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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Chelsea×MAN.UTD】残り1分から2失点…TOP4が遠のいたマンチェスター・ユナイテッドの限界。

90分まで2-3でリード、しかし追加タイムは8分。前節のブレントフォード戦で、96分に勝ち越しながら追いつかれたマンチェスター・ユナイテッドは、冷静にゲームを畳む力を求められています。サイドを突破しようとするチェルシーはミスパスが目立ち、カウンターが1発決まればアウェイチームの勝利でしょう。

アントニーのドリブルをククレジャが奪ったのは95分。ベンチで戦況を見守るガルナチョは、決勝ゴールを叩き込んだヒーローになろうとしています。ノニ・マドゥエケが右からドリブルで仕掛けたのは97分。中央の人数は足りていたのですが、抜かれたダロトは足を滑らせた瞬間に右手をかけてしまいました。11番が転倒し、ジャッジはPKです。

強く引っ張られたようには見えなかったのですが、「手を使わなければよかった」とたしなめられれば、返す言葉はありません。コール・パルマーが右に決めて同点。勝たなければならないアウェイチームは、ダロトが失敗を取り返すべくドリブルで攻め込みますが、ラシュフォードへのパスが流れ、奪われてしまいました。

メイヌーが1発でカットしようとして、エンソ・フェルナンデスにかわされ、カウンターが発動。中央を切り裂いたノニ・マドゥエケが左のスターリングに預けると、クロスを入れる瞬間、中央でコール・パルマーがフリー。しかし出どころを読んだメイソン・マウントがクリアし、窮地を脱したかに思われました。

拾ったククレジャがチュクエメカに渡すと、右隅を狙ったミドルはマクトミネイに当たってCK。エンソ・フェルナンデスのショートコーナーは、ニアにいたコール。パルマーにつなぐシンプルな作戦でしたが、冷静さを失った守備陣は誰もチェックにいきません。慌てて駆け寄ったメイソン・マウントが足を出すタイミングで、20番は左足を振り抜きました。

右も左も狙っておらず、紛れが起こることを期待して強く蹴ったシュート。その判断は正解でした。マクトミネイに当たったボールがオナナの逆を突き、4-3!2試合連続で追加タイムのリードを守れなかったチームに、反撃のための時間はありませんでした。序盤の絶望から望外の歓喜、そして残酷なフィナーレ。5位スパーズとの9ポイント差は、8試合では埋まらないでしょう。

最初の落胆は、キックオフからわずか4分で喰らった先制ゴール。右サイドで2人がフリーになり、外に引っ張り出されたヴァランは、マロ・グストの折り返しをかかとに当てるのが精一杯でした。こぼれ球はコナー・ギャラガーの足元へ。右に蹴った丁寧なフィニッシュにオナナは触ったものの、ボールは指先をすり抜けネットに届きました。

さらに19分、ボックス左でムドリクのパスを受けたククレジャがアントニーと競って転倒。VARの映像を見ると足は当たっておらず、せめてオンフィールドレビューをしてほしかった微妙なジャッジでした。コール・パルマーが右に蹴り込んで2-0。落胆は絶望に変わり、ここからは「チャンピオンズリーグの出場権は無理だろう」と思いながら、ボールの行方を追っていました。

チェルシーが圧倒的優位の流れが変わったのは34分。左サイドで奪ったボールをバディアシルに送ったカイセドは、ガルナチョにさらわれたミスパスを悔やんでいます。バディアシルから逃げるようにして中央に持ち込んだ若きドリブラーは、ペトロヴィッチのポジションを見て冷静に右に決めました。

1点差に詰めたマン・ユナイテッドは、エンソ・フェルナンデスの鋭いシュートをオナナがビッグセーブでしのいだ直後、39分にカウンターを仕掛けました。オナナのスローからブルーノ・フェルナンデス、アントニーと右につながり、サイドチェンジがガルナチョへ。落としを受けたダロトがファーにクロスを入れると、フリーのブルーノがヘディングで左に収めました。

コール・パルマーが右から仕掛けた45分のチャンスは、ニアでラストパスをもらったコナー・ギャラガーの一撃が右のポストにヒット。2-2で折り返したゲームが動いたのは、67分でした。ハーフタイムにヴァランと代わったジョニー・エヴァンスがリタイアとなり、カンブワラが駆り出された不安な時間帯です。

ホイルンドと交代したばかりのラシュフォードが、アントニーを走らせる縦パスをフィード。ククレジャをドリブルで翻弄していたレフティは、気持ちの余裕があったからこそ、ダイレクトで左足アウトにかける難易度が高いアーリークロスを選択でしたのでしょう。逆サイドから走り込んだガルナチョが飛び出したペトロヴィッチに先着し、無人のゴールに頭で押し込みました。

逆転してから90分までのシュート数は8対0。とはいえ、75分にカゼミーロをマクトミネイ、86分にガルナチョをメイソン・マウントという策は、悪くはなかったと思います。ノニ・マドゥエケがドリブルを始めるまでは、うまく時間を遣っていたのですが…。チャンピオンズリーグのリードした試合で8ポイントを落としたチームは、またもやらかしてしまいました。

リサンドロ・マルティネスとリンデロフが欠場となり、ヴァランとジョニー・エヴァンスが途中リタイア。苦しい布陣だったのは確かですが、最後の2失点は判断力と集中力の問題です。今季のわれわれの限界を目の当たりにした一戦。「28本のシュート、10本のオンターゲットを許したチームが負けるのは必然だった」と、自分に言い聞かせています。


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