチがニコラス・ジャクソンの足元に流れるも、左足で打ったシュートはコースが甘く、エデルソンが難なくキャッチしました。追加タイム1分、ショートコーナーが左のベルナルド・シウヴァに出ると、完璧なヘッドを左に突き刺したのはアカンジです。

追加タイム7分、スターリングの縦パスを左で受けたニコラス・ジャクソンのシュートはカイル・ウォーカーがブロック。殴り合いとなった前半は、2-2のイーブンで終わっています。シュート数は11対8、オンターゲットは5対5。スタンフォード・ブリッジに詰めかけた両チームのサポーターは、この内容ならチケットは安いと満足しているのではないでしょうか。

後半開始から90秒、自陣ゴールラインからのクリアをハーランドが足元に収め、中央のフリアン・アルバレスにつなぎました。右から上がったフォーデンが19番の上がりを待って、縦パスをフイード。ボックス右でフリーになったフリアン・アルバレスがグラウンダーを入れると、ハーランドが体で押し込み、マン・シティが2度めの勝ち越しです。

52分に左から突破を図ったのはベルナルド・シウヴァ。折り返しのクリアにロドリが先着し、フリアン・アルバレスに頭で送ると、鋭いボレーはコースを読んだロベルト・サンチェスがキャッチしました。58分にカウンターからディサシをかわしたドクのシュートも、チェルシーの守護神のセービングに阻まれています。

ペップの1枚めは59分、ダイブでカードをもらったドクに代えてグリーリッシュ。直後、ルベン・ディアスとロドリを次々にかわしてエデルソンの前に躍り出たコール・パルマーは、左隅に流したボールをセーブされてしまいました。ポチェッティーノ監督は、64分にリース・ジェームズとエンソ・フェルナンデスを下げ、ムドリクとマロ・グストを投入しています。

座り込んだエデルソンがプレー続行となった67分、コナー・ギャラガーが左のムドリクにロングフィード。スターリング、コナー・ギャラガ―と中につながり、強烈なミドルをエデルソンが前に弾くと、詰めたニコラス・ジャクソンが難なく左に流し込みました。残り20分で3-3になったゲームは、このまま終わるとは思えません。

スターリングがロドリのパスを敵陣でカットしたのは75分。中央にマーカーを集めたイングランド代表が右に流すと、フリーだったマロ・グストは左足のシュートを打ち上げてしまいました。79分にフリアン・アルバレスと代わったのは、コヴァチッチ。何としても勝ちたいペップは、ベルナルド・シウヴァを高い位置で機能させようとしているのでしょうか。

86分、フォーデンのパスを受けたコヴァチッチが、ハーランドをポストに使いシュート。ディサシがブロックしたボールをロドリが左足で叩くと、チアゴ・シウヴァに当たったボールが左隅に飛び込みました。90分にカイセドと代わったのはアルマンド・ブロヤ。追加タイムは8分です。92分、中央のスターリングにパスを通したのはディサシ。ここから新たなドラマが始まります。

ドリブルで上がった7番は、ボックス内のアルマンド・ブロヤにラストパス。キックフェイントでルベン・ディアスをかわしたストライカーは、スライディングに足を取られました。ジャッジはPK、コール・パルマーが左隅に決めて4-4。今季プレミアリーグで最もエキサイティングだった一戦は、両者ともに悔しいドローに終わりました。

ポゼッションは45%対55%、シュート数17対15、オンターゲット9対10。2ゴール1アシストのハーランドを、すんなりMVPに選べないほど素晴らしいプレイが多いナイスゲームでした。3度追いついたチェルシーは、ドリブルでチャレンジし続けたスターリング、2ゴールに絡んだコナー・ギャラガー、自在なパスワークで古巣を混乱させたコール・パルマーが秀逸でした。

2戦連続の4ゴールで、ビッグ6との直接対決を1勝3分としたポチェッティーノ監督と選手たちは、自信を深めたのではないでしょうか。インターナショナルブレイク明けも、ニューカッスル、ブライトン、マン・ユナイテッドとやっかいな相手が続きますが、今の彼らなら3連勝もあるでしょう。エンクンクとチュクエメカの復帰によるパワーアップが楽しみです。

対するペップも「分けてなお強し」。ベルナルド・シウヴァとロドリは、相変わらずスペシャルです。ボックスの両脇で数的優位を築く技術において、彼らの上をいくチームは見当たりません。次節のリヴァプールは、サイドの守備を強化できなければ、高速グラウンダーをハーランドに決められるシーンを避けられないでしょう。

夜が明けた今も、トータル8発の残像が脳裏を駆け巡っています。とにかく凄い試合でした。最強王者に何度もリードされて、中盤で圧力をかけられても、ひるまず最後まで戦えるチームに仕上げたポチェッティーノ監督に拍手を送りたいと思います。試合中もタイムアップ後も、ハイテンションでしたね…!


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“【Chelsea×MAN.CITY】衝撃の8発!王者にひるまず、3度追いついたチェルシーに惜しみない拍手を!” への2件のフィードバック

  1. グーナーです より:

    グーナーとしては賞賛する気持ちをグッと抑えたいのですが、でもやっぱり正直に「面白かった・・・」と認めざるを得ません。何度も試合中に「うわぁ!」と驚き、「このシティによくアーセナル勝てたな」「このチェルシーによく同点に持ってけたな」と不思議な気持ちになりました。

  2. グティ より:

    更新ありがとうございます。いつも楽しく拝見しております。
    この強度このクォリティで4-4というのは極上のエンターテイメントでした。シティが王者である理由も、チェルシーが強者である理由も見られたと思います。勝ち点1ずつというのは互いに勿体無い部分もあるとは思いますが、今季も混戦になりそうです。

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