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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Arsenal×Liverpool】先制アーセナル、サラーが決めて同点!互角だった首位決戦は納得のドロー!

クリスマスの首位を争う一戦は、両者ともにベストメンバー。アンフィールドでアーセナルを迎え撃つユルゲン・クロップ監督は、遠藤航をアンカーに置いています。GKアリソン、DFアーノルド、コナテ、ファン・ダイク、ツィミカス、MF遠藤航、ショボスライ、カーティス・ジョーンズ、FWサラー、ガクポ、ルイス・ディアス。今季プレミアリーグのホームゲームは7勝1分です。

対するアルテタ監督の先発も、多くのグーナーの予想通りでしょう。GKラヤ、DFベン・ホワイト、サリバ、ガブリエウ、ジンチェンコ。MFデクラン・ライス、ウーデゴーア、カイ・ハヴェルツ、FWサカ、ジェズス、マルティネッリ。こちらのアウェイは5勝1分2敗で、2点差以上で勝ったのはボーンマス戦だけです。

スタンドからはいつもの「you’ll never walk alone」。黄色いシャツの9番がキックオフのボールを蹴る前に、強烈なブーイングが聞こえてきました。1分も経たないうちに、右サイドからサカがグラウンダー。アリソンが弾いたボールをジェズスが叩くと、ツィミカスに当たってCKです。右からのボールに合わせたジェズスのヘッドは、アリソンが冷静にキャッチしています。

4分に左からFKを浮かしたのはウーデゴーア。ガブリエウのヘディングに、アリソンは1歩も動けません。VARが引いたラインはオンサイド。ガナーズがいきなり先制です。9分のプレスからカイ・ハヴェルツがパスをカットしますが、左に出たアリソンが懐に収めています。12分のCKからの二次攻撃で、アーノルドがラインの裏に出したボールは、ガクポの頭上を越えていきました。

14分、左の遠藤がファーにロングフィード。ガクポが頭で後ろに送ると、サラーのボレーはニアに外れました。ラヤがボールを持つとブーイング。サカとベン・ホワイトがテンポよくパスを交わした20分のアタックは、ボックス右手前で受けたウーデゴーアの右足のシュートがファーに流れていきました。アーノルドは中に絞らず、右サイドで縦にボールを供給しています。

27分のカーティス・ジョーンズのミドルは、ガブリエウがブロック。ウーデゴーアはアンカーのように下がって中盤を仕切り、カイ・ハヴェルツはジェズスの脇に出てボールを受けています。29分、中央に入ったアーノルドのロングフィードがボックス右脇のサラーへ。ジンチェンコを簡単に抜いたエースがニアを打った一撃にラヤは触れず、レッズが同点に追いつきました。

33分にサカと競り合い、転倒してクロップ監督とぶつかったツィミカスは、頭と肩を強打したようです。左サイドに入ったのはジョー・ゴメス。40分に右サイドでキープしたサラーは、ガクポのランを期待した斜めのパスをラヤに押さえられました。1分後、ウーデゴーアのスルーパスで抜けたサカはアリソンと1対1で打てず、フォローしたマルティネッリは左に外してしまいました。

中盤で戦う遠藤航は、マルティネッリを腕で抱えてイエローをもらい、ドリブルでカイ・ハヴェルツをかわして累積5枚めを誘いました。前半は1-1、シュートは4対7、オンターゲットは1対2。後半立ち上がりの50分、ウーデゴーアから遠藤が奪って始まったショートカウンターは、サラーのシュートをガブリエウが足に当て、ラヤがキャッチしています。

52分、右から上がったサラーが中央に転がすと、ルイス・ディアスがミスキック。1分後、ジンチェンコがサラーに奪われたピンチは、ガクポへの決定的なパスをデクラン・ライスがカットしています。さらに54分、敵陣でカットしたボールが遠藤、ガクポ、ショボスライ、ルイス・ディアスとまわり、左からオーバーラップしたジョー・ゴメスの一撃は惜しくも右に外れました。

最初の10分は、効果的なプレスを続けるレッズペース。ガナーズにとっては、左サイドに冨安健洋がいてほしい展開です。60分、ジンチェンコのサイドチェンジがサカに通り、グラウンダーを入れるとアーノルドがクリア。拾ったウーデゴーアが左に転がすと、力んだジンチェンコは左に外しました

クロップ監督は、68分に3枚代えを敢行。ガクポ、カーティス・ジョーンズ、ルイス・ディアスが下がり、ダルウィン・ヌニェス、エリオット、フラーフェンベルフです。アルテタ監督は、マルティネッリをトロサール。ラヤのキックをカットした70分の逆襲は、エリオットのミドルがガブリエウに当たって右ポストを叩きました。

72分、CKからウーデゴーアがサラーに奪われ、5対2のカウンター。エースからラストパスが右に出ると、フリーだったアーノルドがクロスバーにぶつけてしまいました。75分にフラーフェンベルフがボックス左のジョー・ゴメスに預けると、ニアを狙ったシュートはラヤがセーブしています。アルテタ監督の2枚めは77分、ジェズスに代えてエンケティアです。

80分にクロスのクリアに走り込んだジンチェンコのロングシュートも、サカの落としを叩いたデクラン・ライスの一撃も、コナテがコースに入ってブロックしています。両者ともにファールが増え、騒然とするアンフィールド。5分の追加タイムは、お互いの長所をつぶし合って終わりました。1-1のドローは、納得の結末です。

ポゼッションは51%対49%、シュートは13対13、オンターゲット3対2、CK4対5、パス本数は355対337で、成功率は両者とも81%。2つのチームのスタッツが、これほど近いゲームはなかなかありません。デクラン・ライスと遠藤航のアンカー対決も、パス成功率88%とインターセプト2本はイーブンで、ボールの回収とパスワークはデクラン・ライス、デュエルは遠藤の勝利です。

同点になるまではアーセナルがうまく戦っており、後半はプレスの強度を高めたリヴァプールの時間。サラーを中央にまわしたクロップ采配は、脅威が減ったジンチェンコの中盤参加を誘発してしまい、マイナスのほうが大きかったと思います。アルテタ監督は慎重でしたが、カイ・ハヴェルツが機能しなかった終盤にスミス・ロウで勝負という手もあったのではないでしょうか。

美しいFKをガブリエウに合わせたウーデゴーアと、今季プレミアリーグで12発めとなるファインゴールを決めたモー・サラーに、あらためて拍手を送りたいと思います。これぞ首位を争うシックスポインター。アグレッシブな守備と的確なシュートブロックを見せたコナテと、先制ゴールと冷静な対応でチームに貢献したガブリエウも素晴らしいパフォーマンスでした。

3位のアストン・ヴィラが最下位シェフィールド・ユナイテッドにホーム連勝記録を15で止められる波乱があり、TOP3にスパーズが接近。2023-24シーズンは混戦続行です。直近14シーズンのクリスマスリーダーのうち、10チームが優勝していますが、昨季は逆転されたアーセナルは勝てるのでしょうか。予測不能のリーグは、年末にどこが頂点に立っているのかさえわかりません。


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