2024.04.30 プレミアリーグ観戦記2023-24プレミアリーグ観戦記
【MAN.UTD×Burnley】19位とのホームゲームでミス連発…テン・ハフが抱える問題と危うい未来。
「負傷者が多すぎる」「ジャッジは不当だ」。直近の公式戦7試合を2勝4分1敗と苦しんでいるマンチェスター・ユナイテッドは、指揮官の言い訳リストが話題になっています。これまでの定番は、主力の大量離脱だったのですが、最近はレフェリー批判のシェアが高まってきました。バーンリー戦の試合後の会見で主張していたのは、ガルナチョへのコンタクトと終盤のハンドです。
レフトバックが全滅し、CBがひとりという惨状に愚痴をこぼしたくなるのは理解しますが、われわれよりも負傷者が多いニューカッスルが同時期に4勝1分1敗という事実は押さえたほうがいいでしょう。19位バーンリーにホームでたった1発というしょっぱい試合は、前線の人材不足が原因だったのでしょうか。もしかして、ラシュフォードがいなかったから決められなかったとでも…?
冷静に、現状を見てみましょう。直近の2勝は、3-0から追いつかれたチャンピオンシップ8位のコヴェントリー戦と、残り10分まで同点だった最下位シェフィールド・ユナイテッド戦だけです。7戦のうち5戦はリードを守れず、80分以降に6失点。人材不足や微妙なジャッジを嘆くより、マークの受け渡し、コーチング、セットピースの守備の改善を考えるほうが建設的です。
バーンリー戦は、攻守ともに課題多き一戦でした。シュート数27対16、オンターゲット10対7。6回の決定機を活かせず、降格候補にきわどいシュートを打たれ続け、1-1で終わっています。81分にアントニーが決めた唯一のゴールは、サンダー・ベルゲのパスミスを拾った幸運な1発。彼については、今季プレミアリーグ初ゴールより、決められなかった7本のほうが気になります。
GKにさばかれた5本は、右もしくは中央から左隅に打っており、左サイドからは右隅を狙っています。ガルナチョがボックス左を突破した50分の決定機は、苦手な右足のスライディングシュートがGKの正面。彼の最大の課題は、いつも同じプレイをすることです。ボールを足元に受けると、縦に突破するふりをするのが習慣で、右からのシュートは必ずファーに飛んでいきます。
ガルナチョの6本も、単調でした。左からカットインすると右足でファーポスト際を狙うばかりで、枠の左に飛んだ2本は、ブルーノのクロスに走り込んだスライディングボレーと、アマド・ディアロが横に流したボールを叩いたダイレクトショットだけでした。思考も工夫も介在しない感覚的なフィニッシュは、コーチのアドバイスやトレーニングで改善できるテーマです。
ミドルシュートが増えたグヴァルディオル、的確なオーバーラップを体得したベン・ホワイト、左右に流れるオリー・ワトキンスらを見ると、チーム戦術と個々の選択肢の幅が感じられます。マン・ユナイテッドも、最近はアントニーが中央でプレイするシーンが増えています。いいアイデアだと思いますが、「改善するのが遅すぎる」「シュートは未だ単調」といいたくなります。
ブルーノ・フェルナンデスのチャンスクリエイトは9回。3本のクロスと9本のロングフィードは、ゴールにつながりませんでした。ホイルンドはシュートゼロで、ボールタッチは14回、パス成功は3本のみ。ウインガーがドリブルで上がった際に、ラストパスは出てこないと判断し、スプリントを止めるシーンがあるのは懸念材料です。
失点に目を移すと、カゼミーロがGKにキャッチさせようとしてヘディングで浮かし、前に出たオナナがアムドゥニの顔を叩いてしまったシーンは、ウルヴスとの開幕戦でカライジッチが倒れたときと似たような状況でした。サイモン・フーパーは見逃してくれたのですが、ジョン・ブルックスはルール通りに裁いたというだけです(1月のスパーズ戦ではウドジェを見逃したのに…)。
これもまた、絶対に触れない状況で手を出したオナナの余裕と思考の欠如に起因しているように見えます。ただし、彼を詰めるのはフェアじゃないでしょう。前半に超絶ビッグセーブを3つも記録した守護神は、仲間が追加点をゲットしていれば、ヒーローとして称えられたはずです。解決策は、選手に安心感を抱かせる信頼関係の醸成と、自信をもたらすモチベートでしょう。
テン・ハフが抱える問題は、彼自身のプライドの高さと個々の選手とのコミュニケーション不足から生じているように思えてなりません。サンチョとの確執も、ガルナチョの「いいね!」事件も、指揮官のプレスに対する発言がトリガーとなっています。両者とも、自らの手応えと評価にギャップを感じ、敏感に反応してしまったのだと思われます。
ボーンマス戦の後、「7位以下はクラブ史上最悪の結果だが」といわれて激怒し、会見を途中退席。バーンリー戦の直前のプレスカンファレンスでは、「ザ・サン」「ミラー」「マンチェスター・イブニングニュース」の記者の質問は受け付けないと通告しています。こんなエピソードが続くと、選手たちから耳障りが悪い声が挙がったとき、どう対処しているのかが気になります。
「言い訳が増えた」と指摘している「テレグラフ」や、「バーンリー戦で最も記憶に残る瞬間は、ホイルンドとメイヌーを代えたときの大ブーイング」と書いた「アスレティック」にも、同じ措置を講じるのでしょうか。過去のプレミアリーグの事例を紐解くと、複数の主力と揉めた監督、メディアを敵にまわした監督、サポーターの支持を失った監督の未来は…。
レフトバックが全滅し、CBがひとりという惨状に愚痴をこぼしたくなるのは理解しますが、われわれよりも負傷者が多いニューカッスルが同時期に4勝1分1敗という事実は押さえたほうがいいでしょう。19位バーンリーにホームでたった1発というしょっぱい試合は、前線の人材不足が原因だったのでしょうか。もしかして、ラシュフォードがいなかったから決められなかったとでも…?
