偏愛的プレミアリーグ見聞録

ブレイズ戦で足を痛めたマルティネッリは欠場。前線にはサカ、カイ・ハヴェルツ、トロサールが並び、GKはラムズデールです。プレミアリーグ28節、アーセナルVSブレントフォード。7連勝中のガナーズは、リヴァプールとマン・シティのつぶし合いの前に、ホームでつまずくわけにはいきません。

GKラムズデール、DFベン・ホワイト、サリバ、ガブリエウ、キヴィオル、MFジョルジーニョ、デクラン・ライス、ウーデゴーア、FWサカ、カイ・ハヴェルツ、トロサール。ジンチェンコとジェズスはベンチスタートです。開始2分、敵陣でサカがカットし、いきなり決定機。ウーデゴーアとパスをかわした7番がファーに送ると、トロサールのトラップをルアスレウがクリアしました。

なおも攻めるアーセナル。サカとウーデゴーアの動きを見ながら、ベン・ホワイトはサイドとセンターを行き来しています。押してはいるものの、アウェイチームにはイヴァン・トニーとウィサがいるのを忘れてはいけません。10分にウィサのシャツをつかんだガブリエウは、不必要な抗議でイエローを突き付けられています。

16分、ラムズデールのロングスローで、ラインの裏に抜けたのはトロサール。シュート体勢に入る前にルアスレウにカットされたアタッカーは、打ち切れずに終わりました。ジョルジーニョ、ベン・ホワイト、サカと右につながったのは19分。ウインガーがSBに戻すと、絶妙なクロスがゴール前に上がり、ルアスレウに競り勝ったデクラン・ライスのヘッドがネットを揺らしました。

24分に右から上がったサカは、シンプルにニアのウーデゴーアへ。コースがないと見たキャプテンが脇のカイ・ハヴェルツに託すと、左足のシュートはGKフレッケンの正面です。27分のCKは、ニアのガブリエウのヘッドがクロスバーの上。35分、ジョルジーニョの絶妙なスルーパスでGKと向き合ったカイ・ハヴェルツは、フィニッシュを右に外してしまいました。

37分に左からドリブルで上がったデクラン・ライスは、迷わずサカにサイドチェンジ。縦に持った7番が右足でファーを狙うも、ボールはバーを越えていきます。41分のトロサールのミドルは、フレッケンが右に反応してキャッチ。1分後、ガブリエウのパスでボックス左に出たトロサールが折り返すと、カイ・ハヴェルツの左足ボレーはミスキックです。

前半終了間際に、ラムズデールがまさかのエラー。ガブリエウのパスを受けて思い切り蹴った瞬間、詰めたウィサに当たったボールが枠に飛び込んでしまいました。2024年になってから、アーセナルが前半をリードせずに終えるのは初めてです。後半開始直後に2回パスを受けたGKは、無難につないでいます。

猛攻を続けるアーセナルに対して、アウェイチームは中央に人数を揃えています。48分、左でキープしたトロサールの落としを受けたサカのシュートは、GKの頭上を越えていきました。56分に左サイドで浮き球を追ったイヴァン・トニーが、GKの位置を見てハーフボレーの超ロングシュート。ラムズデールはぎりぎりで触り、CKに逃れました。

59分のサカのCKをガブリエウがヘッドで叩くと、ゴール前にいたヤネルカが足に当て、フレッケンがキャッチ。ウーデゴーアのクロスが上がった際に、トロサールを引き倒したルアスレウはファールじゃないかとスタンドが騒然としています。70分、ジョルジーニョが下がってジェズス登場。カイ・ハヴェルツは左にまわるようです。

9番が入った直後、アイエルのロングフィードがゴール前にいたコリンズに届き、ヘディングがゴールを襲いますが、ラムズデールがビッグセーブ。74分のCKのクリアをウーデゴーアがデクラン・ライスに落とすと、ダイレクトのコントロールショットはバーを叩きました。79分にキヴィオルとトロサールに代わり、ネルソンとジンチェンコがピッチに送り出されています。

波状攻撃が続く86分、ウーデゴーアがベン・ホワイトを走らせる縦パスをフィード。完璧なクロスが中央に入り、カイ・ハヴェルツのヘッドがフレッケンのグローブを弾いてネットに突き刺さりました。絶好調の29番は、プレミアリーグで4戦連発。エミレーツのグーナーは、大音量のチャントで選手たちを鼓舞しています。

95分、ウーデゴーアが下がってトーマス。ブレントフォードの放り込みにガナーズの守備陣は的確に対応し、10分の追加タイムをやり過ごしました。アーセナルはプレミアリーグ8連勝で、暫定首位へ。MVPは、素晴らしいクロスで2アシストを記録したベン・ホワイトでしょう。サカ＆ウーデゴーアとともに繰り返したボックス右を突くアタックが、最後に実を結びました。

ラムズデールが難しくしてしまった試合を、勝利に導いたのはカイ・ハヴェルツ。不可解な補強と訝しむ声は消えたといい切っていいでしょう。今や最前線のファーストチョイスで、左にまわれば守備における貢献度が高まります。前線を動かすジョルジーニョの配球はハイクオリティ。彼のアンカー起用は、デクラン・ライスの攻撃力を活かせるのも大きなメリットです。

日曜日の直接対決で、リヴァプールが勝ってもマン・シティが勝っても2位に浮上。ドローなら、首位でペップとのシックスポインターに臨むことになります。サリバと冨安を失ったスポルティングCP戦から、もうすぐ1年。ポルトガルのクラブにリベンジを果たし、満を持してエティハドに乗り込んでいただければと思います。