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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Chelsea×Crystal Palace】決勝ゴールは89分のPK…主力を欠いたチェルシー、貴重な3ポイント!

前節のウルヴス戦を落として暫定11位のチェルシーは、直近の6試合で2勝4敗と停滞。18位のクリスタル・パレスは、直近7試合で勝利がありません。プレミアリーグ19節のロンドンダービーは、どちらにとっても浮上のきっかけとしたい一戦です。

スターリングとコール・パルマーがサスペンデッドで、前線のタレントを欠いたポチェッティーノ監督は、ニコラス・ジャクソンの後ろにエンクンクを配し、左右にムドリクとマートセンを置いています。中盤センターはカイセドとコナー・ギャラガー。最終ラインはマロ・グスト、ディサシ、バディアシル、コルウィル。チアゴ・シウヴァはベントスタートです。

立ち上がりから押しているのは、アウェイのクリスタル・パレス。エゼが壁の外から巻いた5分のFKは、右のポストの脇を抜けていきました。7分にヨアキム・アンデルセンが放ったロングシュートは、GKペトロヴィッチの正面。チェルシーが最初の決定機を創ったのは、この直後でした。中央に持ち込んだムドリクの縦のスルーパスで、ラインの裏に抜けたのはマートセンです。

ディーン・ヘンダーソンとの1対1から、右隅を狙ったシュートはGKが触り、ゴールに向かったボールは必至に戻ったタイリンク・ミッチェルがクリアしました。2度めのチャンスは13分。ドリブルで中央に入ったマロ・グストが逆サイドのエンクンクに預けると、スルーパスを止められたエンクンクがこぼれ球を拾い、すかさずボックス左に転がしました。

フリーでグラウンダーを入れたのは、右サイドからまわってきたマロ・グスト。完璧なボールをワンタッチで流し込んだのはムドリクです。1-0となってからは、クリスタル・パレスが攻める時間が続いています。オリースと対峙するコルウィルは、簡単にドリブル突破を許すわけにはいきません。

カイセドがニコラス・ジャクソンに楔のボールを入れたのは21分。中央からスプリントしてヒールパスを受けたムドリクが突き抜け、GKと1対1になりますが、左足のシュートはブロックされています。26分には、後方からのボールを競ったニコラス・ジャクソンが、アンデルセンを振り切って右にラストパス。打とうとしたエンクンクの足がグエイにかかり、追加点は決まりません。

34分、エンクンクのサイドチェンジがマロ・グストへ。SBのパスをボックス右手前で受けたマートセンは、左足のシュートをうまくミートできず、ボールは左に切れていきます。テンポよく攻めるチェルシー。ムドリクが中央に入ってボールに絡み、エンクンクが左サイドからゴールに迫る形は、ポチェッティーノ監督の狙いのひとつでしょう。

チェルシーのシードで終わるかと思われた追加タイム1分、左にいたジョルダン・アイェウがファーに素晴らしいクロスをフィード。オリースのワントラップボレーが右隅に決まり、ハーフタイムは1-1のイーブンです。後半の立ち上がりは、クリスタル・パレスが攻勢。チェルシーの最終ラインは、エゼとオリースの突破力に要注意です。

55分にオリーセの縦パスをハーフライン手前で受けたマテタは、バディアシルを抜き去って右からゴールに近づくと、ニアを狙ったシュートはペトロヴィッチがセーブ。ポチェッティーノ監督は、58分にマートセンとコルウィルを下げ、チアゴ・シウヴァとラヴィアを投入しました。夏に加わったラヴィアは、移籍後初登場。ディサシが右、マロ・グストは左にまわっています。

コナー・ギャラガーが前に上がり、左サイドを執拗に攻めるチェルシーは、フィニッシュにつながる形を作れません。71分にムドリクとエンクンクが下がり、ノニ・マドゥエケとアルマンド・ブロヤ。ナサニエル・クラインのタックルを喰らって転倒し、右の足首を押さえていたムドリクは大丈夫でしょうか。

コナー・ギャラガーが縦に転がしたスルーパスで、ニコラス・ジャクソンがGKと1対1になったのは74分。コースを塞いだディーン・ヘンダーソンをかわすチップキックは、右に外れてしまいました。チャンスを逃したストライカーは、2分後にチアゴ・シウヴァのクロスを左隅に決めますが、VARにオフサイドを取られてスコアは変わりません。

81分、チアゴ・シウヴァをかわして中央に進んだシュラップが、右のオリースにラストパス。最初の一撃をブロックされた7番は、右足で打った2本めをペトロヴィッチにセーブされました。CKのクリアをボックスの入り口でキープしたノニ・マドゥエケが、エゼと接触して転倒したのは85分。プレイが止められたのは、アウェイチームの4対3のカウンターが不発に終わった後でした。

オンフィールドレビューを経て、ジャッジはPK。自らスポットに立ったノニ・マドゥエケがGKの逆を突き、ゴール左に突き刺しました。90分にバディアシルと代わったギルクリストは20歳で、プレミアリーグデビュー。94分、エゼとのワンツーで右サイドから中に入ったオリーセは、左足のシュートをペトロヴィッチにキャッチされました。

8分の追加タイムをしのいだチェルシーが2-1で勝ち、10位に浮上。ポゼッション64%と主導権を握りながらも、シュート数9対13、オンターゲット4対5という数字が示す通り、ドリブラーたちに振り回される苦しい一戦でした。ムドリクとエンクンクに後方からのサポートがあれば、もっとチャンスを創ることができたのではないでしょうか。

右サイドは、マートセンよりもマロ・グストのチャレンジのほうが印象的で、SBの仕掛けがなければシュートにつながる形を作れませんでした。ボックスの外からのシュートはゼロ。決定機とはいえない状況でもらった幸運なPKで、ようやく勝利に辿り着きました。2-1の辛勝は、スターリングとコール・パルマー抜きで得た貴重な3ポイントといういい方もできます。

次節はホームで3-0完勝のルートンですが、リヴァプール、アーセナル、マンチェスター・シティを苦しめた18位は、今季プレミアリーグの開幕当初とは違うチームと考えたほうがいいでしょう。直近5試合は6ゴール7失点。もうしばらく、ポチェッティーノ監督の試行錯誤が続きそうな雲行きです。


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