冷静に、現状を見てみましょう。直近の2勝は、3-0から追いつかれたチャンピオンシップ8位のコヴェントリー戦と、残り10分まで同点だった最下位シェフィールド・ユナイテッド戦だけです。7戦のうち5戦はリードを守れず、80分以降に6失点。人材不足や微妙なジャッジを嘆くより、マークの受け渡し、コーチング、セットピースの守備の改善を考えるほうが建設的です。
バーンリー戦は、攻守ともに課題多き一戦でした。シュート数27対16、オンターゲット10対7。6回の決定機を活かせず、降格候補にきわどいシュートを打たれ続け、1-1で終わっています。81分にアントニーが決めた唯一のゴールは、サンダー・ベルゲのパスミスを拾った幸運な1発。彼については、今季プレミアリーグ初ゴールより、決められなかった7本のほうが気になります。
GKにさばかれた5本は、右もしくは中央から左隅に打っており、左サイドからは右隅を狙っています。ガルナチョがボックス左を突破した50分の決定機は、苦手な右足のスライディングシュートがGKの正面。彼の最大の課題は、いつも同じプレイをすることです。ボールを足元に受けると、縦に突破するふりをするのが習慣で、右からのシュートは必ずファーに飛んでいきます。
ガルナチョの6本も、単調でした。左からカットインすると右足でファーポスト際を狙うばかりで、枠の左に飛んだ2本は、ブルーノのクロスに走り込んだスライディングボレーと、アマド・ディアロが横に流したボールを叩いたダイレクトショットだけでした。思考も工夫も介在しない感覚的なフィニッシュは、コーチのアドバイスやトレーニングで改善できるテーマです。
ミドルシュートが増えたグヴァルディオル、的確なオーバーラップを体得したベン・ホワイト、左右に流れるオリー・ワトキンスらを見ると、チーム戦術と個々の選択肢の幅が感じられます。マン・ユナイテッドも、最近はアントニーが中央でプレイするシーンが増えています。いいアイデアだと思いますが、「改善するのが遅すぎる」「シュートは未だ単調」といいたくなります。
ブルーノ・フェルナンデスのチャンスクリエイトは9回。3本のクロスと9本のロングフィードは、ゴールにつながりませんでした。ホイルンドはシュートゼロで、ボールタッチは14回、パス成功は3本のみ。ウインガーがドリブルで上がった際に、ラストパスは出てこないと判断し、スプリントを止めるシーンがあるのは懸念材料です。
失点に目を移すと、カゼミーロがGKにキャッチさせようとしてヘディングで浮かし、前に出たオナナがアムドゥニの顔を叩いてしまったシーンは、ウルヴスとの開幕戦でカライジッチが倒れたときと似たような状況でした。サイモン・フーパーは見逃してくれたのですが、ジョン・ブルックスはルール通りに裁いたというだけです(1月のスパーズ戦ではウドジェを見逃したのに…)。
これもまた、絶対に触れない状況で手を出したオナナの余裕と思考の欠如に起因しているように見えます。ただし、彼を詰めるのはフェアじゃないでしょう。前半に超絶ビッグセーブを3つも記録した守護神は、仲間が追加点をゲットしていれば、ヒーローとして称えられたはずです。解決策は、選手に安心感を抱かせる信頼関係の醸成と、自信をもたらすモチベートでしょう。
テン・ハフが抱える問題は、彼自身のプライドの高さと個々の選手とのコミュニケーション不足から生じているように思えてなりません。サンチョとの確執も、ガルナチョの「いいね!」事件も、指揮官のプレスに対する発言がトリガーとなっています。両者とも、自らの手応えと評価にギャップを感じ、敏感に反応してしまったのだと思われます。
ボーンマス戦の後、「7位以下はクラブ史上最悪の結果だが」といわれて激怒し、会見を途中退席。バーンリー戦の直前のプレスカンファレンスでは、「ザ・サン」「ミラー」「マンチェスター・イブニングニュース」の記者の質問は受け付けないと通告しています。こんなエピソードが続くと、選手たちから耳障りが悪い声が挙がったとき、どう対処しているのかが気になります。
「言い訳が増えた」と指摘している「テレグラフ」や、「バーンリー戦で最も記憶に残る瞬間は、ホイルンドとメイヌーを代えたときの大ブーイング」と書いた「アスレティック」にも、同じ措置を講じるのでしょうか。過去のプレミアリーグの事例を紐解くと、複数の主力と揉めた監督、メディアを敵にまわした監督、サポーターの支持を失った監督の未来は…。
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
コメントを残す