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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【MAN.CITY×MAN.UTD】先制してベタ引きのマン・ユナイテッド、猛攻に屈して3失点の完敗!

首位リヴァプールを追いかけるマンチェスター・シティはベストメンバー。ホーランドとリサンドロ・マルティネッリを欠いたマンチェスター・ユナイテッドは、いわば飛車角落ちです。プレミアリーグ27節のマンチェスターダービーは、誰に聞いてもペップのチームが圧倒的に優勢という見方が返ってくるでしょう。

さっそく、トレブルを達成した昨季王者の先発メンバーを見てみましょう。GKエデルソン、DFカイル・ウォーカー、ルベン・ディアス、ナタン・アケ。中盤センターにロドリとジョン・ストーンズ、2列めはベルナルド・シウヴァ、フォーデン、デブライネ、ジェレミー・ドク、最前線にハーランド。フリアン・アルバレスはベンチスタートです。

対するテン・ハフは、カウンター狙いに徹するのではないでしょうか。GKオナナ、DFダロト、ヴァラン、ジョニー・エヴァンス、リンデロフ。中盤センターはメイヌーとカゼミーロ、2列めはブルーノ・フェルナンデス、マクトミネイ、ガルナチョ、最前線にラシュフォード。開始早々から、マン・シティが猛攻を仕掛けています。

2分のショートコーナーから、デブライネがボックスの手前にパスを通すと、フォーデンのミドルはダロトが頭でクリア。3分の波状攻撃で、デブライネの縦パスがボックスに入ったジョン・ストーンズに通りますが、4人で囲んだ赤いシャツが何とか奪取しました。マン・シティの選手が倒れると、容赦ないブーイング。ひとたび堤防が決壊したら、地獄のような時間が始まりそうです。

マクトミネイのスルーパスで、右からガルナチョが抜けたのは6分。19歳のウインガーは中のラシュフォードに出せず、ゴールライン際からの折り返しはナタン・アケに触られてエデルソンがキャッチしています。全員がボックスにこもるシーンもあるアウェイチームは、クリアしても守備を強いられるでしょう。しかし8分、先制したのはマンチェスター・ユナイテッドでした。

オナナのロングフィードがラインの裏に飛ぶと、先着したのはブルーノ・フェルナンデス。ボックス手前で落としを受けたラシュフォードは、迷わず右足を振り抜きました。ボールはエデルソンの指先を抜け、クロスバーの下を叩いてネットへ。今季のマン・シティが最初のオンターゲットで失点したのは、15回めです。

デブライネ、ベルナルド・シウヴァと左サイドでつながった14分のアタックは、右に出たボールを叩いたフォーデンのシュートをオナナが足でブロック。センターサークル付近でルベン・ディアスがスリップした17分のチャンスは、ブルーノのパスでラインの裏に抜け出した10番がトラップをミスしてしまいました。

19分、デブライネの美しいスルーパスが右のフォーデンへ。1対1になったオナナは冷静にコースを狭め、アバウトなフィニッシュを足に当てました。23分、ロドリの縦パスをインターセプトしたのはジョニー・エヴァンス。左のブルーノに預け、絶妙なクロスがファーに上がると、フリーだったラシュフォードは空振りしてしまいました。

30分、ベルナルド・シウヴァとのワンツーから斬り込んだジェレミー・ドクは、右足を振り抜くもミスキック。33分にデブライネの高速クロスをヴァランがクリアすると、ロドリがボレーで右隅を狙いますが、オナナが素晴らしい反応で外に弾き出しました。マン・シティのファールでゲームが止まると、最終ラインは時間をとってスローダウンさせようとしています。

ラシュフォードが自陣深くでボールを追っている布陣で、逆襲は望むべくもありません。前半最大の決定機は45分。ドクが脇にいたロドリに預け、浮き球が右に入ると、フォーデンが頭で折り返した先に、ハーランドが走り込んできました。左足のボレーが決まったかと思いきや、ボールはクロスバーの上。プレミアリーグ得点王はヴァランの仕事を代行してしまったようです。

前半のポゼッションは74%対26%、シュート数は18対2、しかしオンターゲットは3対1。ルートンよりも守備的なアウェイチームは、最後までグローブで顔を隠してロープを背負い続けるのでしょうか。後半が始まり49分、マクトミネイが仕掛けたカウンターを返され、右からカットインしたフォーデンの一撃はジョニー・エヴァンスがブロックしました。

マイボールになっても、チャレンジできないマンチェスター・ユナイテッド。マクトミネイが左のラシュフォードを走らせた55分のカウンターは、10番がファールをもらいにいって終わってしまいました。直後、右からカットインしたフォーデンがリンデロフをかわして左足を振り抜くと、ボールは左隅に突き刺さりました。

ペップは59分にドクを下げ、フリアン・アルバレスを投入。60分の左サイドのFKから、デブライネがファーにきわどいクロスを送ると、素晴らしいパフォーマンスを続けているオナナがパンチでCKに逃れました。65分に足をつって倒れ込んだオナナに、一斉にブーイング。69分にジョニー・エヴァンスと代わったのは、19歳のカンブワラです。

70分、ボックス手前から狙ったデブライネのFKは壁にヒット。マン・ユナイテッドは運動量が落ち、中盤でフリーになる選手が増えています。左にまわっていたラシュフォードはボールを失い続け、75分にアントニーに後を譲りました。78分、メイヌーのスルーパスを追ったガルナチョがエデルソンと交錯。VARは、GKのスライディングはノーファールとジャッジしたようです。

80分に左サイドでキープしたのはデブライネ。内側でもらったフォーデンがフリアン・アルバレスとワンツーをかわすと、カゼミーロは置いていかれてしまいました。ボックス左からフリーで放った左足シュートがオナナの指先をかすめて決まり、ついに逆転。テン・ハフ監督はガルナチョとメイヌーを諦め、フォーソンとアムラバトをピッチに送り出しました。

マン・シティは3点めを奪って、勝負を決めようとしています。敵陣に入るのも難しいマン・ユナイテッドは、後半のシュートゼロで90分を終えました。追加タイムは8分。アムラバトが自陣左でロドリに奪われたのは、91分でした。ボックス右でハーランドがフリー。ロドリの優しいラストパスを受けたエースが、冷静に左隅に流し込みました。

ポゼッションは73%対27%、シュート数は27対3、オンターゲットは8対1。結果もスタッツも順当としかいえません。テン・ハフ監督に問いたいのは、エリクセンを出さなかった理由です。同点ならアムラバトも理解しますが、2-1のビハインドからポイントをめざすなら、チャンスメイクに長けたベテランに賭けたほうがよかったのではないでしょうか。

0-1とした後、10番が得た2度のチャンスのうち、どちらかが決まっていればポイントゲットはリアルなテーマとなっていたでしょう。専守防衛で80分以上を過ごすのは、さすがに無理だったともいえます。9本のシュートを放って2発ゲットのフォーデン、前線を自在に動かしたロドリ、自陣にこもるチームに圧力をかけ続けたシティズンのみなさんに拍手を送るしかありません。

先制されながらも、力でねじ伏せた昨季王者は、いよいよリヴァプールとのシックスポインター。苦手のアンフィールドで敗れると、月末のアーセナル戦のプレッシャーが高まります。とはいえ、相手はいくつかのポジションで主力を欠いており、こちらはベストメンバー。昨夜の後半のパフォーマンスを再現できれば、4ポイント差に引き離されることはないでしょう。

一方、アストン・ヴィラと11ポイント差のマン・ユナイテッドは、EL出場権確保が現実的な目標となりました。3月半ばにはマグワイア、ホイルンド、メイソン・マウント、マラシア、ワン=ビサカが戻ってくる見通しで、好調だった2月上旬のレベルには戻せるでしょう。終盤の追い込みで、来季に期待をつなぐ終わり方にしていただければと期待しています。


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